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おっさんが雑魚キャラに転生するも、いっぱしを目指す。  作者: 愛自 好吾


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第47話 シスターサナリー救出任務 ⑥

 



 戦いは終わった、というより、見逃してもらった、という方が正しい物の見方だろう。


 兎に角、俺達は無事に済んだ。たった一発の魔法で二個小隊が動けなかった。


 只の魔法使いにしては力が強い方だと思う、闇の崇拝者か、恐ろしい相手だった。


 もう二度と会いたくないな。


 マグマを退かせたマーテルさんは、事態が収拾した事を確認し、その場で屈み込んだ。


「だ、大丈夫ですか!? マーテル殿!」


 俺は駆け寄り、マーテルさんの側まで行く。


「大丈夫です。ちょっと疲れただけですから、少し休めば平気ですよ。」


 そうか、そうだよな、シャイニングナイツでペガサスナイトのマーテルさんだからって、女性だもんな。


 あんな激しい戦いをして、無傷の訳ないよな。


 一人で戦ったので、気負いすぎて無理をさせていたのかもしれない。


 俺達が不甲斐ないばかりに、情けねえ。


「マーテル殿、この回復薬を使って下さい。」


 そう言いながら、アイテムボックスから回復薬を取り出し、マーテルさんに渡す。


 マーテルさんはそれを受け取り、お礼を言った。


「助かります、有難く頂戴致しますわ。」


 マーテルさんは回復薬を一気に飲み干した。


 かなり危険な状態だったらしい、危ない所だった。しかし、これで少しは持ち直した筈だ。


「ふう~、ありがとう、ジャズさん。お陰で助かりました。実はギリギリだったのです、恐ろしい相手でしたね。逃げられたのはシャイニングナイツとしてはまだまだと、御姉様方に叱られてしまいますわ。」


「………やはり、あの黒ローブの男は闇の崇拝者だったのですね。凄く強い魔法使いでした。おそらくウィザードかアークメイジあたりの上級職かと思いますが、たった一発の魔法で二個小隊が手も足も出なかったですからね。」


「確かに、恐ろしい相手でしたね、私の切り札も止めにはなりませんでした。これ以上戦ったら不利になると思ったのでしょう、引き際を見誤らない事といい、経験豊富な魔法使いなのでしょう。」


「マーテル殿、少し休みましょう。お体を大切にしませんと、身が持ちませんぞ。」


「そうですね、そうします。」


 マーテルさんは大丈夫そうだ、流石はシャイニングナイツといったところか。


 たった一人で戦い、相手を退かせた。皆を守った立派な騎士だ。


 マーテルさんをそのままにして、俺はサキ隊長達の所へと向かった。


 皆その場で屈み込んで動けない様だ。無理も無い。


 いきなりアースクエイクの魔法攻撃だったからな。


「隊長、ご無事ですか?」


「ああ、何とかな、しばらく休んでいれば落ち着くだろう。それにしてもジャズ上等兵、貴様はこんな状態でも動けるのだな、感心した。」


「いえ、自分だってまだ足元が揺れている感覚がしますよ。少しばかり地震に耐性があるくらいです。平気という訳でもありませんよ。」


「そうか、………皆も平気か? 無理せずその場で座って休んでいろよ!」


「わかっていますわ、まさか地面があんなに揺れるとは、恐ろしい魔法でしたわね。」


 ナナ少尉も相当参っているようだ、まあそうだよな。


 地震を体験した事が無い人なら、先程のアースクエイクの魔法による地震は相当怖かった筈だ。


「ニール、リップ、メリー伍長、平気かい?」


「ああ、何とかな、いきなり地面が揺れ出すんだもんな、この世の終わりかと思っちまったぜ。あー、まだ地面が揺れてる感じがする。」


「ジャズはよく歩けるわね、私なんか地面が揺れた時、何も出来なかったのに。」


「はわわ、地面が揺れるなんて、恐ろしい事、想像できませんです。怖かったです。」


 まあ、無理も無い。地震は怖い、暫くは皆、動けないだろう。


 さてと、お次は山賊の頭目に回復薬を飲ませて、意識を取り戻させてから情報を聞き出すか。


「メリー伍長、回復薬を一つ頂けませんか? まだ意識がある山賊に使って回復させて、情報を聞き出したいのですが。」


「回復薬ですね、少し待って下さいです。」


 そう言って、メリー伍長は背中に背負ったリュックサックから、回復薬を一本取り出し、俺に渡してくれた。


 俺はそれを受け取り、早速山賊の頭目の所まで行って、回復薬を飲ませた。


「よし、これで暫く待てばこいつは息を吹き返すだろう。それまで皆と話しをしてこよう。」


 山賊の頭目に回復薬を飲ませ、俺は皆の所へと戻った。


 皆は休みながらも、それぞれ意見交換している様だ。


「なあジャズ、あの黒ローブの男って、もういないのか?」


「ああ、逃げられた、というより、見逃して貰ったという方が正しいな。もう二度と会いたくないよな、ニール。」


「ねえジャズ、あの黒ローブの男って、自分の事「闇の崇拝者」って言っていたわよね?」


「そうだな、リップも聞いていた通りだと思うよ。」


「おいジャズ、ホントか? そんな御伽噺に出てくるような奴が相手だったのか?」


 ここでマーテルさんがこちらへとやって来て、皆の話に加わって来た。


「はい、ニールさん。闇の崇拝者は実在します、我等シャイニングナイツは日々の戦いにおいて、あのような連中とも戦っていますから、闇の崇拝者はそれは恐ろしい存在なのです。皆さんが無事で本当に何よりです。」


 ここで、サキ隊長がマーテルさんに質問した。


「マーテル殿、何故、闇の崇拝者は修道院なんかを襲ったのでしょうか? まさかとは思いますが、第二王女サナリー様の存在が知られていたという事でしょうか?」


「うーん、そうですねえ、内通者でもいない限り、そういった情報は外に漏れないと思いたいですね。」


「内通者ですか。そう言えばその山賊の頭目に回復薬を飲ませたんだったな、ジャズ上等兵?」


「はい、もうじき覚醒すると思われます。」


「よし、山賊の頭目の周りに集合、こいつから情報を聞き出す。ジャズ上等兵、ナイフを使っても構わん。起こせ。」


「は!」


 小隊の皆は山賊の頭目の周りに集まり、情報を聞き出す為、起こそうとした。


 だが………。


「うーん、後五分。」


「おいジャズ、ナイフを刺せ。」


「は! 直ちに!」


「おいおい! ちょっと待ってくれよ、俺は何もしちゃいねえぜ!」


(こいつ、やっぱり起きていたか。)


「ふざけてないで洗いざらい喋った方がいいぞ、サキ隊長、どうぞ。」


「うむ、まず、何故修道院など襲った?」


 サキ少尉は直球で聞いた、さて、山賊の頭目はどう答えるのか。


「ちょっと待ってくれ、俺たちゃ修道女にゃ指一本触れてねえぜ。修道院は確かに取り囲んでいちゃあいたが、目的はそこにやって来る女を、連れ出す修道女ごと始末するってだけだったんだよ。」


 俺が問い詰める。


「金貨10枚でか? 誰に雇われた?」


「詳しくは知らねえ、ただ、名前も顔も知らねえんだよ。俺は只、言われた事をやってるだけなんだ。」


「雇い主も知らないってどういう事だよ?」


 ニールの意見ももっともだ。


 普通雇い主の事をそれなりに調べるぐらいの事はすると思うが。


 さて、こいつが嘘を言っている訳でもなさそうだしな。


「名前は知らねえ、顔はフードを目深に被っていたからよく見えなかったし、只………。」


「只、何ですの?」


 ナナ少尉が先を促して、山賊に聞き出しにかかった。


「うーん、ありゃあ貴族だな、喋り方といい、態度といい、偉そうな感じだったし。」


「貴族?」


 ふーむ、この国の貴族が一枚噛んでいるという事か? 


 だとしたら、サナリー様の事も知られている可能性が出てきたな。


「それと、マグマのヤローの事だが………。」


 その瞬間、突然山賊の頭目に黒い炎が燃え出して、一瞬のうちに山賊の頭目を黒い炎が包み込んだ。


「ぎゃあああああ!? あちいいいいいいい!? た、たすけてくれええええええ!?」


(何だと!? 黒い炎だと!)


「皆下がれ! こいつに近づくな! 黒い炎に絶対に触れるなよ! わかったな!」


「な、何事ですの!?」


「ナナ少尉下がって! 迂闊に黒い炎に近づかないで!」


 それは、一瞬の出来事だった。


 山賊の頭目が「マグマのヤロー」と言った瞬間、突然黒い炎が山賊を包み込み、一瞬で跡形もなく焼失した。


「これは! ダークブレイズだ。暗黒魔法のダークブレイズの魔法だ!」


 なんて危険な魔法を使いやがる。後先考えていない奴の仕業か。


 兎に角、この事で山賊からの情報は、結局聞けず仕舞いなのは間違いない事だった。


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