第187話 ボーナス500万ポイント獲得!異世界通販『乗り物(陸上)』カテゴリ解放でスローライフは次のステージへ!
「理事かぁ。なんだかよく分からないけど、出世しちゃったわ!」
バルガスさんが帰った後、私がニコニコしていると、後ろで聞いていたリアちゃんとミアちゃんが、尊敬の眼差しを向けてきた。
「やっぱり、コトリちゃんは只者じゃなかったのね……!」
「すごいです、店長……! 商業ギルドの理事だなんて、雲の上の人です!」
リックも「お前……どこまで登りつめる気だよ……」と呟く。
ま、何はともあれ。
ダマールさんのことはびっくりしたけど、おかげで、(ほぼ)不労所得が手に入ることになった!
そして、今回の発端になったあの木箱に入った書類だけど……。
「リズちゃん、床下から掃除で見つけてくれたあの箱、本当に掃除で見つけたのですか?」
「あれがどうかしたのか?」
「あの箱に入っていた書類、たぶん前の住人が隠したもので、もしかしたらこの家にいた幽霊と何か関係あるのかなって。リズちゃん、以前探してくれるって言ってたし」
「うむ。我がこの屋敷に来た時に逃げ出したあの霊を呼び出し、事情を聞いたのだ。確かに、あの霊はこの屋敷の住人であったと言っていた。あの箱のことも教えてもらった。詳しいことを聞きたいか?」
(えっ!? せっかくいなくなった幽霊をわざわざ呼び戻したの!?)
思わず後ずさる。
……でも、リズちゃんは平然としている。ということは、もう解決済みなのだろうか。殺された事情とか怨念の話なんて、怖いから絶対に聞きたくない。
「うーん、じゃあ結果だけ教えてくれますか? その幽霊さんは、もう成仏してここには出ないのですか?」
「うむ。この地に縛られていたあの霊は、二度と現れない。安心するがよい! 我が理に――在るべき場所に還してやったのだ」
よかった! これで幽霊騒動は完全解決だ!
私は冷蔵庫から特濃カスタードプリンを二つ取り出し、カウンターの隅に置く。
「はい、リズちゃん、いつもお仕事お疲れ様です!」
すると、リズちゃんは、目を輝かせてスプーンを握った。
「うむ! 大儀である! これからもこの屋敷は我が守ってやろう!」
うんうん、頼もしい警備員さんね。
私の小さなお城。ヤマネコ商会。
大切な仲間たちと、美味しいお菓子と、文明の利器に囲まれたこの場所で。
私の快適なスローライフは、これからが本番なのだ!
そう、意気込んだ、その時だった。
ピロリンッ♪
頭の中に、ファンファーレのような軽快な電子音が鳴り響いた。
目の前に、見慣れた半透明のウィンドウがポンッと浮かび上がる。
『街の経済の正常化、および地縛霊一体の浄化を確認しました』
『ハルモニア市への多大な貢献が認められます』
『ボーナスとして、5,000,000ポイントを付与します』
『【異世界インターネット接続】がLv.4にアップデートします』
「……えっ?」
500万ポイント!? それに、レベル4!?
驚く私の目に、新たに解放された機能の文字が飛び込んできた。
『異世界インターネット接続基本性能(通信速度・検索精度)の大幅向上』
『異世界通販カテゴリ解放:乗り物(陸上)』
まずは一つ目の『基本性能の大幅向上』。
その説明文を読み進め、私は思わず息を呑む。
(これって……つまり、今まで少しもっさりしていた動画の読み込みが、前世の高速通信&最新スマホ並みにサクサクになるってこと!?)
これがあれば、休日のタブレットでの引きこもり生活(漫画や動画鑑賞)が充実すること間違いなし!
これは、私の優雅で快適なスローライフ計画の実現に向けての大きな前進だわ。
そして二つ目の『異世界通販カテゴリ解放:乗り物(陸上)』。
前世ではかなわなかった念願のマイカーを購入できるかも!?
私は、はやる気持ちを抑えて通販サイトを開き、新しく解放された『乗り物(陸上)』カテゴリをタップする。
そして、少々高額だが、ずらりと並ぶ期待どおりの商品たちを見て、胸を躍らせたのであった。
【第二章 ヤマネコ商会、爆誕!・完】
【あとがき】
これにて「第二章 ヤマネコ商会、爆誕!」は完結となります。
ここまで約29万字、お付き合いいただき、本当にありがとうございました!
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次回から「第3章 ようこそ、ヤマネコ冒険部へ!」がスタートしますが、準備のため数週間ほどお休みをいただく予定です。
引き続きよろしくお願いいたします。




