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真意と想い

『その姿は……』

庵は見とれて言葉が見付からない状態。

『神々しい,その姿はまるで熾天使(セラフィム)ですね。天使を束ねる天官長(おさ)である役割を持つと云われています。』

嶺が軽く説明すると庵は納得した。

『熾天使……。水鵺,綺麗ね。護ってあげられなくてごめんなさい。』

庵は納得すると共に俯き,涙を流す。自分達の未熟さに心理的に嫌気が襲う。


“大丈夫ですよ。庵達のせいではありません。私の力不足と至らぬばかりに哀しい思いをさせてしまい,申し訳無い。”


水鵺は首を横に振ると,庵の目の前へと移動した。そして頭をそっと撫でる。


『でも此で蓮王の企みを阻止出来たんだよね。』

海沙は水鵺に問う。


『一段階目は阻止出来ただろう。そうだろう?水鵺。』


“えぇ。壱の仰る通りです。ですがまだ油断は出来ません。”


『なら俺達はこの先の戦闘の為に,力を温存しておこう。相手が蓮王だろうと潰す迄だ!』

『駿は気楽で良いよね。単細胞なだけあるかも。』

『いや,単細胞は賛同だが,駿の云う事も一理あるな。』


崇の発言にムッとする駿。わざとらしく振る舞う彼の態度を知っている水鵺はただただ微笑む。そんな彼女を見守る眼差しを向けるは壱。


『今日は休みませんか?此のままでは気力が持ちませんわ。』

真夜の提案により,各自休息を取り始める。


真夜は眠らずに,崇の横に腰掛けた。

『崇,守護者にして良かったの?彼女を束縛する事に関して,後悔してしまわない?』

『しないと……』

『決めたのですね。貴方はもう誰とも……』

云い掛けたがそれ以上は言葉にしなかった。出来なかったと云う方が正しいかも知れない。

真夜は理解していた。彼の心はもう凍ってしまった。

誰にも溶かす事は永遠に無いだろう。彼女は守護者として常に傍には居るが,この世には存在しないのだ。

彼女を心から慈しみ愛していた彼にはとても残酷な事。


『どうした……真夜らしくない。』

『崇,私は貴方が幸せならそれで良いのです。』

せめて救われて欲しい。この言葉の真意がせめて,届いて欲しい。

もう願うしか無い。



『真夜,すまなかった。俺は良い婚約者(フィアンセ)で無かったな。』

哀しい微笑み。

『いいえ,私の方こそ良い婚約者では在りませんでしたね。ですが……私はそんな貴方(たか)を好きになったのです。この戦いが終わったら婚約を解消しますね。』

崇の云わんとする言葉の真意に応える真夜。



この瞬間だけはゆっくりと二人の時間が流れた。

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