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The Rampage 2021 - The Beginning of the Rampage!!!  作者: 冬野 立冬
一章 beginning
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8話 歯車が動き出す(5)


 ────数分前、大通駅にて



「あちゃ〜これからどうするかね」


 久志は頭を掻きながらこれからの事を考える。

 さっぽろ駅に向かって三春に合流しようかと考えたが、あんな美少女に振り回されてる内気な同級生ほど面白いものはないと考え三春はとりあえずあのまま放置する事にした。

 したがって三春のピンスタの通知オフにする。

 大きくなって帰ってこいよ!などと久志は心の中で楽しんでいるか三春はサケでは無いし本人からしたら大変迷惑極まりない行為である。しかし久志は何の躊躇(ためら)いもなく普通に三春の通知を切った。


 しかしさっぽろ駅に向かわないとなれば久志の行く当ては当然消える。したがって久志は顎に指を添えながらどこに足を向かわせようか考える。


 ────家に帰るのは論外だろ……


 ────すすきのに向かうのもアリか?いや危険に巻き込まれるのは避けたい。痛いのは嫌いだ。


 ────でもすすきのには修哉さん達が居るし顔を出すのもありな気がしてきたな。


 駅の階段を降りてすぐの所で予定を考えている久志は側から見ると大変不思議な人物に見え、階段を降りる人々は何と邪魔な奴なのだろうと心の中で愚痴を溢しながら久志を華麗に避けていく。

 しかしそんな人混みの中で二人の男が久志に声を掛けた。


「君、ここでさっき噂の『リバース』って組織の人達が暴れてたって話を聞いたんだけどそれ見てたりしないかい?」


 久志は突如話しかけられた事に驚きつつ警官にでも話しかけられたのかと思い、若干面倒な表情を顔に纏わせて振り返る。

 久志にとって警官はこの世で一番嫌いなものと言っても過言ではない。

 彼の()()的な問題で警官などとは話したくもないのである。

 しかし振り返った先にある顔は警官などでは全くなかった。


「え?外人さん?」


 久志の視線の先には二人の外国人が居たのだ。

 顔つき的にも日本人とは大きく違い何より目の色が緑色なのが目の前の人物が外国人という事をわかりやすく証明していた。更に言うとそこそこなイケメンである。


「外人だけど日本語でいいよ」


 彼の日本語は実に流暢で優しく、そして聞き取りやすい声であった。

 久志がこれでは日本人も顔負けではないかと思ってしまうレベルである。

 そして驚く事に久志はこの人物に見覚えがあった。


「あの……もしかしてなんすけど、明日市長になる予定のハルネ・ハーネストさんだったり?」


「ん?知ってるのかい?若者なのに政治なんかに興味を持つなんて偉いね」


「いや〜それ程でもないっすよ!」


 久志は人当たりのいい態度をしながら心の中では(よこしま)な考えを展開させる。

 彼の本職は大学一年生だと言うのに『情報屋』であった。

 あらゆる手段を使って情報を入手してはその情報を欲している者に情報に見合った値段で受け渡す。

 それが彼の仕事である。

 彼の師匠に当たる人物が有名な『情報屋』としてこの街で名を轟かせていたのだが、師匠は歳で現役を引退してしまいその後釜を久志が継いだのだ。

 久志はデビュー当時から師匠の名を借りて瞬く間にこの街に新たな情報屋が生まれたと話題を展開させ、その情報は人と人との間柄や街の情勢、今後建てられる建築物、政治の情勢まで何でもござれと言った感じであった。

 久志は常人より遥かに記憶力が良く一度手に入れた情報は頭から離れないという異端振りを遺憾なく発揮し、今となってはこの街の『裏』に限りなく根を下ろしている存在となっていた。

 師匠もその記憶力に惚れ込んで久志を弟子に迎えたのだがあまりにも自由奔放すぎる為、師匠は暫く手を焼いたそうだ。しかしこれはまた別の話である。


 そして今、『情報屋』の久志の商売魂が言っている。「これは金の匂いがする」と。

 すぐに久志は学生モードから情報屋モードに切り替えて交渉を開始する。


「ハルネさん、さっきの『リバース』の話なんすけどね────」



「────何が起きたのかだけを話すのならその情報を金として……そうだなぁ、初回料金特別価格千円で買いませんか?」


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