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はじまりました?でもここはどこ?

ごくごく普通の生活を過ごしていたと思う。無難に成長していき、会社に勤め、ほど程に日々は過ぎていた。そして、ハッと気づけば、30半ば。結婚もなんとなく考えていたけど、1人で過ごすことが楽になり、あれ?何か知らないが、結婚適齢期過ぎてない?私と遅ればせながら気づいた。

休日の楽しみは異世界ライフのラノベをまったり楽しむこと。そして、その物語で自分が登場人物となって妄想を楽しむ。


・・・なんか、枯れてるね。でも、自分が楽しければ良いのよ、そうそう。


そんな日々を過ごしていた仕事帰り、本当になんとなく気分的な流れで、いつもと違う帰り道を選んだ。街灯が少なく、人通りもあまりないのだけれど、その道沿いにある公園を横切ると住んでいるマンションへの近道となることを最近発見した。


今日は少し早く帰宅できたこともあり、夕暮れのなかその道を進んでいた。今日の晩ごはんはどうしようかな、なんて呑気に考えながら歩いていたからなのか、公園を横切った途中にある、街灯が照らされた大きな木の下を通った時、おそらく根元に引っ掛かり転びそうになった。

あっ、と思った時は地面が近い、ヤバい!と目を固く閉じてしまった。


しかし、いくら待っても、いや、待ちすぎても衝突の痛みは来ることなく、逆にポフリと何かにぶつかり、体がバウンドした。


・・・え?バウンド?何故だ。


ぶつかり、転がった感じがして動きが止まったのを感じると5秒くらい数えてからゆっくりと目を開けた。

まず眩しさを感じてすぐには目が開けられず、その時点で疑問点が浮上。夕方といっても眩しさを感じることはあり得ない筈。それなのに、眩しさを感じて反射的に開きかけた目を再び閉じることになった。


手のひらを目の上にかざしながらゆっくり目を開く。だが、眩しさに目が眩むよりも、まず目に入ってきた自分の手に何か違和感を感じた。

じっくりと良く見ると、この三十数年間見慣れた手ではない。まっさらな、綺麗な若い手だった。そして、手のサイズが一回り小さくなってる!


「え、えぇぇぇー!」


間抜けな声が出てしまったが、またここで違和感。

声が高い。子供のそれと同じ高音。えっ!子供!?


ガバッと起き上がると、目の前に広がっているのは淡い黄色の苔の様なものが一面に広がり、白っぽい枝に浅葱色の葉をつけ伸びる枝葉と、それを支える太い幹の大樹が眼前に広がっていた。


ただ、その大樹は私の目に見える範囲からはどれ位の太さなのか分からない程太い。そよそよと心地の良い風が吹き、暑くもなく寒くもない適温な日差しのなか、呆然としたまま、微動だにすることが出来なかった。


「え、ここどこよ?そして、私……」

全く見覚えのない場所。そして、何故か子供になっている状態。


自分を見下ろすと、さっきまで着ていたベビーピンクとライトグレーのボーダー柄のサマーセーターにブラックのロングタイトスカート。インに着ているタートルネック全てがブカブカになっている。

立ち上がると、丈が長めだったのでセーターはギリギリ膝丈になっていて、ワンピースに見えなくもない。スカートは完全にずり落ちている。当然靴下も靴もブカブカ。下着は言わずもがな。

セーターはVカットなので、胸元が……いや、ささやかな胸しかないわ。袖をまくって、手を出す。スカート等、着用出来ないものは畳んで横に置く。


少しうつむいた時、サラサラ落ちる自分の髪の毛にまた驚く。

「は?金色?」

染めたことのない真っ黒な髪が、真逆な明るい色になっている!金色、と言うか、淡い金色。プラチナブロンドって言うのかな。キラキラした金色ではなく、もう少しマイルドな目に優しい金色だ。

長さもミディアムだったのに、引きずるほど長い。

「長すぎるでしょ……いくらなんでも」

そんなに重さを感じないのは、細く柔らかい髪だからか。全部、今までの自分とは正反対な状態。


そういえば腕にヘアゴムをつけていた筈。辺りを見渡すと、シンプルな黒のヘアゴムが落ちていた。長すぎる髪の毛を四苦八苦しながら何とか団子状にまとめる。

「き、切りたい……」

見渡しても刃物など落ちているわけもなく、諦めの大きな溜め息が出た。

「ここって、どう見ても異世界だよなぁ~」

もう、現実世界ではあり得ない大きな木や苔の色。

どうしてこちらに来たのか。

異世界転生にあるあるの事故死したわけでもなく、魔法陣が現れたわけでもなく、はたまた誰かに引きずられた、巻き込まれたわけでもなく、ただ、コケただけ。


オマケに子供になってるわ、髪の色も変化してる。と、言うことは、もしかしたら目の色も変わってんだろうなー多分。

鏡がないので確認しようがない。持っていた鞄の中にはあったけど、さっき見渡した限りそれはなかった。

身体的には10歳から13歳くらい。


いやー、赤ん坊とかじゃなくて良かったわ。こんなところに赤ちゃんだったら確実に餓え死ぬわ。


「あー、どうしよう……」

苔の上に座り、そのままゴロンと寝転がった。上を見ると浅葱色の葉が緩やかな風にサワサワと揺れていた。ここからでは見えないが、晴れていて微かに木漏れ日となって自分に降り注いだ。


人間、こんなところに放り出されて、あまりの驚きに一周回って冷静になれるのね、と思った。

そよそよと心地の良い風が吹き、気温も快適。ちょうど帰宅時と言うこともあって、段々と眠くなってきた。

これからどうするも、何も分からない世界。ワクワク感はあるけど、真剣、生活できるのか、何かの物語の世界なのか全く予想がつかない。

「ここから抜け出せたとしても、生活様式も世界観も全く不明。あー、詰んでる」

目を閉じながら悶々と考えいると、眠気が飛んでしまう。子供に似合わない溜め息をつくと、両手をぐっと上に伸ばした。

その時、背中がもぞりと動いた気がした。

「!?」

ガバッと起き上がると頭を捻り、タートルを引っ張り背中を見る。


パタパタ……


「!???」

前を向き直り、もう一度背中を覗いてみた。そこには可愛らしい光沢のある手のひらサイズの白い小さな羽根がついていた。

「は、羽根??え?……わ、私鳥人間なの!?」

服を脱ぎ捨て、誰もいないことをいいことに、丸裸になって体を捻り、背中をマジマジと見た。

どう見ても、羽根がついている。さっきは背筋を伸ばした拍子に羽根が連動して動いたのか、今は大人しく止まっている。


「ま、マジか……。私って一体なんなのー!」


頭を抱え思わずしゃがみ込み、そのまま苔の上をゴロゴロと転がり唸ってしまう。


はぁー。と大きな溜め息をつき、ムクリと体を起こして脱ぎ散らかした服を手に取りもう一度着る。

まだ羽根が小さいからか、着込んでも特に窮屈感はない。小さな手のひらサイズだから余計に気付かなかったのかと思い付く。


もういい、あまり悩みすぎると頭痛がする。取りあえず、周囲の状況把握をしよう。そうしよう。

立ち上がり、ぐるりと回りを見渡すと視界いっぱいに淡い黄色の苔が広がり、上は巨大な木がそびえ立つ。

まずは木の周辺を回ることにした。大樹と向き合い、右側から回ることにした。苔と言っても湿気った感じがなく、毛足長めの少し弾力のある絨毯の上を歩いている感覚。トコトコと進んでいく。歩きながら右側を見るが、苔の景色は変わることなく同じ状態がしばらく続いた。体感的に10分、20分と歩いてもまだ先が見えない。

「こ、この木。どれだけ大きいの~」

あまりに景色が変わらなすぎて、本当に進んでいるのか怪しくなるが、少しずつ疲れてきたので、結局な距離を歩いている筈。

次第に足が痛くなりだし、歩みを止める。

その場でしゃがむと、幹に凭れる。何となく、だがお腹が空いた。そして、喉も渇いてきたような……。

だが、食べ物があるように思えない。川も水源地も見えない。


え、異世界転生?転移?して餓死決定?

短すぎない?人生。儚すぎる。


「お腹空いた……。喉も渇いた気がするし、果物の木でもないのかな~」

また、溜め息をつく。短時間に溜め息をつく回数多くない?でも、溜め息つきたくなるよね。右も左も分からないのに。


「甘ーい桃でも食べたい~」

疲れたら桃缶を良く食べていた気がする。病気をするとよく果物の缶詰を食べさせて貰ったなぁー。その中でも桃缶は贅沢な一品だった。初給与で、ちょっと高めの桃缶を買ったのもいい思い出だ。

「あー、桃缶んんんー」

後ろに頭をくっつけて、上を仰ぎ見る。すると、浅葱色の葉が一部分だけザワザワと激しく揺れたような気がした。よく目を凝らして見ると何かが落下してくる。

「わっ!」

思わず避けると、足がセーターに引っ掛かり無様に転ぶ。苔にパフっとなっただけで、怪我なくセーフ。


セーターから足を外して起き上がると、何やら黄色い物体が数個転がっていた。

「?」

近くにあるものを手に取ると甘い匂いが鼻に届く。

「果物っぽい。……んー、桃みたいな香りがする」

やや桃より爽やかな匂いがするが、どちらかと言うとすももの様にツルリとした表面。桃は少し毛羽立っているけど、これにはそれがない。

それに普通の桃より大きい。グレープフルーツをもう少し大きくした感じ。

じっと見つめると食べたい誘惑に駆られる。思わず周囲を見渡してしまい、誰もいないのに、何故か確認してしまう。

セーターの袖口で表面を綺麗に拭くとゴクリと喉が鳴る。

「……いただきます!」

ガフリ、と一口噛ると瑞々しい果肉と少しの酸味があり、さっぱりとした甘さが口に広がる。林檎のフィリングをもう少し歯応良くした感じで、水分量が結構ある。

滴り落ちそうな果汁を舐めとりつつ、黙々と桃モドキを食べる。

種も芯もなく綺麗に一つ食べ終わるとそれだけでお腹がいっぱいになり、腹持ちが良いことに気づく。

「これは良いかも。食料は取りあえず、これで何とか持ちそう」

上から落ちてきた桃モドキを拾い集めると大小合わせて6個程あった。1日1個で何とか空腹を紛らわしつつ、この大樹の散策が出来ればいいなと思う。

気まぐれにこの大樹が恵んでくれた食料に感謝するため、前に広げたセーターを袋にして果物を持ちつつ、上を見上げた。

「食べ物を恵んでくれてありがとうございます!」

それに応えるかの様に浅葱色の葉がサワサワ揺れた。

どうもこの桃モドキは腹持ちがいいのと、何となく体力か回復しているような気がした。

「よし!」

気合いを入れて再び幹の回りを歩き始めることにした。


キョロキョロと見てみるが、やっぱり苔が広がる景色しか見えない。

どれだけ大きいのだろう。この大樹は。

更にそれから休憩も挟みつつ2~3時間くらい歩いただろうか、流石に疲れて立ち止まる。

「いや、ホント、どれだけ太いのよ……この木」

特に周囲の景色が変わることなく、サワサワ揺れる浅葱色の葉と苔のみ。そして、出発点に戻ってもいない。

時間経過が分からないため、お腹の空き具合で判断する。

ここで目覚めてから、おそらく半日経つか経たないかだろうと予測する。これ以上進むのを諦めて、苔の上に座ると、桃モドキを脇に置く。

幹に凭れて、ボンヤリと前を見ていると疲れが溜まっているのか眠気がやってくる。見知らぬ場所で眠るのは何となく怖いが、特に危害を加えられそうな感じがなさそうなので、目を閉じることにした。

間もなく睡魔が襲いクタリと横になって寝ることにし、深い眠りに付いたからか、寝起きは特に疲れを残すことなく目が覚めた。


それからまた1日掛けて大樹を一周し、やっと元の位置に戻ることが出来たが、景色が変わることなくただ木の回りを歩いただけだった。


何か他に見当たらないか、自分のいた位置から歩数を数え、先にも進んでみたが子供の脚力では限度があり、無限に進むことは無謀に近いと考え、数回場所を代えて試してしたがやっぱり何も変わらなかった。


眠気が来ること5回目。

これを日数に置き換える事にした。5日間経ったが、あまりに何も起きなさすぎて、不安になってくる。

取りあえず食料は桃モドキで、水分、食欲を満たしてくれる。汚い話だが、何故か排泄を催すことがない。

体も汚れることもなく、何故か寝て起きると全体がこざっぱりしている気がするのだ。髪の毛も洗いたい!という欲求もなく。何とも不思議空間にいる。


「もしやここで、何をすることなく朽ち果てるの!?え~っヤダ!」

せっかくの異世界転生?楽しみたいのに、それ以前に何も始まらない……。

今のところチートもなさそう?特典と言えば、意味があるの無いのか、微妙な鳥人間になっていること。

残念過ぎる。


手元の桃モドキを触りながら、どうしたものかと考えてみるが、何も妙案も浮かばず、ただただボケッとする。

木々のざわめきも、日常の音と化して静かな時間が過ぎていく。


まあ、最悪な状況、例えば突然奴隷となり売られるとか、逆境に措かれるとか、虐められる環境に生まれるとか無いだけ幸運だと思おう。


そんな状態だったら、それはそれで心が折れそう。平和で平凡な日常の生活だったから、環境の大きな変化には付いていけないだろうな。と。しかし、あまりに変化がなさすぎても心が折れそう。


なんかの小説であったな、精神を壊す拷問で1色の部屋に閉じ込められてヤられる系のものが……。

それよりマシか、ここは。風も感じられるし、食べ物もある、衣食住に文句のある環境ではないし。

ただ、誰もいない。

生き物の気配がないのだ。今まで自分の住んでいた世界は、常に雑音に溢れ、人の気配を感じ過ごしていた。

それが穏やかだけど、時が止まったかのようなこの場所は、地味に不安を煽る。


まさか本当にここで終了ー!ってことになったら、ふざけるな、と、ここに転生させた神様に文句を言いたい。神という概念がこの世界にあるのか分からないのだけど。

はぁー、と大きな溜め息をついて項垂れる。


しばらくその状態でいると、微かにこれまで聞こえていた音と違う音が耳に入ってきた。

「?」

頭を上げると音のする方向に首を向けた。

左側からたぶん、聞こえてくる音の先を目を凝らして見つめた。すると小さな黒い点が徐々に色をまとい始める。


なんだか、結構な数が押し寄せていないか?


「ナニ?あれ……」


視力の限界に挑戦するかのようにじっと見る。

黒色、灰色、淡い黄色、白っぽい色に緑色、目がチカチカしてくる。カラフルな物体?動いているから生物?がなんとなくだが、こちらに向かってくるような……。


「え……、ちょっと怖いんだけど……」

オロオロしてしまうが、とりあえず逃げよう。

逃げる場所があるか分からないけど、怖いから逃げよう。

逆側の右へ逃げることにして、短い足を何とか動かし自分なりの最高速度で走り出した。


「は、はっ!ど、どっかに……ウ、ウロができないかな!!」


そうすれば、入り口を閉じれば籠城できる!

お願い!と祈りながら走ると穴が見える。

速度を付けすぎて通り過ぎてしまう。慌てて止まると、穴の空いた場所まで戻った。

そこには、体を捩って入れる大きさの穴があった。

やっぱりこの大樹は、願ったり強く思うとそれが叶うようだ。直ぐにその穴に頭を突っ込むとギリギリ胴体も捩じ込む事ができた。ズルッと穴の中に落ちると、底にも苔が生えているようで、ポスリ、と苔の上に転がった。


立ち上がることの出来る高さと、幅は両手を広げてもまだ少し余裕がある。

不思議とこの中は暗くはなく、ほんのり苔と木が暖色に光って明るかった。穴は立ち上がって少し屈んだ位置にある。


そして、また願う。少しだけ覗けるほどの小さな穴になって!と。

すると、スルスルと入ってきた穴が閉じていく。ちょうど握りこぶし2個分の大きさで止まった。


恐る恐る、その穴に近づくとこちらに向かってきていた生物?の姿形がはっきり見えてきた。

結構遠目の距離でそれらが動物だと分かる。しかし離れているのに、何故かその遠い距離で、自分が知っている動物の大きさなのだ。


と、言うことは……。まさか……。


じっと息を殺して見つめていると、近づいてきた数メートルの位置でかなり大きい。普通の動物の2倍から3倍はある。下手したら4倍かも!あり得ない!

「あ、異世界仕様か」

でも、普通じゃない。デカすぎるのだ。巨人の世界なの!?思わず後ずさり、ポスッと座り込んでしまった。

しばらく、じっとしていると苔を踏みしめる音と声が聞こえ始めてきた。


「……か?」

「……わからん」

「でも……が光の霧を纏ってたろ?」

「周辺をさがせ!」

「……おい!そこ!ビビらせるなよ!」

「えぇー、人相はかえられません」

「慎重に」


等々、聞き取れる言葉や会話の数々から推測するに、絶対に自分を探している模様。

ザッザッ、と歩く音や動物の唸り声も聞こえる。


こ、怖すぎ。食べられる?え、餌さがしなの?


膝を抱え、じっと静かに彼らが諦めるのを待つことにした。善人?善動物?か、悪人かは分からないから、迂闊なことは出来ない。


取りあえず、この大樹は自分を守ってくれてるみたいだから、動物集団が去るのを待つしかなさそうだ。

肘の辺りのセーターをギュッと握ると自分が少し震えていることに気付いた。


知らない世界、例え何かの物語の世界でも、検討すらつかないし、大群で押し寄せられると流石に堪える。

オマケに巨大な動物まで現れて、どうして良いかも分からない。知っている世界、または異世界転生に憧れている人なら、もしかしたら彼らに飛び込んで助けを求めるかもしれない。だが、自分はどちらかと言うと臆病だ。

内弁慶とまではいかないが、知っている世界、場所であればまだ堂々と振る舞える。しかし、ここは地球でもなく、自分が慣れ親しんだ世界ではない。

全くゼロの状態なのだ。分からなすぎて不安感いっぱいだ。

言葉は理解できるようだから、異世界転生のあるある、自動翻訳が付いている事にホッとする。これで言葉が理解できなかったら、詰んでる。嫌でも苦労するのが目に見えてる。

要らない苦労は誰でもしたくない筈だ。自分はそう。楽が出来るなら楽がしたい。

ただ、得たいものを得るための必要な苦労は仕方がないかなと思う。

有り難いことに、自動翻訳のチートは付いているようだ。言葉は大事。伝えられない通じないのは、本当に辛い。


まずは、巨大動物達が去った後にやる事ができた。たぶん、向かってきていた方向に出口?があるだろう事が分かっただけでも良かった。

おそらく、彼らの足跡が残っている筈だから、それを辿れば行き着ける筈。たぶん。

自信ないけど、やらないよりはやった方がいい。


悶々と考えに耽っていると、タシタシッと木の幹を叩く音が聞こえた。


「?」


上を見上げると、覗き穴ところに何かがピクピクと動いている。


「???」


ほんのり明るいので、その何かをよくよく見てみると黒い何かだ。なんだろう……。

それ以上入られる事は無いことに安心するが、それにしてもこれはなんだろう。また、タシタシと音がする。

強くは叩かれていないが、ノックをするかのように何度か叩かれる。

黒いものを凝視すると少し湿り気があるように見える。

「??……なに?これ?」

思わず声を漏らすと、その黒い物体が一度抜ける。直ぐにまた黒い物体が突っ込まれ、またピクピクする。

そして、再度抜けると次は全体が潤んだ金色?琥珀のような色が見える。それは瞬きすると、より琥珀色を輝かせる。

「!!」

瞳だ!大きな目がこちらを覗いている!

ヒッと喉が引き攣るような声が出る。


怖い怖い怖い!!


ズサッと下がれる限界まで体を下げて、木の壁に背中を付けた。


見つかった!


ど、どうしよう!大樹が守ってくれてると思ってたから、覗いていた穴の事をすっかり忘れていた。

そりゃ、動物だから、嗅覚が優れている。穴から漏れる臭いに気付く筈だ。あー、しくじった。


琥珀色の瞳が静かに自分を見つめているのが分かった。少しすると琥珀色の瞳が遠ざかり、何かを伝えているようだったが、小さな声だったため聞き取れない。それからしばらくすると、辺りのざわめきが静かになっていった。


様子を伺いつつ押し黙っていると、今度は本当にコンコン、とノックをされた。

え?人間は居ないように見えたのに、ノックが人の手でやる音と同じだ。

それでも黙っていると、少し咳払いをしたかのような声が聞こえ、次に低い男性の声が聞こえてきた。

「そこにいるだろ?」

確信に近い問いかけに、返事を返すことが出来ずにいるともう一度問いかけられる。

「いるよな?」


断言された。


「……」

でも、答えが返せない。

「君に危害を加えることはない。『還り人』は保護されるから安心してくれ」

少しだけゆっくりとした口調で、その男性は諭すように話した。

「…………。あまり長い時間この聖霊樹の側にいると、君の精神がやられるぞ」

なんか、怖いことを言われたような気がする。

そして次に、悲鳴を上げるようなことを告げられる。

「居心地はいいかも知れないが、下手すると、そのままミイラ化して死ぬぞ」


「!!」

息を呑むと慌てて穴に手を掛けた。


お願い!入り口を大きく開けて!!


握った手のひらに力を入れるとグワッと大きく口を開けた。その勢いで前のめりになると、転がり落ちそうになった。

苔に落ちると思ったが、直ぐに力強い大きな腕に抱えられることになった。グン!と持ち上げられると視界が広がった。

「ぎゃあ!!」

可愛くない悲鳴を上げると、私を腕に抱えた人物の笑い声が聞こえた。

「ハハッ、なんて声だよ」

パチパチ瞬きをすると、声の聞こえた方に視線を向けた。


まずあの琥珀色の瞳にぶつかるとお互いに目を見開く。瞳の次に目に入ったのは青みを含む艶やかな漆黒の髪。長めの前髪から流れる毛先と少し長めの襟足は太い首筋でサラリと揺れた。

くっきりとした目鼻立ちの西洋人の様な顔で、美形の部類に入るが少し野性的な感じもする。だが、モデル張りな美形に目が潰れそう。

何度も瞬きをして、美形から出る光線を分散させる。

美形は目の毒にもなり得ることを体験した。なんか、ホント目が痛いし。

グッと強く目を瞑るとゆっくり開ける。

漆黒の美形はまだ自分を見つめていた。軽く目を見開いて何かを確認しているようにも見えた。

あまりに見られるので、視線を逸らすと周囲を見渡してみた。が、動物ではなく、いろんな色の髪の毛の人間が結構な数いて、静かにだがコソコソ小声で話しつつもこちらに注目しているようだった。

そして、気付く。自分の視線が高い。

「え?」

何気に下を見ると結構高くてビクッと体を揺らしてしまう。それに気付いた漆黒の男性は、宥めるように背中をゆっくり撫でてくれた。


よく見ると、周囲の人達は身長が高い。2メートル以上あるのではないか。低そうな人でも170センチはありそう。え、本当に巨人の世界なの?

「あれ?動物は??」

疑問も声に出てると、呆然としてしまい、こちらを見つめる人達を眺める。

「?……ああ、俺達は獣人だから、人型、獣型をとることが出来る。お前を脅えさせないように、全員人型をとっている」

「獣人?人型?」

瞬きを繰り返す様子を見て、漆黒の男性は苦笑する。

「還り人には慣れないかもしれないが、この大陸は獣人が多くを占める」

「……獣人……」

と言うことは、先ほどの動物の大群はここにいる人の形をした獣人。それにしては、髪の色が普通の動物の色彩ではない人達が見受けられるのだが……。

見渡す限り人ヒト人なのだが、なんだか無駄に大きいせいなのと、詰め襟の軍服みたいなのを着ていた。上着は前が開けており裾の長さが膝近くまで、上下黒色で縁取りが朱色のものを着用して、黒褐色のロングブーツを履いている。ほとんどの人たち(?)の容姿が整っているせいなのか、変な圧迫感を感じる。


異世界って顔面偏差値高くないとダメなの?


そうしてキョロキョロすると、淡い金色の髪の男性と視線があった。

肩下まである髪をハーフアップにざっくり縛った感じだが、スッキリとした顔立ちがこれまた美形の部類に入り、一重の切れ長の目で翡翠色の瞳を笑みの形にしている。それで幾分か鋭い一重の印象が和らいで見える。

口角を上げて笑い顔になるとこちらに近づいてきた。

「どーも。還り人ちゃん」


軟派な感じだな。この人。


訝しむ表情が出ていたのか、面白げに顔を近づけた。

なんとなく体を引くと他の誰かと話していた漆黒の男性が振り向く。

「どうした?……ああ、こいつが気になるのか?」

不思議そうな顔で私と一重の男性を眺めるとそう尋ねてきた。

「私は気になりますヨー。だって久しぶりの還り人ですからねー」

にこにこして私を観察するように見つめている。この一重の男性、なんか裏がありそうな感じがする。笑っているのに、探られているように思うからだ。

「可愛い女の子だね、今回の還り人ちゃんは」

褒められているのだろうが、この何日も手入れをしていないボサボサな頭と、ヨレヨレのセーターを見てもそう思うのだろうか。

それよりも気になるワードがいくつかあった。

「還り人??」

私を指しているようだが、転生者とはまた違うのだろうか。あと、久しぶりと言った。と言うことは、それ以前にも自分のような人が居たということ。それも、あまり珍しくもなさそう。危害を加えない、と言うくらいだから。そういう状況に適応している世界なのだろうか。


「あー、還り人って言葉、気になるんだね。それは神殿に行けば、説明してもらえるよ」

何故か一重の人が解説し始める。

「頻繁ではないけど、君みたいな還り人は居るんだよ。だから君たちを保護する体制が出来てるって訳」

うんうん、と一人相槌を打っている。

「ちなみにこの回りにいるのは、君を迎えるための人員。見つけたら、護衛をして神殿、城へと案内するよー」

「えっ!?」

迎えに来てくれた?そして異世界標準装備の神殿、城ときた。どうもそこに向かうのは決定らしい。

で、周囲にいるこの人達は私を護衛するらしいが、人数多すぎない?

「過剰な人員では……?」

呆気にとられ思わず呟くと、漆黒の男性が答える。

「いや、何が起こるか分からないから、ある程度の人数で向かうことになっているんだ」


何が起きるって、この大樹の周辺は平和そのものだから何も起こりようがないと思うけど……。

そういうわけではなさそうです、ね、たぶん。


ここを出たらの話かな。外の世界がいまいち分からないので、何とも言いがたいのだけれど、動物、いや、獣人の世界みたいだから、危険なこともあるのかな。

少しソワソワすると、漆黒の男性がしっかりと抱き抱えてくれる。

「これからの生活は、一度ここを出てからゆっくり考えればいい」

落ち着きなく視線をさ迷わせていたからか、ポンポンと背中を叩きながら言ってくれる。


危害を加えられないことが分かっただけでも、安心材料としてはいいかも。

私を見る周囲の様子伺いは気になるものの、不信感や嫌な雰囲気はない。どちらかと言うと興味津々という感じがする。

「大丈夫そうか?」

問われて、何が?と首を傾げ漆黒の男性を見つめると、ぐっ、と唸り声が聞こえる。微かに男性の目元が赤い。

「えーっと、何がですか?」

次は言葉にして聞き返すと、後ろで一重の人がニヤニヤしている。

「へぇ~。アッシュ、もしかして」

意地悪そうな笑みを浮かべつつ、漆黒の男性、アッシュと言うらしい、の背中を肘で突っついている。

「……キーファ」

少し眉間にシワを寄せてアッシュが一重の男性・キーファを軽く睨んでいる。

「いいじゃないか。これも巡り合わせだよ、アッシュ」

ニヤニヤしていたキーファは、どこか嬉しそうな雰囲気だ。


……なんだろう、何か良いことでもあったのだろうか?


「……ああ、すまない。何が大丈夫かと聞いたのは、これからここを移動するから、大丈夫か、という確認の意味で聞いたんだ」

視線を合わせてアッシュが言うと、ああ、そう言うこと。と理解する。体調でも心配されたかと思った。

「あー、はい。どのみち、どうすればいいのか困っていたので、保護してもらえるなら、有り難いです」


右も左も分からない世界で、ようやく落ち着けそうな場所に案内して貰えるならそれに越したことはない。

あまりに代わり映えのない世界で不安感を煽られ始めていたのでちょうど良かった。

そう答えると、アッシュは頷き、私を地面に下ろしてくれた。彼は後ろに控えている人達に向き合うと声をかける。

「これから帰還する!皆、獣体を取れ!」

通る声で合図をすると、下から煽られるかのような風が吹く。強いが立っていられない程でもなかった。

だが条件反射で両腕で目を覆うと風が収まったのを感じて、腕を下ろし目を開けた。

「うわっ!」

目の前には、見上げなければ分からない程の巨大な動物達が体を震わせながら、体勢を整えていた。

私の前には黒い二本足が……、それも立派な太さの犬?の様な足と爪が見える。やっぱり近くで見ると大きすぎる。この動物、いや、獣人の方達……。


私の知る小説の世界なら、通常サイズの動物か、やや大きめなのがデフォルトだと思っていた。これは規格外だ。見上げると2メートル程の高さの巨大な犬?……ではない?顔がシャープだし、凛々しい。ハスキー犬っぽいが、もしや……。

「……狼?」

三角に尖った耳をピクピクさせて、鼻面をこちらに向ける。瞳が琥珀色。この漆黒の狼はアッシュということだ。

「そうだ。驚かせたか?」

可愛く首を傾げ……てると思う、首をちょっと捻っているから、人でいう首を傾げるでいい筈。

いや、可愛いが、ちょっと、いやかなりデカイから怖い。迫力がある。

「……う、うん。な、なんだか、想像していたサイズより大きすぎて、驚きを通り越してる気がする……」

ビクビクしてしまうのは、仕方ない。あり得ないサイズ感に腰が引けてしまうのだ。そして、狼なのに喋ってる。動物の声帯から普通は人語は喋れない。これも異世界の不思議なのだろう。


もふもふ、好きだけど、将来的に犬か猫を飼いたいとは思っていたけど、ここまで巨大だと、可愛いというより、雄々しい……。


ハハハ、と軽い笑い声が聞こえ、アッシュが笑ったようだ。私の目が驚きに見開かれたまま感想を言ったのもあり、おそらくこの反応は珍しくもないのだろう。当然の反応というように受け止めているようだ。


そりゃ、驚くでしょ、このサイズの動物が現れたら。回りを見渡せば、色違いの狼、たぶん犬もいる。狐、豹もいた。普通のと言っていいのか、色も私の世界で見る毛色もあれば、朱色や緑、水色もいたりする。


「はぁ……、本当に異世界なんだ……」

改めて、自分が住んでいた地球とは違う世界に来てしまったのだ。あり得ないことが、この世界では普通なのだ。自分の感覚では追い付かない、未知の世界。

小説の読んでいた異世界転生?それに対して、ワクワクと楽しみにしていたのもある。

しかし実際自分が体験するとなると、不安な気持ちが隠せない。これからどうなるのか予測もつかないし、姿形が変わってしまったのもあって落ち着かないのもある。期待半分不安半分、と言ったところか。

呆然と眺めていた間にアッシュは指示を出していたようで、誰かを呼ぶ声で我に返る。

「カイルア、ちょっと手伝ってくれ」

トットットッと誰かが走り寄る音が聞こえる。

アッシュが少し横に避けると、そこに巨大な白熊が。

「く、熊……」

こんなに巨大なのに、視界に入ってなかった!

前足を少し重ねた座り体勢で、私の呟きを拾ったのか、キレイな青い瞳でこちらを見つめながら、ん?と首を前に出した。

「か、可愛い……」

凶暴な筈だが、大人しいのと、牙を見せていないためか、毛艶のよい大きな白熊がぬいぐるみの様に見える。

オマケに青い瞳を瞬かせて、キュルンと見つめるから余計に可愛く見える!

うわぁー、とちょっと頬を染めて白熊を見つめていると、また愉快そうな笑い声が。

「ハハッ。こりゃ、アッシュ、ライバルがカイルアになりそうか?」

声からするとキーファだ。声のする方へ顔を向けると、そこにはこれまた巨大な狐が。淡い金色のフワリとした毛並みでモフリがいがありそうだ。ゆらりと太い尻尾を揺らしてこちらに近づいてきた。

「あぁー、それっぽい」

あのなんか探られている胡散臭さが、キーファぴったりの動物で納得の声が漏れでる。

「ん?どういうことかな?」

グイッと狐顔を近づけられると体が反ってしまう。

「え、えぇーと」

誤魔化すように笑いを浮かべるとジリジリ後退した。

それに合わせてキーファも近寄ってくる。思わず鼻面を両手で押し返すとふふふ、と楽しそうに笑う。

「まあ、いいさ」

顔を戻すと、尻尾でアッシュの顔を撫でると白熊の後ろに控えた。

顔を撫でられたアッシュは嫌そうに頭をふると、改めて白熊に言葉を掛ける。

「カイルア、悪いがが彼女を俺の背に乗せてくれないか?」

それに白熊は無言で頷くと、小動物を前にしたかの様にソロリ、ソロリと私に近づいてきた。たぶん怖がらせない為なのだろう、ゆっくりとした動きで私の前に立つ。

上体を少し屈めると、両手を私の前に差し出した。

「…………。出来る限り優しく掴むつもりだが、痛かったら教えてくれ」

これまたいい声だ。アッシュよりも低い、響く声で囁くように言う。怖がらせない配慮をこの白熊・カイルアはしてくれる。この人は見た目に沿わず優しい人なのだろう。自分が大きいこと、強いことを分かっていて全ての動きをゆっくりとしてくれる。

頷くと、両脇に前足を差し込もうとする。私はやり易いように両腕を上げた。すると鋭い爪で体を傷付けないように気を付けてくれている。グッと脇を支えられると体を上に持ち上げた。それに合わせて、アッシュは体を伏せると乗りやすいように、頭を下げる。

首近くに私を下ろすとカイルアはゆっくり両腕を外してくれた。フワッとした漆黒の毛並みは思ったより柔らかく、触り心地も良かった。

「しっかりと毛を掴んでくれていい。痛くないから」

恐々と毛並みを触っていたからか、くすりと笑ったアッシュがそう告げる。

「立ち上がるから、しっかり掴まないと落ちるぞ」

それはいかん、掴むよごめん!と心で謝罪しながら毛をしっかりと掴んだ。それを合図にアッシュはゆっくり立ち上がった。

グラリ、と体が揺れたが、何とか太ももに力を入れて落ちないように気を付けた。その時に毛を思いっきり引っ張ってしまったが、アッシュは気にも留めていないようだった。


そこから見た景色が、高い!


そして、周囲の獣人達がこちらを見つめて、指示を待っているようだった。

「出発!」

号令と共に、アッシュ達が一斉に走り出す。

おそらく、来た経路を引き返している。黄色の苔が目の端を流れていく。そこで、自分の視界が揺れていないことに気付く。

「あれ?風圧を感じない?」

結構なスピードで走っているのにも関わらず、揺れもしなければ、風が顔に当たらない。フワリとした漆黒の毛並みが頬と体を触るだけ。

「魔力で保護してるから、大丈夫だ。眠りたければ寝ていても良いぞ。まだしばらく走るから、休憩する野営地までに時間がある」

疑問に答えるように、アッシュが教えてくれた。

ま、魔力!異世界!

うわっ!と喜びで頬が紅潮するのが自分でも分かった。

「私にも魔力あるかな……」

ポツリと呟くと、それも拾ってくれたアッシュが楽しそうに笑う。

「それはこれから行く、神殿で調べてくれる」

「そうなんだ……。楽しみ」

うわぁうわぁとウキウキしているのがアッシュに伝わっているのか、笑い声が続いていた。

「少し距離があるから、お前は休んでいろ。着いたら調べることや知ることもあるしな。落とさないから安心しろ」

落ち着け、とでも言うように、アッシュから説明される。それなら、静かにしていよう、と体をアッシュの首筋に伏せた。

「わかった、ちょっと休むね」

フワフワした根元の柔らかい毛に頬を当てながら、暖かな温もりと、アッシュから香る少し甘く爽やかな香りに包まれて、ゆっくり目を閉じた。

この数時間で、衝撃的な出会いやら情報、全力疾走したのもあり、体は疲れていたようだった。精神的にもホッとしたのもあって、眠りに付くのも早かった。

とりあえず、保護はして貰えたので気を緩めることが出来たのだった。



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