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⑦出会いがない


「はぁ……」


 私は大きい大きい溜め息を吐く。


「あら、溜め息ですわね?」


「今日で10回達成。俺、数えてた」


「なら、聞いてもいいんじゃないの二人とも」


「「……」」


 そっぽ向く二人。


「はいはい。言いますよ」


 私は根負けする。聞いてもらえるのを待っていたが、一向に聞いてくれないので私から話をした。


「出会いがない」


「今日のオヤツおいしいですわぁ。何個でもいけますわぁ」


「だろぉ? 兄貴がさ、『持っていきな』て買ってくれるんだ。学園のさ、かわいい女の子の真似しておっぱい当てて甘えるだけでチョロいんだわ。『お兄様、今日も格好いいです』とかでイチコロよ」


「ぷ、似合いませんことよ。もっと女を磨きなさい。おーほほほ!!」


「ああああああああああああ、出会いがないですわ!!」


 私は叫ぶ、心の声を書き消して。それでも、二人は全く取り合ってくれない。紹介してくれてもいいじゃない。


「はぁ、出会いがないのなら探しに行けばいいじゃない? 廊下を放浪するとかさぁ」


「そそ、俺達は待ってるからさ」


「そんな恥ずかしい事を……誰も出会わなかったらどうするのです」


「根っ子で人を調べなさいよ」


「……調べましたよ。でも……いいと思える殿方も居ませんの!! 誰がいいかも全くわかりませんの……婚約者持ちも多く……どうしたらいいですの?」


「ああ、選択肢多い感じかぁ。俺っちわかるかなぁ?」


「いっそ学園外からのがいいんじゃないかしら? 年上でも、年下でも選べばいいんじゃないですか? 男娼などもいらっしゃるでしょう? あなた選択肢絞りなさい」


「兄上の迷惑かからない範囲で探すので無理です。妹にも迷惑かかります。それよりも劇的な出会いが欲しいです!!」


「じゃぁ、例えば……どんな?」


「そうですね……行き過ぎた愛国集団による学園占拠でそこに颯爽と現れる王子様とかどうでしょう?」


「滅茶苦茶いいなそれ!! 俺、頑張って皆を護るように立ち回って英雄になりてぇ。カッケぇ!!」


「ああ、私なら。今、この余す力を試したいですわ。この力を」


「……いや。捕まる側ですよ? 助けて貰う側ですよ?」


「私、今ね。使用人雇うのやめておりますの。狙われるようにして自信満々にしてます。剣闘士の先生を雇い。日々鍛えてますわ。護殺術は心得てます」


「ご、護身術じゃないんだ」


「先生は剣闘士ですわよ?」


「ああ、これガチな奴ぅ」


 私は彼女の開いてはいけない扉を蹴破り、炎を付けて煽り。修復不可能までにしてしまった。ガルガンチュア家の人たちごめんなさい。


「俺にも感謝して欲しいなぁ。先生を紹介したの俺だし」


「あら、最初は『女に教える気はない』とか言ってた先生をその気にさせたのはわたくしよ~」


「まぁ、そうだけどさぁ。まぁいいや、先生の復帰試合見に行くでしょ?」


「行くわ!! もちろん全賭けよ」


「トルも行こうぜ!!」


「………ちがーう!!」


 私は話を折る。


「私たちは令嬢として殿方に認められるように成長する必要が……」


「それ、婚約者見つけてない……あなただけじゃない」


「そそ、俺は婚約者とバトッてるからなぁ。今」


「くぅん……うーん。しょうがないです。私、一人で頑張ってみます」


「わかったわ。頑張れ」


「おう。頑張れ」


「見ていなさい必ず見つけてきてやります」





 次の日、私は大きいマフラーを付けて登校する。マフラーには『婚約者募集中』の広告をつけて登場する。「結果は?」と言うと。


「「トル!! 恥ずかしいからやめて!!」」


「……あい」


 マフラーはナナリに千切られ、リィデアに魔法で燃やされた。広告するのはダメと言われる。


「俺の兄貴、全員モテるし紹介しずらい」


「ガルガンチュア家はまず王族なので論外ですわね」


「……もう。秘密握ってる男からイビって捕まえようかな」


「恋愛できないわよ?」


「……私以外に考えられなくすればいい」


「「……えぇ」」


 これも反対されたのだった。






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