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シーフな魔術師  作者: 極楽とんぼ
卒業後8年目

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1368 星暦559年 藤の月 15日 調査協力(21)

 昨日1日で俺が関与する分のダルベール伯爵別邸の家探しをちゃちゃっと終わらせ、今日はあの軟禁(幽閉?)されていた研究者(ギリアスだったっけ?)の同僚や上司の家を調べることになった。


 ダルベール伯爵別邸ではあの地下にある隠し部屋とそこへの入り口を見つけた他は、よくあるような隠し金庫やちょっとした隠し場所を見つけた程度で、まあ時間を掛ければ普通の捜査員でも見つけられた程度だった。

 どうやら隠し金庫などで見つかった書類の中にも残念ながら怪しげな工房や隠し家の場所を示すような記載はなかったらしく、もうこれで終わりかな~と俺は期待していたのだが。

 最後のあがきとして、ギリアスの研究の情報を流した人間を捕まえようと頑張ることにしたらしい。


 研究者なんて平民か、せいぜい貴族でも跡取りではないどうでもいいに近い(親が死んだら平民落ち予定な)次男三男とかが多いだろうから、自白剤なり魔術師による記憶の確認をすればいいのにと思ったのだが、上司は貴族(子爵だったとのこと)な上に同僚は平民とは言え数が多すぎるせいで、手当たり次第に記憶を読むのは難しいらい。なので物理的な国税局の捜査という流れでごり押しすることにしたそうだ。


 国税局って、実はたいした理由(証拠)が無くても誰の家屋でも捜査出来るという事を、今回初めて知った。

 まあ、捜査した情報を税金の徴収以外に公開してはいけないし、脱税以外だったら法に定められたごく限られた範囲の違法行為以外の証拠が見つかっても使えないらしいが。


 何ともびっくりなことに、誰かを誘拐して監禁していると思われる光景を見ても、脱税に関係していない場合は口出しをしてはいけないらしい。

 昔、誘拐とか親族の軟禁や虐待が疑われた時に、取り敢えず『国税局の調査だ!』という名目で疑わしいかも知れない相手の家に手当たり次第に押し入っていたら、流石にやり過ぎだという事でこんな滅茶苦茶厳しい法律が定められたそうだ。


 監禁や誘拐らしき光景を見ても何も言えないってなんだかな~って感じだよな。

 まあ、確かに国税局の名前を使えば貴族の家にいつでも立ち入れるとなったら貴族たちがそのうち抵抗するための法律を作る様に国王に申し立てるのは、想像できることだが。


 ちなみに今回のギリアスの軟禁に関しては、国税局だけでなく軍部の麻薬取締班も参加していたので、彼の研究内容を使って新しい麻薬を作ろうとしていたことに関する被害者という事で彼は解放されたそうだ。

 あのアホな甥にギリアスとウォレン爺は感謝しなきゃだな。

 と言うか、あの甥が居なければ国税局だってダルベール伯爵が関与しているという確信が持てなくて押し入らなかっただろうし。


 どこでも調査できるとは言っても、それなりに理由がない家にまで押し入って捜査していたら更に国税局の権限を縮小されるかもと警戒して、最近は国税局の捜査もかなり用心深いらしい。


 それでもギリアスの同僚と上司を調べると言うのは、それだけこの案件を重視しているのか、それとも同僚たちは平民で少しぐらい嫌な思いをさせても大丈夫だと思われているのか。


◆◆◆◆


 同僚とやらの部屋は5件ほど午前中に押し入ったが、結局ちょっと恥ずかしいポエムとか、愛人との手紙のやり取りが出て来た程度だった。

 ポエムが見つかった家は一人暮らしで、捜査官が鍵を開錠して後に俺が入って調べて、そのまま元に戻して出て来ただけなので問題はなかったが、残念ながら愛人との手紙が出て来た同僚は妻が在宅で玄関を開け、俺らが探しているのを見張っていたので……愛人との手紙も、隠し場所へ戻せる前に奪い取られてしまった。

 あの同僚は今晩帰ったら大変な目に遭いそうだ。


 そんな事を考えている間に、今度はちょっと金持ちそうな家に連れてこられた。

 貴族街のハズレだから、これが上司の家かな?

「国税局調査です!」

 補佐官ではなく、オマケの一人がドアをノックし、玄関を開けた使用人らしき男に何やら身分証明書を見せてズイズイと玄関の中に入っていった。


「ざっと隠し場所だけ探して欲しい。

 こちらはさっと書斎の書類を調べる」

 補佐官が俺に毎度お馴染みなセリフを言った。

 確かに、疑われないと思っている小物だったら普通にしれっとちょっと情報を売って得たお金の書類を他の書類と一緒にしている可能性もあるかもだな。

 他の同僚たちは書斎なんて無かったんだが、ここは流石貴族なだけあって、書斎が奥の方にある。


 取り敢えず、玄関を入って直ぐの左の部屋に首を突っ込み、隠し場所が無いか心眼サイトで調べる。

 特になし。

 まあ、応接間だしな。

 その隣のダイニングルームも覗き込むが特に隠し場所はなし。

 が。

 書斎に……何故か地下へ降りる階段があった。

 一応絨毯で隠されているが、捲ったら跳ね上げ扉があったから、それほど本気で隠している部屋では無いみたいだな。


 でも、明らかに普通のワインセラーへの入り口では無いよな?

 玄関を開けた使用人の表情は全然動いていない。

 知らなかった、自分は関係はないと主張するつもりなら、こう言う時は驚いて見せなきゃダメなんだぜ?


 さて。

 何が出てくるかな?

下手なポエムはファンタジーない世界でも書く人がいるんですね〜

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― 新着の感想 ―
たまに漫画家さんや作家さんが脱税で摘発されてますけど 多分あれって忙しさにかまけての事なんでしょうね 私も摘発されるくらい儲けてみたいものです
碌でもない情報が大量に。 後、自業自得とはいえ良くて紅葉まみれ、悪けりゃ男の象徴蹴られて三行半が一名か。 ポエムともども見逃したいけど、置いとくほうが悪いからなぁ。 後、家令があくまでも驚かない展開で…
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