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おっさんが雑魚キャラに転生するも、いっぱしを目指す。  作者: 愛自 好吾


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第49話 シスターサナリー救出任務 ⑧

 



 辺りを警戒しながら、更に修道院へ向け移動しつつ、マーテルさんが上空から見張ってくれている。


 中々の布陣だと思うが、油断は出来ない。


 しかし、何事も起こらないのもまた事実なのだ。


 もうこの辺りには敵性勢力はいないのかもしれない、暫く森の中を道なりに歩いて行くと、見えてきた。


 修道院だ、森の中にひっそりと佇む石造りの建物だ。


「あれが修道院か、結構立派な建物だな。」


「ああ、そうだなニール、なんか年季を感じるよな。」


「まあ、この修道院は古くからありますからね、歴史的建造物としても価値がある建物なのですよ。」


 マーテルさんが説明してくれた。


 やはりシャイニングナイツの一人として、女神教会の人として、古い修道院などの歴史を感じる建物とかは、興味があるのかもしれないな。


「では、私はサナリー様をお迎えに上がりますので、皆さんはここで待機していて下さい。」


「解りました、我らはここで待機しています、何か不測の事態があれば、即座に対応致します。」


「お願いしますね、サキ少尉、あ、それとジャズさん、貴方は私と共に来てくださいませんか? サナリー様にお目通り致しますので、折角義勇軍のメンバーがここにいらっしゃるのですから、ご一緒に行きませんか?」


 急にマーテルさんに誘われた。俺なんかが修道院に入ってもいいのかな? 


 まあ、軍人がぞろぞろと修道院に入っていく光景というのも、シュールな絵面だが。


 俺だって一応アリシア軍人なのだがな。


「よ、よろしいのでしょうか? 自分などが王女様のお迎えに上がるなど………。」


 マーテルさんはとても素晴らしい笑顔で、俺に向かい、言葉を掛けた。


「貴方は義勇軍ですからね、歴史的に見ても王族に接触する機会があった方がいいのですよ。何せ義勇軍のメンバーなのですから。」


(うーむ、そういうものなのか? 今一よくわからん。)


 俺が及び腰になっていると、皆から声を掛けられた。


「何だよジャズ、行ってこいよ。お前義勇軍だろ。遠慮すんなよ。」


「そうよジャズ、そういう面倒くさい事はあんたに任せるわよ。行ってきなさいよ。」


「ほらほらジャズさん、行くですよ。」


「ジャズ上等兵、行ってきたらどうだ? お相手はこの国の第二王女だぞ。」


「ジャズ上等兵、行ってきなさいな。少しは礼儀作法を学んで頂かないといけませんわよ。」


(な、何だよ、皆して。)


「わかったよ、わかりましたよ。行きますよ、行きゃあいいんでしょ。」


 マーテルさんが修道院のドアをノックして、様子を窺い、こちらの所属を伝える。


「こんにちは、私はマーテルと申します。シャイニングナイツです。この扉を開けては貰えませんか?」


 修道院の扉はしっかりと施錠されている、無理も無い。先程まで山賊達に取り囲まれていた訳だしな。


 きっと怖い思いをしていたに違いない。


「もう安心です。自分はジャズと言います。アリシア軍人の兵士です、この辺り一帯の安全は確保しました。どうかこの扉を開けて下さい。」


 すると、ガチャリと音がして、修道院の扉が開いた。出迎えてきたのは一人の修道女だった。


「もう、安心なのですか? ああ、良かった。怖い人達にここを囲まれていた時はどうしましょうと思っていましたわ。もう安全なのですね。助かりました。どうもありがとうございます。お手数をお掛けした様ですわね。」


 修道女の人はやはり怖がっていたらしい、扉に鍵をかけて外からの侵入を拒んでいた様だ。


 流石に賊達もここには手を出していなかった様だが、何はともあれ、修道女が無事で何よりだ。


 サナリー様はご無事だろうか?


「私はシスターサナリー様をお迎えに上がりに来ました。シャイニングナイツのマーテルと申します。修道長にはお話が通っていると思いますが?」


「まあまあ、そうでしたか。さあ、中へお入り下さい。皆さん待っていましたよ。」


 こうして俺とマーテルさんは、修道院の中へと案内された。


 中に入ると三体の女神像の前で、他のシスターさん達が祈りを捧げていた。


 そして、マーテルさんがシスターさん達に声を掛けると、皆一斉に喜び合い、助かった事への感謝の祈りを捧げていた。


「貴方も私達を助けに来た方でして?」


「あ、はい、自分はアリシア軍の兵士です。」


「まあまあ、そうでしたか。これはこれはご苦労様でした。何のおもてなしも出来ませんが、どうかごゆっくりしていって下さい。」


「あ、いえ、自分は所要があってここに参った次第でありますので、直ぐに失礼致します。」


 うーむ、何だかシスターさん達が俺を見て、目をキラキラさせているのは気のせいかな? 


 と、そんな中で、一人のシスターさんが一歩前へ出てきた。


「マーテル、ご苦労様です。わたくしを王都へ連れて行く様、頼まれたのですね、しかし、わたくしはまだ修行を終えたとは思ってはおりません。引き続きここでの修行をしていきたいと考えていますが。」


 この人が第二王女サナリー様なのかな。


 二十代の美しい女性って感じだ。間違いなくべっぴんさんだ。


「サナリー様、私が受けた任務は、貴女を王都にある女神教会へお連れする様、言付かっております。早速ご準備の程を。」


「………はあ~~、大方、アロダントお兄様辺りからの差し金でしょう。わたくしは王位継承権を放棄した身の上なのですが、おそらくわたくしを手元に置いておきたいのでしょうね。王都にある教会なら幾らでも手出し出来ますからね。」


 何だろうか? サナリー様はどこか嬉しくないご様子だ。


 それどころか、ここを離れたくない様な言い方だな。


 王都に行きたくないって感じだ。どうしてだろう?


「その様な、確かに第一王子ダイサーク様と第二王子アロダント様の不仲は健在ですが、だからと言って、サナリー様には何の影響もありませんよ。どうかご安心下さい。」


「マーテルは解ってはいませんわ、お兄様方は実の兄弟なのに、血で血を洗う策略をしているのです。次の玉座に座る為に、わたくしが王位を放棄したのはその様な醜い争いから離れたかったからですわ。」


 ふーむ、王族と言っても色々とあるのだな。何だか大変そうだ。


 次期国王を巡って、兄弟同士での骨肉の争いが王都で展開されているって訳なんだな。


 やれやれ、王族ってのも大変そうだ。


 だからなのかな? サナリー様が修道院に入られたのは。


「サナリー様、実は今回、貴女をお連れする様言付かってきたのは、第一王子ダイサーク様の意向があったからなのです。」


「え? ダイサークお兄様から?」


「はい、第二王子アロダント様は信用置けないと言い、貴女様を王都へお連れする様、お願いされたのです。」


「………そうでしたか、ダイサークお兄様が、………兄のアロダントの性格は、非情にして残忍、弱者に鞭打つ事に快楽を覚えるサディストなのです。実の兄とはいえ、わたくしもあの兄は信用置けないですわ。………解りました、わたくしは王都へ向かいます。ただし、行くのは女神教会です。王城へは行きません。それでよろしいですか? マーテル。」


「はい、それで結構だと思います。サナリー様のご随意に。」


「わかりました、準備は既に出来ています。身一つでここに来ましたからね、直ぐにでも出立出来ますよ。」


「助かります、サナリー様。」


 ふーむ、どうやらサナリー様は王都へ行く事になったようだぞ。


 やれやれ、ひと悶着あったが、何とか任務を全う出来そうだ。


「ところで、そちらの殿方はどなたなの?」


 と、ここで俺の事に話が及んだ。取り敢えずは自己紹介からだな。


「初めましてサナリー様。自分はジャズと申します。アリシア軍の兵士であります。サナリー様をお迎えに上がりに来ました。途中までですが、どうか宜しくお願い致します。」


「ええ、宜しく。」


 こうして、シスターサナリー王女殿下を伴って、俺とマーテルさんは修道院を後にする。


 まずは一度クラッチの町へ行き、そこから後はマーテルさんのペガサスに二人乗りして、王都へ向かうそうだ。


 やれやれ、何とか今回の任務も無事に済みそうだな。


 だが、基地に帰るまでが任務だ。油断せず行こう。


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