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7/7

7話


ハント王国の話から、自然と、綿菓子少女の話に移ったのは自然の事でした。なにしろ事の発端がその少女だったのですから。


「例の少女はどうされました?」

「ユリアとかいう娘のことか?」

「はい。帝国人ではないと判断していますが、実際どこの国の者なのですか?」

「西側の半島の者だ」

「半島……といいますと、例の?」

「ああ、()()()であった愚か者の寄せ集まりだ」

「それはそれは」


あの半島出身者でしたか。

ならば納得です。

どうりで会話が成り立たないはずですわ。ありもしない虐めを、さも、あったかのように話して聞かせ、その上に演出までする始末。虚言癖というには些か疑問に感じたものです。


帝国の属国の一つであった半島国家。

最貧国であり、王家も借金で首が回らない状態であったそうで、自ら望んで売り込みに来た国でもありました。あまりの悲惨さと地政学的な面を考慮して属国になる事を許したといいますのに。何故か、幾たびも反発してくる有り様。

一体、なにがしたいのか分からない国でもありました。

資金援助をし、飢えからも助け、他国からの圧力や脅威も退けてあげたといいますのに、感謝するどころか逆に謀反を企むのですから。官民ともに性根が腐りきっているとしか思えません。


挙句の果てに、


「我々は帝国から搾取され奴隷の如き扱いを受けている。被害者である憐れな我々に対して、帝国に“謝罪と賠償”を求める」


言っている意味が分かりません。

自分達で助けを求めてきたのではありませんか!国ごと売り込んできたのですよ?私たち帝国は哀れに思い援助して助けてあげたのですよ?にも拘らず、“謝罪と賠償”ですって!?

受けた恩をあだで返される、とはこの事をいうのでしょうね。

同じ人間の言葉を話しているのでしょうか?

そもそも、半島の者達は『人』なのでしょうか?

犬猫の方がよほど賢いですわ!

人間未満の動物に対して帝国は長期に渡り見守ってきましたが、流石に皇族相手に間接的とはいえ侮辱的発言を言って許されるはずがありません。帝国人の堪忍袋の緒が切れた瞬間でしょう。帝国の民衆達の嘆願もあり、半島国家は(ことごと)く破壊しつくし歴史から消え去りました。半島の貴族や高官も一族全て処刑台に送り、民に至っては奴隷制度を実施している国に売り払い、国土の半島を戦闘訓練場所に致しました。

(みずか)らが仰ったように「搾取される奴隷」になったのです。彼らとしても本望でしょう。



その生き残りが、帝国に残っていたとは。

驚きを隠せません。

お父様が言うには「教会が匿っていたのだろう」との事です。

何故、あのような動物を飼うのでしょうか?

哀れみですか?

慈悲ですか?

迷惑極まりない。

自分達で面倒を見れないのに、何故、飼おうと考えるのでしょう。

出来ないと判断したならば処分するべきです。

保健所に連絡すればいいでしょう。

動物愛護団体も人に危害を加える可能性が極めて高い動物に対しては、とやかく言いません。

早い段階で拾ったなら、拾った場所に戻す事も人として責任ある行動です。野生動物は野生に返せ、というではありませんか。

まったく、困ったものです。

今回の件で、大分、反省をしていると耳にしました。

この数年間は教会も大人しくしているでしょう。暫くは大きな顔も出来ないでしょうから、これで良しとしましょう。



次はありませんけどね。


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― 新着の感想 ―
[一言] なんかすげえ既視感があるなあ半島
[一言] 半島人ね、うんw
[良い点] 読んでいて、なんかスッキリしました! これは良い話。
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