赤い月 ~空が青いワケ~
まだ地平線のそばにある昇ったばかりの月、又は沈む直前が赤いのを見たことありますか? あの月が赤いのは、朝日や夕日が赤いのと全く同じ理由によるものです。
そして、空が青いのも、実は同じ理由によるものだったりします。
大気中にはなんだかんだ言っていろいろな粒子が舞っています。埃からN2等の気体分子まで……。
昼間、空全体が明るいのは、太陽の光がこの粒子により散乱されるためです。
このふわふわ漂う粒子による散乱を式で表すと、ミー散乱と呼ばれる複雑怪奇な式になるのですが、ここで粒子が光の波長よりも十分に小さいと仮定してミー散乱の近似解を求めるとぐっと式が簡単になります。この式が表す散乱をレーリー散乱と言います。
このレーリー散乱の特徴は、散乱の光量が波長の4乗に反比例する事です。そのため、散乱粒子が小さい晴れた日は、太陽光の波長の短い側、青が重点的に散乱され、空が青くなるというワケです。散乱粒子の主成分は……よく判らないのですが、たぶん大気を構成する気体の分子(N2とかO2とかCO2とか気体のH2Oとか)なんじゃないかと言われています。とにかく条件は光の波長(500nmぐらい。nmは「なのめーた」と読み、mm「みりめーた」の1,000,000分の1)より小さいもの、なので、気体分子じゃないとなかなか条件を満足できない筈ではあります。
曇りの日は空中にふわふわしている粒子が主に水滴(液体とか個体のH2O、多数のH2O分子が結合したもの)となり、水滴はたいてい光の波長に近いか大きいのでレーリー散乱の条件がくずれ、空が白くなります。
さて、地平線そばの月が赤くなる理由ですが、我々の上空に広がる大気の層を、お皿に張った水に例えてみたいと思います。我々はお皿の底にいます。水面から上は宇宙空間です。
さてこの宇宙空間にいる天体、月からの光を一本の箸でモデル化してみます。
月が我々の真上にいるときは、月からの光は真上から降ってきます。この状態は、先ほどのお皿に真っすぐ突き立てたお箸で例えることができます。
月が地平線のそばにいるときは、月からの光は水平に近い方向から降ってきます。この状態は、先ほどのお皿に斜めに立てたお箸で例えることができます。
……どちらのお箸の方が水にひたる長さが長いでしょうか。当然、月が地平線のそばにいるとき、ですよね。
このように、月が地平線のそばにいるときは、光が我々に届くまでに長い距離、大気中を通過しなければなりません。するとその間に青い光が散乱で失われるので、月が赤く見える、という次第です。
ブックマーク頂いた2名の方、実はそんなにネタがある訳ではないので、これで連載を終了してしまうことをお許しください。
本作に評価を頂いた1名の方、意外と高い評価を頂いてしまい、驚いています。ありがとうございました。
そして、本作を最後まで読んで頂いた皆様、ありがとうございました。書きながら、邪道だなぁ、こんなの投稿していいのかなぁ、と、迷いながらの寄稿だったのですが、それでも興味を持ってアクセスしてくれる方々がいることを大変嬉しく感じていました。




