第64話:大団円
後の話では、あの会談で東方同盟が結成されたらしい。ブルク王国、ランド王国、イタリカ王国、フェリシアーノ共和国、キタイが同盟を結んだようだ。
ガルム荒野に城を築き、各国軍が交代で駐留することになった。また、帝国が侵攻してきたならば、2週間以内に歩兵30万、騎兵6万以上が動員できる体制を構築すると決まった。
これが本当なら、どんな敵が来ても粉砕できる。うちの王国は安泰だ。
その後、2週間ほどを費やし、やっと家に帰った。
「やっぱり家はいいなあ」
俺は久しぶりにユングの顔を見ながらいった。
「大活躍だったそうで、ご苦労様でした」
俺が無事に帰ったので、安心したようにユングが言った。
「ああ、心配かけたなあ」
「それより王都より手紙が来ています」
「えっ、どれだい」
「これです」
ユングが1通の手紙を差し出した。俺は手紙を受け取ると、急いで封を切った。
「これは」
「なんと、今度の戦いの活躍に対しての加増の話だ。王国北部で5万口を加増する、同時に伯爵に昇格するとのことだ」
「俺が伯爵か」
色々頑張ったかいがあったなあ、これで報われる気分だ。
「あなた、昇進おめでとうございます。本当におめでとうございます。私もうれしいです」
ユングが俺に抱き着いてきた。
「ユング、君の協力も大きかった。有難う。感謝しているよ」
俺も抱き返した。ああなんて幸せなんだろう。
翌日噂を聞いた皆が押しかけて来た。ハンス、シュタイン、リュウ、ヤン、キム、なんとデイジーまでいた。
「ほんとに伯爵かよ、俺も頑張った買いがあるってもんだよ」
「これで研究費増やしてくれますね。いやーほんとによかった」
「おい、本当に祝ってくれてんのか」
「祝ってますってー」
ああ、やっぱりこいつらはいいなあ。
「昇進おめでとうございます」
デイジー、まともに祝ってくれるのはお前だけだよ。
「というか、お前本当にデイジーか」
そこにはデイジーの面影はあるが、まるでバラの花が咲いたような美しい女性がいた。
「いやだなあ、なに言ってるんですかデイジーですよ」
笑って俺の背を叩いたところなんかは確かにデイジーだった。
俺の気のせいか。
その後もちろん宴会となった。
勿論大宴会となった。皆自分の手柄を自慢しあって、大騒ぎになっていた。
そのなか、ハンスとデイジーがやって来た。
「ハン様、お知らせしたいことがあるんですが、えーと、その」
「なんだはっきりしないな。またなんかしたのか」
「いや、そういう訳ではなく」
ハンスはモジモジして歯切れが悪かった。
デイジーが前に出て、決然と言った
「私は、ハンス様と結婚したいと思います」
俺はびっくりしたハンスを見た。
「私もデイジーと結婚したいと思います」
「あなたは本当に鈍いわね、他の人はだいぶ前から気付いていたわよ」
ユングがあきれたように言った。
「ハンスおめでとう」
「デイジーおめでとう」
宴会がさらに盛り上がった。皆がハンスとデイジーにお祝いを言い出した。俺の昇進祝いじゃなかったんかなあ。まあ、目出たいことが重なったんだいいしよう。
「あの、私も言わなきゃならないことがあるの」珍しくユングが言いよどんでいた。
「どうした」
「あの、あkちゃんができたみたいなの」真っ赤になってそういった。
「なんだって」
全員が叫んだ。
「おれもついに父親かあ」
俺はしばし感慨にふけった。しかし周囲が大騒ぎになっていて、感慨どころではなかった。
「おめでとー」
「おめでとー」
「おめでとー」
「もう何のお祝いか分かんなくなってきたぞ」
「そんなことどうでもいい、のもーぜ」
「そうだのもーぜ」
目出たいことが3つも重なってしまった。それを仲間が大騒ぎして祝ってくれている。こんなに楽しいことがあろうか。
俺は大騒ぎしている仲間を見ながら、祈った。この平和で楽しい時間がいつまでも続きますようにと。
これでこのお話は終了です。
読んでくださった方にはたいへん感謝いたします。有難うございました。
そのうちまた何か書いたら投稿したいと思います。




