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神樹の魔地が主  作者: 冬森レイ
霊樹の森の支配者
19/25

日常(2)


  リアスさんに、他のエルフの族長達と会える場を用意してもらうことになって

 3日が経過した。


  リアスさんは、昨日の夜に訪ねて来て準備が出来たので今日のお昼頃に

 水のエルフの里に来て欲しいと言われたので承諾した。


  今日会うのは、風のエルフの里と土のエルフの里の族長二人だ。

 リアスさんに聞くと、不可侵条約を申し込んだ時にも居たと言われた

 ので外見は分かる。


  エルラさんから二人の名前など簡単な説明をされた。


  風のエルフ族族長 ウルド・ウィンゴート


  エルフの族長の中で2番目に高齢なエルフ。


  若い時は、ハレイドと共に外の世界を旅して回った経歴を持つ。

 その時に見た『刀』に魅了され、自身も刀を主武器として使うよう

 になった。


  ちなみに、語尾の「ゴザル」もこの時から使い始めた。


  そして、刀鍛冶を風のエルフの里に普及させた。


  色んな意味で、スピード重視な種族なので刀はすぐ文化として

 風エルフ達に受け入れられた。


  この功績がきっかけで、彼は族長になったとも言われている。



  土のエルフ族族長 チャルミル・アースモンド


  族長の中で一番若いエルフ。


  怠いことや面倒な事が、大嫌いなエルフ。


  エルフ族の中で、土のエルフ族だけはドワーフと交流がある。


  だからか、土のエルフ族は『エルフの鍛冶屋』と呼ばれるほど

 一族内に武器や防具を作れる鍛冶師が大勢いる。


  また、土のエルフエルフ族は大の酒好きでもある。


  ドワーフが飲む強い酒を、普通にドワーフと飲めるから友好的

 な交流が出来ているのかもしれない。


  チャルミルも実は、凄く優秀な防具職人である。


  土のエルフ族で最も優秀な鍛冶師。それが彼女だ。


 

  以上がエルラさんから聞いた説明だ。


(族長ってキャラ濃い人が多いな・・)


  そして、水のエルフの里に着き前と同じで族長宅に行くとそこには


  ドヤ顔で座って待っていたリアスさん


(その、やってやったぞって顔をやめてください)


「私は族長・・そう族長」


(まだ、引きずってたんだリアスさん・・なんかゴメン)


  そして、リアスさんの右隣に座っているのは


  侍風の服装をした緑髪のエルフが、目を瞑り黙ってお茶を飲んでいる。


(この少し渋いイケメンがウルドさんか・・)


  最後に、リアスさんの左隣に座っているのは


  全身鎧を着てガクブルしている性別不明のエルフ?


(・・このエルフ?がチャルミルさん?兜で顔が判らないが多分そうだろう)


  チャルミルと思わしき人物は、兜の口の部分だけ開けてお茶を飲む。


(兜・・脱がないの?)


  僕は、チャルミルさんと思わしき人物をジッと見つめる。


  横に座っているリアスさんが、それに気付き兜を脱がそうとする。


  チャルミルさんは抵抗するが、結局兜はリアスさんに取り上げられた。


  そこから出て来た顔は・・


「え~と・・妹の替わりに来ました・・」


  チャルミルさんのお姉さんだった。


(え・・チャルミルさんよりも美人なんだけどお姉さん)


  前に見たチャルミルさんより美人なお姉さんの方を見れたから

 僕的には満足なんだけど・・やっぱダメだよねソレは


  リアスさんとウルドさんは、額に青筋を浮かべている。

 相当怒っているなあの顔は


「逃げましたねチャルミル・・後でお仕置きです!」


  リアスさんは、チャルミルさんへのお仕置きを決行する宣言を

 チャルミルの代役である姉を凝視しながらする。


「まぁ・・チャルミル殿なら、やりかねないとは思ったでゴザルよ

 後で覚悟しろでゴザルよチャルミル殿」


  ウルドさんも刀を軽く抜きながらチャルミルへの苛立ちをチャル

 ミルの代役である姉を威嚇しながら語る。


(そろそろやめてあげないとその人気絶しますよ)


  チャルミルさんの姉(物凄い美人)は今にも泣きそうだ。


  なんか分からんが、このキレているエルフ二人をまず鎮静させよう


  そういう訳で、二人の頭上に魔法で水を発生させる。


  そして、投下する。


「「・・・」」


  二人は無事鎮静したが、僕をジト目で見て来るので


  バンッ


  と壁をワンパンで破壊して黙らせた。


「ちょっと・・大人気なかったでゴザル。怒らないで欲しいでゴザル」


  ウルドさんが最初に反省を口にする。


「でも・・私の家の壁が・・シクシク」


  リアスさんがウソ泣きをしだしたので、僕は壁を造形魔法で修復する。


「壊すのも治すのも一瞬ですね」


  リアスさんは少し呆れぎみに言った。


「あの・・その・・有難うございました。私、チャルミ―ナって言います」


  そう言いながら、チャルミ―ナさんは頭を下げてくる。


「いえ・・それで、妹さんは?」


  いちよう確認はしておこう。


「妹は・・チャルミルは・・行きたくないと逃げました」


  諦めたような疲れたような表情でチャルミ―ナさんは答えてくれた。


「そうですか・・じゃあ、今日の話合いの事は後でチャルミルさんに

 お伝えください」


  結果だけでも伝われば良いだろう。あの人も一様族長だしな。


「わかりました。必ず伝えます」


  僕とチャルミ―ナさんが会話していると、リアスさんとエルラさんが

 僕の前立つ。


「なんか・・変に優しくないですか?もしかしてチャルミーナが気に入った

 とかですか・・またチャルミーナに負けた。いつもこの娘が居ると私が負

 ける・・何故なの。理不尽だわ」


  リアスさんも美人なんだけどね。あの性格が無ければもっとモテると

 思うよ・・それと勝負する相手が違うしね多分。


  エルラさんは僕を黙って見つめているだけで、喋ろうとはしない。


  なんだろ・・エルラさんも美人だからそんなにマジマジと見られてると

 話が出来ないのだけれど。


「・・そろそろ良いでゴザルか?話合いをしたいのでゴザルが」


  中々に話合いに移行しないので、ウルドさんが話を振って来た。


  良かった。エルラさんの視線が僕から外れた。


  僕とエルラさんを入れた5人で、話し合いを開始する。


  最初からいた三人は、元の位置に座り直し僕とエルラさんが

 隣合う形で座る。


  というかエルラさん・・近いです。隣にベッタリとくっ付いて座る

 エルラさんに少し僕は緊張する。


  リアスさんとウルドさんは今にも笑い出しそうだったが、僕が睨むと

 真面目な顔になる。


「それで、なんの話合いをするのです?」


  とりあえず話を進めよう。


「話合いというか・・お主殿を我等が里に招ける人物か確かめるための場を

 設けたかっただけでな。エルラ殿やリアス殿とそんなに仲が良いなら拙者

 は特に言うことは無いでゴザル」


  ウルドさんからの許可を話の流れで得られました。


「私も別に言うことは無いので許可させて頂きます。多分姉も何も言わない

 でしょうし・・今度私達姉妹の工房にも遊びに来てください。姉は歓迎し

 ないでしょうが、私は歓迎しますので」


  チャルミーナさんからも許可をゲットした。


(話合い・・殆ど意味無いな)


  こうして、風と土のエルフの里にも出入りが出来るようになった。


 続く

 


  

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