76 おまけ 猫の日
猫の日ネタです
なんかよく分からないが、今日は猫の日らしい。
そんでもって、最近飼い始めたキジトラ猫を撫でていると、ミユが頬を膨らませてご立腹の様子。
「クラタん、その子ばっかり可愛がってズルいにゃ!! アタシだって猫にゃ!! 可愛がってにゃ!!」
せっかく見た目は大人っぽくなってきたのに、色々残念な子である。
仕方がない。ミユの頭を撫でてやるか。
「むふふ~。やっぱりクラタんに撫でられると嬉しいにゃ~」
ミユさんや。猫を押し退けてまで撫でられるとか、ちょっとどうかと思うぞ。
「クラタんの膝の上はアタシの特等席にゃ!」
ここまで言い切られると、流石に何も言い返せない。
そして、そのまま丸まって寝ないでほしいぞ。周囲の視線が厳しいのだよ。
「ぐぬぬぬぬ……!! 私だって獣人なのに、ソウジ様に可愛がってもらえないなんて不公平です!!」
フィルデよ、別に獣人が云々という話じゃないのだよ。
「わたしはリスの獣人ですけど、猫じゃないとダメ……ですか?」
ぐぬう! マナシエよ、そんな上目遣いで見つめるとか卑怯だぞ!!
というか、そんなスキルをいつ覚えたんだ!?
「マナシエちゃん、その調子よ~。下から見上げるようにすれば、ソウ君もイチコロだから~」
……ルネイアナが犯人だったか。
こいつは後でアイアンクローの刑だな。
「そうよねー。ソウジったら、最初から獣人が好きだったのよねー。そりゃ最優先でマナシエちゃんとフィルデを奴隷から解放する訳よー」
リグミナよ、人聞きの悪い事を言わないでもらえないかな?
俺は亜人も好きだぞ。
「じゃあ、クラタさんが私に構ってくれないのは、私が普通の人間だからなのですか!?」
別にアイニを放置してる訳じゃないぞ。
節度を持って接しているだけだぞ。
「そうか、分かりました! おとうさんが私達に思いやりが無いのは、ケモ耳が無いからだったのですね!!」
おーい、エーシャさん?
思いやりが無いとか言わないでもらえないかなあ。
「なるほど。ソウジが我になびかないのは、ケモ耳が足りないからであったか……」
ガイラさんよう。
俺はあなたの角と尻尾も好ましいと思ってるぞ。
「待ってください! それだとおかしくないですか!? 私だって狼の獣人ですよ? なのに、ソウジ様は構ってくれません!!」
いや、それはフィルデが色々重いからだよ。
俺はミユみたいなマイペースがいいんだよ。
「わたし、分かっちゃいました」
マナシエは何が分かったのかな?
「やっぱりクラタさんは、猫耳がお好きなんだと思います。現にミユお姉ちゃんの他に拾った猫も可愛がっていますし……」
ミユはともかく、猫は普通に可愛がる存在だろうよ。
「だとすると、私ってば猫以下の存在なの!? ソウジは動物性愛者だったのね!!」
リグミナもアイアンクローの刑な。
「リグミナさん、それは本当なのですか!? だとしたら、普通の人間の私なんて最初から勝ち目なんて無いじゃないですか……」
アイニも変な事を信じなくていいからね。
「ふーん。だったら、今度はソウ君の夢の中で獣人に変身してあげようか~?」
ルネイアナの提案は嬉しいけど、周囲の視線が大変な事になってるので、自重してくれないかなあ。
「思いつきました。おとうさんがそう願うのなら、猫耳を生やせばいいのですよ!!」
「エーシャよ、いきなり何を言い出すのだ? 頭は無事か?」
ガイラさんの言う通り、エーシャは乱心したのだろうか?
「姉さん、失礼ですね!! そういう薬があるのですよ。これで私も猫耳美少女になれます!!」
いやあ、美少女って年齢なのかなあ……。
「あ、それちょっと気になるかも! エーシャ、私にもその薬ちょうだい!」
「リグミナさん、抜け駆けなんてズルいですよ! 私にもください!」
リグミナとアイニは勇気があるなあ。
「そんなのあるんだ~? だったら、私もその薬が欲しいな~」
ルネイアナもかよ!?
「エーシャ殿、その薬は私達にも効果がありますか?」
「私、ミユお姉ちゃんに憧れていました!」
フィルデとマナシエも何を言い出すんだ!?
「もちろん、皆さんに効果がありますよ。姉さんもどうですか?」
「ならば、我もいただくとしよう」
これ、絶対にろくでもない展開になるだろうなあ。
もうどうなっても知らんからな。
そんなこんなで、お嬢さん方が全員エーシャの薬を飲んでしまった。
そして、見事に全員が猫耳と尻尾の生えた獣人の姿になっている。
……これはこれで、アリかもしれない。
「ふ、ふおおおおおおお!! なんだか力が湧き出ますにゃ!」
フィルデが新たな力に目覚めたみたいで興奮している。
しかし、猫耳になるだけでこうも印象が変わるのか。
「わあ、なんだか自分の耳じゃないみたいですにゃ」
マナシエも姿見の前で新たな自分の姿に喜んでいる。
うむ、大変に可愛らしいぞ。
「へえ……獣人って初めての経験だけど、こんな感じなるのにゃ」
「な、なんだか尻尾の辺りが落ち着かないですにゃ」
リグミナとアイニも満更ではなさそうだな。
「にゃんにゃん♪ ソウ君~私って可愛いにゃ?」
流石のルネイアナである。
もう猫耳を自分の物にしてやがるな。
「姉さん、私達も負けていられませんにゃ」
「ああ、我らも立派な猫耳になってやったにゃ!」
エーシャとガイラさんは、なんか違和感あるなあ。
それはそうと、何故全員が語尾に『にゃ』がつくのだ。
「さあ、ソウジ様! 私を猫可愛がりしてくださいにゃ!」
「えっと、わたしは撫でてくれると……嬉しいですにゃ」
早速フィルデとマナシエが甘えてくるし!
「あー! ずるーい! 私だってソウジに甘えちゃうんだからにゃ!」
「わ、私だって、クラタさんに甘えさせてくださいにゃ!!」
リグミナとアイニのそれは破壊力が凄まじいぞ……!
「ソウく~ん! リアルでも、にゃんにゃんしちゃおうにゃ~」
ルネイアナのは本当に洒落になっていない。
案の定、エーシャとガイラさんが怖い顔で詰め寄ってくるし。
「ほほーう、おとうさんったら、そんな破廉恥な事をしていたのですにゃ?」
「ミユ一筋では無かったのか!? 我がお仕置きしてやるにゃ!!」
これは流石にマズい! 他のお嬢さん達も迫ってきた。
しかし、俺の膝の上ではミユが気持ちよさそうに寝ている。このままでは逃げられない。
ここで無理に退かせたら可哀想だ。
「ミユ、悪いけど少し退いてくれると嬉しいなあ……」
「むにゃむにゃ……クラタん、ドンマイにゃ……」
流石のマイペースミユである。
そんな訳で、俺は無事に猫耳軍団に揉みくちゃにされたのであった。
猫の日って恐ろしい……。
こうして恐怖に震えながら昨日の事を思い出していると、キジトラ猫が膝の上に乗ってきた。
「うにゃあ」
撫でろと言っているらしい。
優しく撫でてやると、すぐに気持ちよさそうに寝てしまった。
うむ、やっぱり猫って最高だよな。




