愛を語ろう
本日2つめ
いつも以上に会話がメインです。
心臓の音がやたらと大きく聞こえるような気がする。
バクバクです。ドキドキです。
何故って?そりゃあフェアーさんが横で寝てるからですよ!
何がどうしてこうなった・・・ってよ~く思い出してみた。
いつものようにフェアーさんの屋敷で晩御飯を食べ、片付けを終えた。
そろそろ帰ろうかと思ったら立ちくらみ。
いや、体調は悪くなかったんだよ?この前の検査の影響ももうないだろうし。
検査後、初出勤ならまだ分かる。でももう何日か働いてるんだ。
だから検査の影響ではないと思う。たまたま立ちくらみしただけ。
ただフェアーさんはそう思わなかったみたいで、客室に連れていかれた。
で、テキパキと布団敷いて強制的に寝かされたワケ。
まぁここまでならまだ分かる。まだ理解出来る。
でも何でフェアーさんまで一緒に寝てるんだろう・・・。
俺が眠りについた時、フェアーさんは隣にいなかったんだよ。
でも、ほら。真横で寝てるの!!いい匂いなの!!もうドッキドキなのよ!!
手を伸ばせば・・・というより、手を少し動かせばフェアーさんに触れられる。
そんな至近距離で無防備に寝るなんてどんだけ信用されてんだろ俺。
駄目だよ俺も男だよ?狼に変身するかもよ?
フェアーさん起きてたら思考読まれてドン引きされるくらい妄想しちゃってるよ。
だって男の子だもん!仕方ないでしょ!
もう寝れないよ・・・限界来る前にそっと帰ったほうがいいのかな。
うん、そうしよう。これ以上は無理だ。
「・・・こんな夜中に帰るのはダメです」
「うぇ!? ごめん、起こしちゃった?」
「ウトウトしてたらワタルさんの思考がいっぱい流れてきました」
「・・・・ホントごめん。色々ごめん」
はい、アウトー。あんな事やこんな事を考えてたのがバレました~。
男の妄想120%を聞かれちゃいました~。
・・・・もうお嫁にいけない。
「ふふふ。ワタルさんは私なんかにドキドキしてくれるんですね。私は長い間ずっと、怖がられたり畏れられたり気味悪がられたりしてきました。最初は好意的でもみんな段々と距離を取っていくんです。でもそれは仕方のない事。そう思っていましたし、今もそう思っています。でもワタルさんはそうならなかった。最初の頃はよく動揺してましたけど、だからといって距離を取ることはありませんでした」
「・・・フェアーさん」
「私、とっても嬉しかったんですよ?ワタルさんは距離を取るどころか、どんどん縮めてこようとしてくれました。私、とっても戸惑ったんですよ?独りでいることが普通になっていたのに、貴方はどんどん私に関わろうとしてくれました。私の中で貴方の存在がどんどん大きくなって、貴方が消えてしまうと思ったら信じられないくらい悲しくなって・・・」
すぐ横にいるフェアーさんは真剣な目をこちらに向けていた。
そして真剣に自分の心の内を話してくれている。
だから俺も真剣に聞いたよ。おちゃらけたりせず、真面目に聞いた。
「私はどうしちゃったのでしょうか。神として長い長い年月を生きてきて、こんな事は初めてなのです。こんなに自分の感情が揺さぶられる事は今までありませんでした。 ワタルさんはどうして私に優しくしてくれるのですか?どうして近くにきてくれるのですか?どうして畏れたり気味悪がったりしないのですか?どうして・・・」
「それは簡単な事だよフェアーさん。俺はフェアーさんの事が大好きなんだ。何処が?全てが。その完璧なまでの容姿はもちろん、ちょっと天然なところも寂しがり屋なところも全てが好きなんだ。意外と臆病なところもあって、それもまた魅力なんだ。一見、完璧そうなのに実はそうじゃない。そりゃ最初は心を読まれるのに戸惑いもしたさ。でももう結構慣れた。あ、恥ずかしい事考えてる時はダメ!それは慣れないわ!無理無理」
「ふふふ。ワタルさん色々考えてましたもんね」
「う・・・。ま、まぁそれは別として・・・俺がフェアーさんから離れないのはただ単純にフェアーさんの事が大好きだからだよ」
「大好きだから・・・ですか。私は、私はどうなんでしょうか?こんなに感情が揺さぶられるのはワタルさんの事が大好きだからなんでしょうか?正直、そういった感情は今まで持ったことがないので分からないのです。私はどうしたらいいのでしょうか・・・」
天界で生活してて人間と少し違うと感じたことがある。
それは「愛」について。
神様だって「愛」はある。ただ、それが人間が持つ恋愛感情とは違う。
上手く言えないのがもどかしいけど・・・そうだなぁ・・・。
例えるとしたら母親が子供に対して持つ「愛情」の形に似ているのかもしれない。
神様は人間に対して我が子を思うかのような「愛」を持っていると思う。
だからもし、今フェアーさんが感じているモノが「恋愛感情」なのだとしたら、その感情を知らないのだから戸惑うだろう。
まぁこれは俺の勝手な推測に過ぎないんだけどね。
でもこの推測は間違ってないと思う。それはさっきフェアーさんが俺に対して真剣に語ってくれた内容を考えれば・・・ね。
「フェアーさん少しシンプルに考えてみようか」
「シンプルに?」
「うん。今日フェアーさんはどうして俺の横にいたの?」
「それは・・・検査の事もありましたし、ワタルさんが心配だったので」
「それだけ?それだけでわざわざ横に寝てたの?」
「はい。あ、いいえ。違います。この前、ワタルさんが消えてしまうと思った時の事を思い出しました。そしてとても怖くなりました。もっと傍にいたいと思いました」
「うん、それ。それは人間でいうところの恋愛感情に近いんじゃないかな。あ、恋愛感情というより・・・個人に対しての愛情ってヤツかな」
「個人に対しての愛情・・・これがそうなんでしょうか」
「今はまだハッキリと分からなくてもいいよ。その感情と少しずつ向き合ってみて」
無理して今すぐ分かろうとしなくていいと思う。
新しい感情、よく分からない感情に気付いただけでも俺にとってはプラスだ。
後は焦らずいけばいい。
んん?・・・いや、ちょっと待てよ?
「ねぇフェアーさん、この前の検査が終わった時のこと覚えてる?」
「え?ワタルさんの意識が戻った時ですか?」
「そうそう。あの時さ、俺が思わず大好きって言っちゃったんだけど・・・フェアーさんも大好きって応えてくれたんだよね。あれ?色々悩んでたけど、俺達って・・・両想いなんじゃない?」
「えっ? ・・・あ」
「その場の勢いってのもあっただろうけどさ、元々そう思ってなければ『大好き』とは返さないんじゃないかな?適当に返事してたのなら別だけど」
「いえ、適当に返事する場面じゃありませんでしたよ」
「だとしたら?」
「・・・そう、ですよね あっ 」
色々たまらなくなりました。なので思い切って行動してみました。
フェアーさんの顔は現在真っ赤です。
口から砂糖が出るくらい甘い話を書ける人を尊敬します。
いや、ホントに・・・(・x・)




