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暴走列車の止め方

ようやく私が待ちに待った週末。

薙ちゃんは眠そうにあくびを繰り返している。

寮の一階、エントランスホールで待っていると疲れ切った顔の葛城先輩とガスマスク先輩に連れられて2人がやってきた。

1人は女性物の洋服に身を包んでいる。

もう1人は肩が出る程ダボッとしたTシャツを着ている。


2人共私の立派なお兄ちゃん達で、今日も元気そうです。



「いいいいいくはああああん!!!!久し振りぃぃぃいいい!!!!もうほんと一年に一回は会わないと気が済まない!」

「あぁ、うん……ひさしげふぅ!」



体格のいいモデルみたいな零ねぇにぎっちりと抱きしめられる。

至る所で骨が軋んでいく。

この歳で死ぬつもりは………ない………と言いたい……



「零、俺の的を離して」

「ちょっと待ってください雷さん。的は俺のです」

「薙坊に任してもいいのかなぁ……?やっぱり的はアタシのものー!」

「「認めない」」

「ちょ……私は物じゃないって…………へるぷみー…ガスマスク先輩…」



ガスマスク先輩に助けを求めてもごめんと言わんばかりの視線を送ってくるだけだった。

次会った時は背中に恋人はガスマスクって書いた紙を知らぬ間に張ってやる。

葛城先輩に助けを求めると、先輩はため息を吐いて、息を大きく吸った。

え、なにするのこの人。



「小日向ぁぁぁあああああ!!!!鍵塚ぁぁぁぁああああ!!!!ここにいるぞぉぉぉぉ!!!!」



誰かしらを大声で呼んだ。

あれ、この人委員長だよね?

え、応援団でもやってんの?

しばらくの沈黙が続くと近くのガサ藪から二つの人影。



「「ま、まさか……」」



雷にぃと零ねぇの顔が真っ青になる。

二人とも震えていた。



「ようやく見つけた…!」

「さぁ…………数年前の約束、守ってくださいね…?」

「「ごめん無理!!!!!!」」



零ねぇは涙目で、雷にぃは吐きそうな顔で校舎の方に逃げて行った。

ガサ藪から出てきた人達もダッシュで追いかけて行った。

目が……目が…………人を狩る目をしていた……

状況がイマイチ分からずボーっとしていると薙ちゃんのため息で一気に頭が冴えた。



「葛城先輩ありがとうございます!」

「いや、礼を言うべきなのは小日向と鍵塚だろう。ガサ藪から出てきたあの二人は零先輩と雷先輩の追っかけだった」

「え?おっかけ?」

「親衛隊みたいなものだ。親衛隊もすでにあったが、あの二人だけは親衛隊という枠に入りきらなかった。今も思い出すだけで頭が痛い…」

「ま、言うなれば愛が溢れた結果みたいな感じかな。それ以来二人から先輩たちは逃げてるって事。詳しいことは知らなくていいと思うよ!」



あ、愛が溢れて何をしたんだ…………



「そういえばなんでこの人達が零さん達と一緒にいたの?」

「あ、薙ちゃんには言ってなかったけ?零ねぇが風紀委員会と成敗委員会の委員長で雷にぃが絶対?っていう委員会の委員長やってたんだって」

「何それ初耳」

「うん、だって私も一昨日初めて知ったもん」

「俺あの二人が元王子だった事しか知らなかった」

「何それ初耳!」



逆に二人が王子だったなんて今初めて聞きました。

どういう事だか詳しく聞こうと思ったけど汗だくの雷にぃと零ねぇが帰ってきたので後で聞こう。



「ほんっと……………」

「余計な奴を呼びつけて……………」

「おかげさまで校舎を走り回った………………」

「マジで疲れた……………」

「「お疲れ様です」」

「もとはと言えば……………」

「お前達が呼びつけたんだろ……………」

「いえ?あ奴らが勝手に来ただけです」

「「お前ら………!」」

「えぇ!?ちょっと待ってください!俺も含めないで下さい!」

「私に小声で呼べと言ったのはコイツです」

「え!?ち、違いますってば!そんな殺気立たないでください!ほら!妹さんも見てますから!」



おのれ、私の事を利用して逃げようとしているな。

まぁ確かに兄達が殺気立っているところなんて見たくもないし仕方なく二人の元へ向かう。



「零ねぇ、雷にぃ………後輩である葛城先輩達を困らせちゃダメだよ」

「的は薙坊と一緒に先に車乗ってて?」

「そうそう、俺達はこいつらとお話があるから」



ダメだこいつら何とかしないと。



「お兄ちゃん達のバカ」

「「!!!!」」

「悪いことしようとするお兄ちゃん達なんて大嫌い」



大嫌いと言ってみると二人が纏っていた殺気は消え失せて、涙目になってひたすら私に謝る兄達。

傍から見ればだいぶ異常でしょう。

いや、こうでもしないと暴走列車って止まらないんです。



「ごめんねぇぇぇぇお願いだからお兄ちゃん達を嫌わないでぇぇぇぇ」

「お兄ちゃん達もうこんな事しないからぁ…………」

「ほんとに?」

「「うん…」」

「…………大好きだよお兄ちゃん」

「俺も大好き愛してるよぉぉぉおおおお」

「俺も大好きだから安心して的……零、口調戻ってる」



もうこの歳になると兄達の扱いがよくわかってきた。

お願いなんでそんな気持ち悪いもの見るような目で見ないでください薙ちゃん。

薙ちゃんは昔から見てきてるでしょ。



「毛利ちゃんが先輩達を従えてる………」

「将来は大物になりそうだな」

「そんな事言わないでください。正直に言うと平和に生きていきたい」

え?三か月ぶり?まじで?ほんと?あらーごめんなさいねぇうふふ

なんて言ってられんわまじかよ自分どれだけ進めてなかったのごめんなさいまじでごめんなさい…………次は4月上旬で別作品と同時投稿します。

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