↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/55

癒しと共にチャンス到来!

「・・・おはよう、ペコ」

「ペコは拒否。アル。ルリ。リーナ。ネコリーナどれでも。おはよ」

「ネコリーナはいいんだ」


昨日、家に戻ると懸念していたペコはいなかった。安心したよ。

すっかり油断した朝、ドアを開けると・・・いた。

ドアの横にちょこんと座って日向ぼっこをしていた。猫だね。


「・・・はぁ。材料買ってないからご飯作れないよ?」

「がーん。待ってたのに」

「うん、自分ちで食べようかご飯くらい。あ、買い出し手伝うなら途中で何かおごってやるよ?」

「ん。行く」


我が家には鍵がない。

だってここは天界だよ?泥棒なんて存在しないのさ。

なので内鍵があるだけ。

家でくつろいでいる時に勝手に入られるのはさすがに嫌だからね。


最近フェアーさんのところで食事を済ませてしまうから食材買ってなかった。

せっかくペコという荷物持ちがいるんだ使わない手はないよね。

俺は買い出ししたらそのまま仕事行くけど、ペコには荷物を運んでもらおうかな。


「俺は今日も仕事だからさ、買ったモノをウチに運んでくれないかな?」

「ん。ご飯くれるなら」

「オーケー、交渉成立だ。頼むね」


二人でのんびりと街へと向かう。

ペコは基本的に自分から話をしない。こっちが話しかけると答える感じ。

まぁ相変わらず言葉は少ないけど。


無理して会話をしなくてもいいのは楽だ。

ペコは機嫌が良さそうに鼻歌を歌いながら横に並んで歩いている。

・・・ペコ、残酷なようだけど君は多分音痴だ。


「今日もいい天気だなぁ・・・」

「ん。いい天気」

「・・・・」

「・・・ふ~んふん♪ん~♪」

「何の歌?」

「ん。適当」


うん、何ていうか・・・癒される。

お腹ペコペコで突然現れていつの間にか消える。言葉も独特だけど美少女、存在感があるようなないような・・・不思議な子だ。

周りの空気に溶け込んでいるような感じで邪魔しない。


多分、ウチみたいな狭い部屋に2人でいても苦しくならないと思う。

あれだ、同棲とか結婚とかしても気苦しくならない子だね。

ん?何で分かるかって?そりゃ・・・下界では色々あったしね。色々と。


「なぁ、ペコは何処に住んでるの?」

「ん。家」

「そりゃ家に住んでるだろうさ。場所を聞いてみたんだけどなぁ」

「ん。あっち。来る?」


あっちと指さした方向は街の外れのほうだった。

来る?と言われてちょっと行ってみたい気もしたけど、そんな時間はない。

フェアーさんの屋敷以外、女神の家なんて行ったことないから興味はあるね。


「今度時間があるときね」

「ん。了解」





街に着くと、すっかり顔馴染みになった店で店主と挨拶。

最初の頃は視線が冷たかったなぁ・・・。もちろん対応も。

少しずつ街にも馴染んできたのが実感出来て嬉しい。


「あら天地さんいらっしゃい。今日は珍しい人と一緒だね」

「どうも~。今日は荷物持ち同伴なので少し多めに買っていきますよ」

「女神様を荷物持ちとか・・・アンタ凄いね。アルリーナ様はそんな扱いでいいの?弱み握られてるとかじゃなくて?」

「ん。問題ない。好きだから」

「あらまぁ・・・アンタ、女神様に好かれたのかい」


凄いかどうかは別として・・・

弱みを握って荷物持ちをさせるとか、この人は俺を一体なんだと思ってるんだろう。

2時間くらい正座させてそこのところを聞いてみたいよ。


ちなみに、次の店でも同じような事を言われた。

俺は女神をコキ使う鬼畜のような男だと思われてるのかね。

いや、確かにコキ使ってはいるけど・・・ちゃんと見返りあるよ?




「お、串焼きの屋台なんてあったんだ。ペコあれ食べる?」

「ん。食べる。早く」

「そんなに慌てなくても屋台は逃げやしないって」


下界でいうところのバーベキューのようなものを焼いている店だ。

とりあえず1本ずつ買って食べたらこれが旨い!

追加で俺は1本、ペコは2本買って食べた。いい店を見つけたな。


「ほらペコ、フルーツジュース。もっと何か食べるかい?」

「ん。ありがと。もうちょっと食べたい」

「りょーかい。何を食べようか・・・お、あっちにも屋台あるね」

「ん。食べる」


別の屋台はバーガー屋さんだ。

俺は野菜をたっぷり挟んだバーガーを、ペコは鶏肉が挟んであるものを。

途中でお腹いっぱいになり、半分くらい残そうとしたらペコが食べてくれた。

小柄なのに結構食べるよね。いっぱい食べる君が好き♪ってか。


お腹も膨れたのでベンチでちょっと食休みを。

ペコも満足したようでニコニコしながらお腹をさすっている。

串焼き3本にバーガー1個半だ。そりゃ満足するよね。




ベンチでまったりとしていると、何だか眠たくなってくる。

このまま家に帰って寝たいなぁ・・・。

ふと、横に座っているペコを見ると、目をとろ~んとさせている。

うんうん、眠くなるよね。


「ペコ、俺はそろそろ行かないといけない時間なんだ。荷物は俺が持って帰るからペコはいいよ。買い物付き合ってくれてありがとね」

「・・・ん。大丈夫。荷物持つ」

「本当に大丈夫?無理しなくていいよ?」

「大丈夫。無理じゃない」


ぐ~っと背伸びしてから荷物を持つと、ペコはそのまま俺の家のほうに向かって歩いていってしまった。

ありがとうペコ。約束通り今度ご飯作るよ。


その後はフェアーさんの屋敷でちゃんと仕事をした。

今日もフェアーさんはニコニコしてたし、今日も変わらず綺麗だった。

ペコのことを話すとクスクスと笑いながら「買い物デートですね」と言った。


まぁ確かにそうとも言えるんだろうけど・・・デートって雰囲気じゃなかったよ。

それよりもフェアーさん、少しは嫉妬してほしいもんです。

「ズルい。今度は私も」くらい言ってよって嘆いたら、またクスクスと笑われた。






仕事の疲れと嫉妬すらしてもらえない悲しみと共に家に帰った。

家にはペコがベッドで寝ていた。寝顔が可愛いぞコンチキショー!

いやいやそうじゃない、そこじゃない。


昼間、確かに眠そうにしてた。

昼寝くらいしていくかもな・・・って思ってはいたさ。

でもずっと寝てるとは思わなかったよ!



「ペコさ~ん、起きて~。起きないとキスするぞ~。しちゃうぞ~ほれほれ」

「・・・・ん~。いいよ」

「!? いやいやいや、そこは拒否しなさいよ!」

「君。好き。だからいい」

「女神様とのキスのチャンス到来!!」




ん?キスしたかって?そりゃ内緒ですよ内緒。

小柄で可愛らしい女神様ですよ?しかもOKって言ってるんですよ?

そこは男を見せないとね!うん。









・・・チキンなのでそんな事出来ませんでした。はは・・・。

いざチャンス到来となっても何も出来ない

それがワタルという男(・x・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。