じゃあ、それは明日からするという事で一件落着にしよう前編
最終話です。
やまなし、おちなし、つづきなし。
過度な期待はしないで下さい(*´▽`*)
こんばんは、クロン三世です。
キリエさんと一緒に馬車に揺られながら、蜻蛉返りな気分で王都に戻って来たのですが…、なんだが全体的な雰囲気がトゲトゲしいというかギスギスしているような、観ているだけで胃薬のお世話になりたくなる、そんな感じです。
「あれー、どっかで道を間違えたかな?」
早速、曲がれ右して王都を後にしようとしたが、聖母さまの如き優しい微笑みを浮かべたキリエさんに、ガッシリ!と腕を掴まれていた。
「……陛下?」
……わ、分かってますよ、言い出しっぺですから行きますよ、行けばいいんでしょ?
ドナドナドーナドーナー…♪
正に頭の中でそんな歌が聞こえてきそうな面持ちで、オレは1人だけ馬車から降りて門衛に話し掛けた。
「あのぉ~、すいませ「何者だ、今は戒厳令下だぞ!」
厳つい顔をした門衛のおじさん達にいきなり怒鳴りつけられた。
ダメだ、取り付くしまがない。
「はぁ………陛下、お退き下さい」
溜め息を吐き出したキリエさんがオレの前に現れた。
キリエさんも何気にオレにキツく当たるよね。
そんな彼女に対して、門衛のおじさんが怪訝な顔を見せる。
「なんだ、お前は…?」
「お前こそ何様のつもりだ」
キリエさんの言葉に門衛のおじさんが目を丸くしてビックリする。
「貴様、いきな「今目の前に居られる方が誰か分からないお前などでは話にならん、ここの隊長を呼べ!」
「…な、な、貴様!何を言い出すかと思えば言うに事書いてなんと無礼な…!!!」
と憤慨しながらキリエさんに手に持った槍を構えようとしたが、それを彼女が遮る。
「愚か者!仕えるべき御方を心得ずに王都の門衛などと、恥知らずも甚だしいわ!」
「ちょっ、き、キリエさん?」
あまりに激昂して門衛のおじさんを叱りつけるキリエさんを、オレは静止させようとしたのだが、それを無視して彼女は言葉を続けた。
「此処に居られる御方こそ、我が国の国王であるクロン三世陛下であるぞ!!!」
まさかの水戸黄門役を異世界で、しかもイケメンになって出来るなんて…、なんて言うか転生バンザイ?
「貴様等、言うに事かいて「おい、ちょっとよく見ろ…隣の男の髪の色が黒だ!」
もう1人の門衛が出てきて、オレの髪の毛を見てキリエさんに叱りつけられていたおじさんの肩を掴んで制止した。
「そんな、バカな……、へへへ陛下は、王宮に、おおお居られるはずで___」
同僚の発言とオレの髪の毛を改めて注視したおじさんは、先程までの威厳などなく、怖じ気づき言葉を震わせて、顔を青ざめさせていた。
「やっと気付いたか!この木っ端役人共!サッサと責任者を呼んでこい!!!」
キリエさんの言葉に門衛のおじさんたちはおお露わで責任者を呼びに行った。
フン!と勝ち気な雰囲気で腕組みをするキリエさんに、オレは注意をした。
「余り、相手を威圧するのは良くありませんよ」
「陛下がもう少し威厳を持って頂ければ、私だってこの様な真似いたしません!」
と、オレは逆に怒られてしまった訳で、あれやこれやと王様としての品位についてお説教を受けていると、先程のおじさんたちが門の中へと案内してくれて、そこで責任者のダンディズム溢るるカッコイいヒゲのおじさんがいた。
そのおじさんから、オレが王宮に居ない間に起きた事を聞いてオレの嫌な予感は的中したのだった。
「セイナやアディンたちが叛逆罪で免職処分の上に牢獄された?!」
※※※※※※
キリエさんはオレの予感を信じきれずにいた為か、驚きの余り大声を出してしまった。
「はい、我々の下にも王宮から通達があり、叛逆者の一味が王都を襲う事が内容に戒厳令を敷いて防備を固めるようにと」
なるほど、それであの物々しくギスギスした雰囲気だったのね~。と納得しながら出されたお茶に舌鼓を打っていたら、驚愕していたキリエさんが思わぬ事を宣った。
「奴らがここまでするのなら、我が領地から軍を連れてきて王宮を制圧するしか…」
「キリエさん、ストップ」
オレを無視して鬼気迫る顔でおヒゲな隊長さんと話し合って、先程の言葉を宣ったキリエさんにオレは一旦ストップを掛けた。
だって、このままオレ空気とかマジでやるせなさMAXだし?つかここオレの国だし?まだ戴冠式すらやってないけど、面倒くさいから…、てかオレおー様だしね!ここビシッと言ってやり…。
「陛下はお黙り下さい」
はい、すいません。
弱っ!
感想、レビュー、なんでも待ってまーす(*゜▽゜)ノ
ただし、イケメンに限る!(冗談)