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転生するっぽい(仮称)  作者: デフォルトの蝉
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1話 死からの転生

俺の名前は渡辺陽翔(わたなべはると)。ただのサラリーマンだ。勤めてる会社は別にブラックでもなく、給料が低い職種なわけでもない。他人に押し付けられた借金があるわけでもない。


本当にただのサラリーマン。そんな俺には悩みがある。それは日々が退屈であることだ。毎日毎日出勤して、スマホを見て、ラノベを読んで、同じことの繰り返し。そんなもんだと自分に言い聞かせても退屈なものはやっぱり退屈だ。


そんな退屈をなんとかするために明日から有給を一日取って、土日合わせて二泊三日の旅行に行くことにした。有給の理由はもちろん「私用のため」。


「よし、準備は大丈夫なはず…多分」


キャリーケースに詰められた荷物を眺めてそう呟いた。時計は22時を指している。


「明日は早いし、もう寝るか」


ベッドに横たわり、目を瞑る。旅行なんていつぶりだろう…明日は楽しみだな……。そうして眠りについた。


__________________________________________


ベッドと接してるはずの部分がやけに硬く感じる。目を開くと真っ白な天井が目に入った。体を起こしてみるが、天井だけでなく壁も真っ白だ。いつもは悪いはずの寝起きの意識がショックでやけにはっきりしている。


「……は…?どこだよここ…」


「現世と死後の世界の狭間ですよ。渡辺陽翔さん」


後ろから突然、声がした。びっくりして急いで後ろを向く。そこには白く光る球体がいた。…見えづらっ


というか狭間?何を言ってるんだこの球は。俺は昨日トラックに轢かれたわけでもしなにもなかったぞ。イタズラか?スピーカーだろうか、この球は。


「イタズラではありません。あなたは死にました。就寝中の脳梗塞で」


心を読まれた!?てか脳梗塞?イタズラにしては手が込みすぎている気が…


「だからイタズラではありません」


急に足元に何か落ちてきた。見ると、フィギュアだった…毎朝鏡で見ていた自分の姿の。普通はこんなことありえないし、信じてもいいのかも知れない。あー…だったら俺は本当に死んだのか。寝てる間だったから実感ないな。


「これで信じていただけましたか?話を進めても?」


「……あなたはなんなんですか?」


「自己紹介を希望ですね。私は異世界転生の案内人です。見ての通り、案内人(・)ではありませんがね」


…異世界転生。ラノベの題材で親の顔より見た言葉だ。頬をつねってみる……痛い。


「なんで転生を?」


「これには魔力というものが絡んでいるのです。魔力はあなたの想像しているものだと思っていいですよ。

各世界には必ずと言っていいほど、魔力を一定のペースで無尽蔵に生み出す炉があります。これによって世界には魔力が満ちているのですが……あなたのいた世界ではその魔力は全く使われていません。そうすると世界の魔力濃度が高まりすぎてしまうのです。そうすると最悪の場合、世界の崩壊に繋がってしまいます。それを防ぐために定期的に人間の魂を触媒にして溜まった魔力を魔力の使用量が多い別世界に触媒ごと送る、といった理由です。ちなみにあなたが選ばれた理由はたまたまです。そして拒否権もありません」


おい、最後なんつったこいつ。まぁ断らないけど。死んだことは残念だがうじうじしていても仕方がない。異世界転生か…ただの旅行よりも退屈をしのげそうだ。


「それって逆に別世界から魔力が流れてきたりしないんですか?」


「しません。干渉できるのは一方通行なので」


へー


「では、詳細について話しますね。あなたの行く世界はいわゆる剣と魔法の世界です。そして、保証期間があります。生後3年以内に死んだ場合は一回のみ、転生し直せます」


「おぉ…」


魔法…使ってみたいなぁ。


「では準備を進めますね。転生先の種族はどうしますか?」


「え?種族を選べるんですか?」


「はい、選べます。前世とはかけ離れすぎた種族にはなれませんが。地球でいう哺乳類のような生物の中か、獣人族などの人類に分類される生物の中から選べますよ」


結構自由度高いな。獣人族か。エルフとか鬼人とかもいんのかな?なんになろうか…人類以外も興味はあるが、さすがにきつそうだな…。


「保証期間もありますし、人間以外を選ぶのも全然ありだと思いますよ。狼とかどうですか?群れで暮らすことになりますしオススメです」


うーん……球体の言う通り、保証期間あるから一回死んでも大丈夫なら、人型以外を体験してみるのもありか。人間同士なら24時間集団生活とか無理だけど狼なら大丈夫だと思うし。


「はい、じゃあ狼で!」


「わかりました」


「…チート能力とかってあったりしますか?」


「ないですが転生者は必ずなんかしらの才能があるので安心してください」


安心できるか。これで才能が丼を手で左回転させる才能とかだったらどうすんだよ。まぁでも、保証期間と種族選択でもうチートみたいなもんだしな。いっか。


「転生先の場所や狼の厳密な種族はこちらで調整します。では第二の生をお楽しみください」


そうすると俺は白い光に包まれた。あ、感謝しとこ。


「ありがっ」


一瞬の浮遊感と不快感の後、スイッチが切られたかのように意識が途切れた。




要約


渡辺「人生退屈すぎ」

寝る。

球「お前死んだ。転生しろ」

渡辺「よし、狼になるんやで!」

球「はよ行け」

____________________________________________

主人公の名前は厳正なWebルーレットで決定しました。

ちな、苗字の候補は

佐藤、渡辺、林、山崎、藤田あたりで

名前は

陽翔、亮平、恒一、晃、蓮、悠人でした。


ハルトって…なんか陽キャっぽい気がする……自分だけかな?

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