【番外編】
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
帰宅後、僕はみちるに、芽依さんからの依頼について話す。
詳細を話すと、情報漏洩になってしまうので、内容はぼかした。
新しい仕事がきた、でも、乙女ゲームシナリオだと。
「へえ……」
みちるが少し考えた後にいう。
「勇太はどう思った?」
「どうって、乙女ゲームは書いたことないしなぁって」
「うーん……じゃあ質問を変えるわね。書きたくないの?」
「それは違うよ。別に書きたくないわけじゃあない」
ただ、書いたことがないので、書けるかなぁって思ってるだけだ。
するとみちるがため息をつく。
「じゃ、書いてるでしょ」
「……はい?」
何言ってるんだろう、みちる。
書けるでしょ、ならわかるけど、書いてるでしょって……?
「勇太、あんた、今日打ち合わせに何持っていった?」
「普段のノートパソコンだけど」
『冒頭、みちる姉さんにぶっ壊されたやつ、新しく買い替えてあんだよ』
こうちゃんがソファに寝そべりながら、したり顔でいう。
『みちるほんとキャラ変したよね。マンガUPのコメント蘭でも指摘あったし』
「おちびが何言ってる変わらないけど、バカにされてるのだけはわかったわ」
みちるはこうちゃんのおもちみたいなほっっぺたを、ひっぱる。
その間に、僕はノートパソコンを開いた。
『かみにーさま!? ヒロインが暴力振るわれてますよ!? 暴力ヒロインは追放しましょう!』
「はいはい」
『かみにーさま!? 雑じゃない!? 我メインヒロインぞ!? 作者のお気に入りぞ!?』
えーっと、パソコンに……って、あれ?
見覚えない、ワードファイルがあった。
「どうしたの?」
みちるが、僕に問うてくる。でも、どこかみちるは、答えがわかってるように感じた。
「いや、なんか知らないワードファイルがあって」
「開いてみたら?」
僕は恐る恐る、ファイルを開く。
そこには……文庫本で500ページくらいの、シナリオが書かれていた。
タイトルは、
「『喜びにみちる世界』……?」
「それが乙女ゲーのタイトルなのね」
「え!? いや、違うでしょ?」
「違くないでしょ。また、勇太が書いたんでしょ。無意識に」
……無意識に、500ページのシナリオって書けるもん!?
「あ、書けるや」
『ばけもんや……』
みちるはため息をつきながらいう。
「どーせ、移動時間や、芽依さんと打ち合わせてる間に、書いたんでしょ」
「え、いや、うーん、どうなんだろう……でも実物あるしなぁ」
「とりあえず、読ませて。感想言ってあげるから」
「う、うん……」
僕は、僕が書いたという作品を、みちるに読んでもらうことにしたのだった。
『改めてだけど、かみにーさまって化け物だよね……。なんだよ、無意識に小説を書くって。らぶりーごすとらいたーかよ』
 




