035【契約精霊が消えたわけ4 『光の幻覚』】
すいません
契約精霊が消えたわけシリーズの副題名をかくの忘れてました。
〖神暦 3239年 8月 24日〗
日記の筆者『テオ』
場所「ホエール村付」
森のはずれの小さな原っぱで、僕は、リリーから教わってきた魔法を思い出しながら、叫んだ。
「[水流魔法: 水刃]!」
僕は、アリスに目掛けて魔法を放った。
もちろん本気で。
「[鋼玉壁]」
アリスが静かに呟く。
すると、アリスの目の前に、青く透き通った六角形の板が現れた。
その板に僕の魔法がぶつかり、水しぶきがとんだ。
…[水刃]が防がれた。
まぁ、こうなることは想像できた。
アリスは、魔法が得意なのだ。
「じゃ、次はワタシの番ね。」
アリスが笑みを浮かべる。
「[光線の警告]」
アリスが魔法を発動した。
すると、辺りが真っ白に染まった。
いや、違う、僕が全ての色を白と誤認しているのか?
…うう
めまいがする。
僕は、その場に立ち尽くした。
白だけ。
影も、形も、シルエットも見えない。
自分の手が認識できない。
…体が動かせない。
…聞こえない。
…見えない。
…感じない。
…息ができない。
…思い出せない。
…何が?
…何を?
…何故?
…これは?
…ここは?
…気持ち悪い。
――ツ――
…
光が見える。
…白じゃない。
青だ!!
…空か。
「あー、お兄ちゃん、大丈夫?」
アリスが上から覗き込んできた。
…僕は、仰向けに倒れているらしい。
「…今の、なに?…」
僕は、声を振り絞ってアリスに尋ねた。
「魔法だよ?」
「それは…しってる。」
「[光線の警告]のこと?」
「そう…それ。」
「この魔法はね、相手の精神に直接『光』を照射して、肉体ごと自己崩壊させる魔法よ。」
アリスが笑顔で話す。
「…こわい。」
「大丈夫よ。 お兄ちゃんには本気出してないから。」
本気出してない。
うん。
僕は、本気出したんだけど。
「…負けちゃった。」
僕は、少し小さな声で言う。
「ま、次があるわ。 マスターは、まだ生きてるもの。」
リリーが僕の手を引っ張り上半身を起こすのを手伝ってくれた。
「まぁ、次に勝てばいいか。」
僕は、気を取り直して立ち上がった。
「ま、お兄ちゃんが今のワタシに追いつくころには、ワタシはもっと高見にいるだろうけど。」
…アリスの一言が、僕の心を蹂躙した。
グハッ
また、僕は、倒れ込んだ。




