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異世界転生しすぎた件

 表現に一部、偏重や過激な部分がありますが、私なりの見解です。

他意は一切ございませんので、あしからずご了承ください。

 3日投稿を続けて投稿して、一旦終了にするとまるで3日坊主みたいで気分的に嫌なので、本日分は私の作品投稿の方針などを書き残しておこうと考えた。

これで3日坊主を回避するという卑しい作戦である。

今回は先日、KADO〇AWAに関して、面白い報道があったので、そちらを交えながら書いていこうと思う。


 いつも通りパソコンを立ち上げてXを確認しようとしたとき、数々のポストの中にその記事を見つけた。

『異世界転生しすぎて、赤字を出した』と、記事には書いてあった。

そのタイトルを見て、私は不謹慎と思いながらも失笑してしまった。

と、同時にそうだろうな、とも思った。

 昨今、本屋のラノベコーナーは異世界物が大半を占めている。

新刊コーナーも『異世界に行った』だの、『異世界でスローライフ始めた』だのといった作品ばかりが目に付く。(もちろん、学園ものやSF作品なども見かけるが)

それに呼応するように、Xやなろうの投稿掲示板には、『自分の作品はこう違う』『そもそも転生でなく転移だ』といった投稿を多く目にした。

私はそれらを流し読みしながら、いちクリエイターとしてあるまじき思いが浮かんだ。


 違うとは言っても大体同じだな、と。


 以前に一世を風靡して、ブームになったスポーツ漫画で考えてみたい。

スポーツ強豪校で期待の星で、レギュラーとして活躍して悩みもなく、学業も含めて文武両道で相思相愛の恋人もいて、順風満帆に全国大会に勝ち進んで優勝する。

…そんな作品、誰が読みたがるだろうか?

そんな作品も中にはあるのだろうが、作品作りに重要な『起・承・転・結』と同じように、私は作品ジャンルごとにもテンプレートがあると確信している。

先述したスポーツ漫画なら、なかずとばずの学校に、(ウマ下手はさておき)そのスポーツに情熱を燃やす主人公が現れて、最初はなかなかうまくいかず、それでも着実に仲間を増やしていくが、地区大会などで競合相手に惨敗。 その悔しさをばねに一念発起し、その強豪を作品の中盤あたりで撃破し、そのあとに全国へも勝ち進み―

 1分くらいの即興で考えたストーリーだが、なんだかどっかで聞き覚えがあるような内容には仕上がったと思う。

むろん作品作りはそんな単純なものではなく、そこにライバルや邪魔者、恋愛や思わぬ落とし穴などが複雑に絡んでストーリーを構成していく。

ここら辺に、クリエイターのセンスと技量による『違い』が生まれてくるのだと思う。

そんなスポーツ漫画も、『巨〇の星』で始まり『〇ッチ』でピークを迎えた後は、だんだんと先細って言ったと傍目では感じていた。

『異世界転生しすぎた』は、まさにこれとまったく同じ現象なのではないか。


 正直、異世界転生モノは理解されやすく、読者も親しみやすい。

当然だ。

異世界ともなれば、環境も違えば法律や倫理観も違う、常識が違えば考え方も当然違う。

そこに住む住人を主人公にした作品を書き始めても、常識や知識がまるで違うのだから、読者にとっては読みにくい作品になるか、説明文ばかりの百科事典みたいな作品が仕上がるだけだ。

(そういう作品をけなしているのではなく、事実としてそれでも優れた作品も多くある)

異世界転生(転移も含む)は、地球―とりわけ日本の―常識や知識を持った主人公が、そのフィルターと通していかに異世界が、異世界なのかを驚きや戸惑いを交えつつ、読者とともに異世界を歩んでいく。

 そう、読者自身が、まるで自分も体験しているかのような。

そういう実感を、異世界転生(転移)ものは、容易に読む者に届けた。

これなら説明文はいらない、勝手に主人公が驚きを交えつつ、そこの住人に聞いたり、自分なりに解釈や落としどころを見つけて、物語を先へ進めるのだ。

この容易さが、『なろう系』という言葉を作り出し、世に浸透させた大きな要因だと私は思う。

そこに、ごく一般的な過労死するまで働いたり、根暗陰キャのオタク(ラノベを好むターゲット層)が異世界でチート無双してスカッとする。

有り体に言えば、そんな流れができていた。


 先のスポーツ漫画風に言えば、日本の日常に何らかの不満を抱き、死亡や巻き込まれ召還などで異世界に転移した主人公だったが、大した能力がなく冷遇され、しかしその能力には大器晩成的な何かしらがあるなどして、主人公もびっくりの成長を遂げ、同じく冷遇されてきたものを仲間にして周りを見返し、最後にはその作品最大の敵とかが現れて、それを主人公たちなりの手段で攻略し物語に幕を下ろす。

 2分で書き上げたが、細かな違いはあるにしても、大きな流れとしては最近の作品傾向にそう大きく逸脱してはいないように思う。

あるいは現代社会の競争やギスギスした人間関係から逃げるように異世界に来た神様から能力をもらった主人公が能力をひた隠し、ここでは人のいい人たちの触れ合い、のんびり牧歌的に生きていこうとする物語。

逆に異世界から帰ってきた強力になった主人公が、その力を現代社会でひた隠しながら生きていこうとする物語、等々…

 ここまでの全文にささげた執筆時間はわずか15分。

自分で書いていて、大好きだったあの作品や今見ている作品。

あるいは自分が今までに書いた作品さえ。

細かなニュアンスの違いや表現の差異はあれど、このテンプレートに乗っかっている作品のなんと多いことかと辟易してしまった。

 オタクはまだしも、世の大多数は一般人。

テンプレートは飽きられる。

勇者が魔王を倒すだけの作品が流行らないように、一般の人たちに『異世界転生(転移)モノ』というある種のテンプレートが、このような形で形成されてしまったのだろうと思った。

それは、それだけこのジャンルの作品が世に浸透し、それだけの作品が世に出たのだという喜びと同時に、ひとつの時代の幕が下りるのだという実感を私は与えられたような気がした。


 私が3年前に完結させた…いや、どちらかというと()()()()()()()『オタクはチートを望まない』『魔王様は出稼ぎに行っておられます』も、外の評価より自分自身の、『これまでの他作品と何が決定的に違って、どう差別化しているのか』が本屋に行く度に分からなくなり、筆を置いた経緯がある。(他の要因も多々あるが)


 話が思いがけず長くなってしまった。

結局私が言いたいのは、『異世界転生(転移)モノ』にも、ひとつの時代の分岐点が訪れようとしているのだという事だ。

それは新しい表現が生まれる前兆かもしれないし、まったく別のブームの到来が待っているのかもしれない。

作品登録ユーザ数が290万を超える『なろう』に投稿するクリエイターたちには、各々に信念があり、その人なりの表現があると思う。

出来ればそのクリエイターたちには、時代や流行に流されず、他人の評価にも吞まれない(評価や批評を気にしないという話ではない)作品作りを是非、していただきたいと思った次第だ。


 私も自分なりにある種の表現の仕方や、作品の在り方に折り合いを付け、その先駆けとしてこの備忘録を書き始めた。

これまで10年の間に原稿用紙2000枚分に書き綴ったプロットや資料もいずれ作品として仕上げ、再び『なろう』への投稿を再開したいと考えている。

それは数日中かもしれないし、数年後かもしれない。


私の信念は、『自分の書きたいと思った作品を、自分が純粋に楽しめる作品に仕上がっていること』だ。


 まだ、その水準に達するには、足りないものがある。


 しかし私はもう、道を見失わない。

 もう物語の洪水に呑まれ、筆を置いたりしない。

 必ず他のクリエイターたちと肩を並べ、数々の作品の一角に私の作品を並べる日が来ると確信している。

なろう系のクリエイターたちも、そうでないクリエイターも。

自分なりの信念をもって、作品作りを今後もしていただくことを願って、末筆とさせていただく。

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