208話 教養です
みちると昼食を取った後……。
僕らは移動する。
「次はどこへ行くの?」
「ジョイポリスってとこ」
「あ、なんか聞いたことある。室内の遊園地だっけ?」
「そうそう」
モノレールの駅の近くにある室内型のアミューズメント施設だ。
ジェットコースターとかあって結構楽しいのである。
「ねえ、勇太」
「ん? なぁに」
ふと、隣を歩くみちるが尋ねてくる。
「今日のお金なんだけど……」
お金……。ああ、デート代のことかな。
そういえば全部僕が出してるや。
「出してもらってばかりでごめんね」
なるほど、それを気にしてたのか。みちるは。
「気にしないでよ」
「でも……」
みちるが申し訳なさそうにしてる。うーん本当に気にしなくて良いんだけどな。
「今日は僕がデート誘ってるんだしさ。気にしないで」
「うん……」
と言って気にしないような子じゃないんだよなぁ、みちるって。さて、どうそしたものか。
何か買ってもらう……ってのは違う気がするな。じゃあ何か作ってもらう。なにを? みちるなら……料理かなぁ。
「じゃあ味噌汁」
「え?」
「味噌汁作って欲しいなぁ。これからも、毎日」
何の気なしに言った言葉。
けれど、みちるはブワッ! と顔を真っ赤にする。え?
なに……え?
「あ、あえ、……こ、ここでそれいうの……?」
「はい? どうしたの?」
何気なく言ったことばに、どうしてみちるは、ここまで動揺してるのだろうか。
わ、わからない……。
じっ、とみちるが僕を見て、大きくため息をつく。
「勇太。月が綺麗ですね」
僕は、頭上を見上げる。今はお昼過ぎだ。当然のことながら……月なんて出ていない。
「何言ってるの?」
「あ、うん。わかったわ……うん、OK」
はぁ……とみちるがため息をつく。その場にしゃがみ込んでしまった。ど、どうしたんだろ……?
「勇太って、作家よね?」
「そうだね。それが?」
「いやまあ……神作家だけど、古典とか読まないものね、あんた。現代作家ってみんなこんなもんなのかしら……」
何を言ってるだろう……みちる……?
【★大切なお知らせ★】
新作
『虐げられてた片田舎の治癒師、自由気ままに生きる〜辺境の村で奴隷のようにこき使われてた私、助けた聖獣とともに村を出る。私が居なくなって大変お困りのようですが、知りません』
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