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変わらぬ日常って素晴らしい

天地渡です。

今日は同調検査に来ています。

ただの人間が天界で暮らすのは色々と面倒なようで、検査の名の元に魂と肉体の同調を調整してもらうのです。


そしてここは天国でした。

ナースさん的な人も医者的な人もみんな女神様なのです。

男の神?そんなもん見たら目が潰れるわ!ここには女神しかいない。きっとそうだ。

女神クオリティのナースとか反則だと思うよ。

そういう意味での天国なのです。


「は~い天地さん、そこで裸になって横になってくださいね~」

「は、はい!」

「ぱぱぱ、パンツは脱がなくていいです!!」

「・・あっはい」


危うく天地さんちの渡君をお披露目してしまうところだった。

慌てたナースさんマジ天使。いや女神か。


体にコードのようなものを取り付け、機器の画像を見てる人もいれば、

俺の体に直接手をかざして、呪文?のようなものを唱えてる人もいる。

あれだ、化学と魔法が両立してる感じだ。


ポワ~と体が熱くなってきたと思ったら逆に冷たくなったりする。

大丈夫かね俺の体。仮面ラ〇ダーみたいに改造されたりしないよね?

あ、改造人間とか最近のシリーズには無い設定かな?みんな知らないか・・。


「では天地さん、これから最終調整に入ります。恐らく意識がなくなると思います。あ、痛みとかはありませんので安心してください」

「はあ・・・大丈夫なんですよね?」

「はい。問題ありません」


意識飛ぶって何さ!って突っ込みたかったけど我慢した。

さっさと検査終わらせて可愛い子猫ちゃん達に会いに行こうっと。







ーーー





「なぁ天地、お前大学時代からの彼女と別れたってマジ?」

「ん?ああ、色々あって別れたわ」

「てっきり結婚するのかと思ってたからビックリだわ」

「俺もだよ」



ーーー




「渡は将来とかどう考えてるの?」

「将来?ん~・・・どう考えてるって言われてもなぁ・・・」

「私はね、渡とずっと一緒にやっていけるのか不安なの。アナタはそのうちふらっと消えちゃいそうなんだもん」

「ははは。消えるって何だよ」



ーーー




あれ、これまた懐かしい夢見てるなぁ・・・。

そういやホントに消えちゃったよな俺って。アイツの予想当たってやがる。

元気でやってるかな。もしかしたらもう結婚してたりしてな。


すっかり忘れてたけど、荒木と久しぶりに飲みに行く約束してたっけ。

あぁ、哲也達と遊びに行く約束もしてたな。

何だかみんなが懐かしい。まだそんなに経ってないはずなのに。


------さん


このまま何事もなかったかのように戻れるとしたら俺は戻るのかな・・・。

戻りたい?戻りたくない?どっちなんだろう。

何だかどっちでもいいような気がするなぁ・・・。


----ルさん


ん?誰か呼んだか?

まぁいいか。あれ、俺って今何を考えてたんだっけ?

・・・どうでもいいか。それよりここどこだ?何してたっけ・・・。


--タルさん


ん、あぁフェアーさんの声かこれ。相変わらず声も綺麗だなぁ・・・。

あ、ご飯作りに行ってないけどちゃんと食べたかな?

最近やっと食べることに興味を持ってくれたからね。嬉しいもんだ。


俺が会ってきた神様の中でも何処か掴みどころがなくて、でも圧倒的に綺麗で・・・。

みんなからちょっと恐れられてるけど本当は寂しがり屋で。

最近やっと本当の笑顔を見せてくれるようになって。

あぁ・・・何だか無性に会いたくなってきたな。



「ワタルさん!」

「・・・フェアーさん、大好きだよ」

「!? ふふふ。私もワタルさんが大好きですよ」

「そりゃ嬉しいなぁ。本当に」


目を覚ましたらフェアーさんが横にいて俺の手を握ってた。

そういや意識がなくなるとか言ってたっけ。

フェアーさんの目から涙が溢れてる。もしかして同調が上手くいってなかったとか?

実は消滅しそうだったとかだったら怖いな。


「女神様を泣かせるとか大したもんだね俺も」

「本当ですよ。罰としてまたデートしてもらいますからね」

「そんな嬉しい罰なら喜んで」




後で聞いてみたら本当に消滅しそうだった。

最終調整に入り俺の意識がなくなってしばらくすると、突然体と魂の剥離が始まったようで大騒ぎになったみたい。

剥離が止まらなくなり、恐らくもう駄目だろうと判断。

検査の経過を観察していたティニーさんからの連絡でフェアーさんが来た。

俺が昔の夢を見てる時に聞こえてきた声は、フェアーさんが必死に呼びかけてくれてたのが聞こえてきたみたい。


様子を見るためにそのまま一日だけ入院。フェアーさんはずっと寄り添ってくれていた。

次の日には元気に帰宅。狭い我が家に戻ってきたぜ!

やっぱり家の前にはペコがちょこんと座っていた。何だか笑えた。



いつもの日常に戻ってきた。

ペコは相変わらずご飯を食べに来るし、アイビー&ソラールも顔を出す。

ティニーさんも忙しいだろうに来てくれたのでデートを迫ってみた。

苦笑されながらも「そのうちに」って言ってくれたのでよしとしよう。


フェアーさんは・・・あれからまた少し変わったような気がする。

しょっちゅう体調を心配するので「母親か!」って突っ込んでおいた。

前より表情も豊かになったので笑顔が眩しくて仕方ないぜ!


フェアーさんとの関係が進展したかって?

もちろん!って言いたいが特に進展はしていない。悲しい。

何ていうか・・・あの時はテンションが振り切れていたというか・・・。

まぁあれだ。お互い恥ずかしくてその事には触れていないのだ。



ちなみに、女神を泣かせた男としてある場所では有名になっているらしい。


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