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二大魔王~魔王の護衛をしていたらいつの間にか俺も魔王として生きていくことになったので二人で世界を救うことにしました~  作者: Mini
プロローグ

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1/23

魔王と、護衛

『お前はずっと、俺の護衛であり……友だちだ』


────────────────────


この世界は、3つの世界から成り立っている。

現界げんかい……魔力もエナジーも、何も無い。人間と言われる種族しか存在しない世界。いわゆるニュートラルな世界だ。平均寿命は80歳前後とされている。ここでは何不自由なく人々が暮らし、幸せな日々を送っている……らしい。魔王様いわく。


天界……天使族や上位種族と呼ばれるものたちが住む場所、狐族や妖精……エルフと呼ばれるものたちが住む世界。主にエナジーを体に宿している。そのエナジーを利用して戦闘をする。平均寿命は5000〜1万。とされているが、バラバラなので平均もクソもないらしい……魔王様いわく。


そして我らが住む魔界……ここでは獣族や吸血鬼、わる〜い奴らがうじゃうじゃと住んでいる。魔界の奴らは魔力を体に宿し、それを利用し生きている。現界とは有効な関係を築いているらしいが天界の人達とはあまり上手くいっていない。平均寿命は1万くらい……らしい。魔王様いわく。


「……って、なんで最後に魔王様いわくって言わないといけないんですか?」

「だって、不確定要素を断言できないだろ?」

「確定してから話してくださいよ……」

「まぁそんな硬いこと言うなよ。そんなことよりさ、今度の現魔天会議で俺出るんだろ?お前も護衛だから来てくれるよな?」

「そりゃまぁ……当然ですよ」


この見るからに子供……のような喋り方をしている人が現在の魔界の魔王様。ルーナ・サタン・ヘラニカ。勘違いしない方がいい。この人はちゃんと強いしちゃんと魔王様だ。普段はこんななりだがちゃんとしないといけない場所ではしっかりと魔王様って感じの姿になる。省エネってやつだな。

そして、少し聞いて驚くかもしれないが俺は現界の……普通の人間、燈俊介あかり しゅんすけだ。先程も言ったが魔界と現界は有効な関係を築けている。2歳の時に俺はたまたま拾われ、そこから魔王の護衛として今も魔王様の隣にいるわけなのだが……


(別に、魔王の護衛をしていると言うより友達って感じに近いんだよなぁ)


……そう。これといって魔王を守ったことは1度もない。護衛という理由付けで魔界に来たけどやっていることは──────────


「おい見ろ!シュン!」

「……なんですか?」

「この漫画の主人公!俺たちみたいですげぇカッコイイぞ!!!」

「そうですか、それは良かったですね」

「……シュン、そんなクローゼットなんか漁って何をしているんだ?」

「何って、現魔天会議の服を決めてるんですよ」

「服って……いつも魔界の会議をする時とかみんなの前に立つ時の護衛の服でいいじゃん」

「まぁ、あれもいいですけど別々の世界の会議なんてそう滅多にないことです。ですからこういう時用の服をですね……」

「俺が決めてやろうか?」

「絶対にいいです」

「……ちぇっ」


そんな日常会話をしながらクローゼットを漁っていると扉が開く。


「シュン様……以前言っていた服が届きました」

「ほんとですか!!よかったぁ……間に合わないと思ってたから急遽服決めようと思ってたけどちょうどいいや!」

「よかったですね。1度着てみますか?」

「そうだな……出してくれるか?」

「かしこまりました」


魔王直属のメイド……そして俺のメイドでもある。彼女に礼を言いながら出された服装に俺は袖を通す。そしてそれをきょとんと見つめる魔王ルーナ。

魔王ルーナの見た目は白髪で右目が紫色の目。左の目は緑色でその瞳の中には十字のようなものが入っている。身長は50センチほどで宙に浮いているが戦闘時や大事な場面ではしっかりと魔王の姿になる。


「よし、こんな感じかな〜って、なんか魔王様より目立ちません?これ」


ねずみ色のズボンに上は白のTシャツのようなもの。そしてその上から黒色のローブとマントの間のようなものを羽織り鏡を見ながら慌てふためく俊介。

俊介が着ている服を見るなり嬉しそうにして近づきながら肩をポンポンと叩く魔王様。


「お〜!シュン!めちゃくちゃかっこいいぞ!」

「だから……魔王様より目立つのは────」

「よいではないかよいではないか!ズボンには耐久性を上げる特別な布、白Tには魔力とエナジーを反射させる特別製、そしてなんと言ってもこのマント!」


目をキラキラと輝かせながら説明する魔王ルーナを見ながら俊介は軽く肩を竦めながらも……


(ま、こんだけウキウキしているならいいか)


そう心の中で独り言つ俊介。


「あ、そういえば魔王様」

「ん?なんだ?」


黒色のマントのようなものを外しながら質問をする俊介。


「なんで魔王様は俺を護衛に選んだのですか?」

「……言ってなかったっけ」


ペラペラと先程読んでいた漫画をめくりながら話す魔王様。


「言ってないですね。今まで俺はあなたの隣にいただけで護衛という護衛はしていなかったですし」


俊介は軽く苦笑いを浮かべながら気まずそうに話すが、魔王ルーナはこれといって何も気まずそうにしず、当たり前かのように口を開いた。


「いいや、護衛してくれたよ。たくさんね」

「……?」


ルーナの言葉に俊介は首を傾げながら考え込むようにするのだが─────


「ま、現魔天会議の時にわかるよ」

「……そうですか」


疑心暗鬼になりながらも返事をしてそれ以上の会話はなかった。


「それじゃ、俺少し用事があるので何かあればすぐ連絡ください。」

「あ〜い」


空中に浮きながらもポフポフと音がなってもおかしくないくらい足をパタパタとさせ返事をしながら見送るルーナ。扉がバタン……と閉まるのを確認して読んでいた本からひょこっと顔を出し……


「意外と……すぐだったな」


────────────────────


そして、現魔天会議当日。

魔王の部屋の扉を開こうと手をかざす俊介なのだが……


「おいちょっと待て!」

「?……どうしました?」

「まだいつものをやってないぞ」

「……まだやるんですか?」

「当たり前だ!これはお前と俺が出会った時からずっとやってるやつだろ!」


今から大事な会議があると言うのに……とは言わず軽いため息をつきながら俊介は魔王の近くに寄り、右手を前に出す。


「そんじゃ、行くぜ!相棒!」


50センチほどの身長から俊介をやや抜かし……180センチほどの慎重に返信しながら互いの手を叩きあう。


「……行きますか!」


そう言って魔王の部屋を開ける……すると赤いカーペットがひかれ、左右にはずらりとメイドが並んで立っていた。そしてその先には現魔天会議に繋がる扉があり……


「行ってらっしゃいませ。魔王様。俊介様」


綺麗にハモる声が耳を通り……いつ聞いても綺麗だなと感心する俊介とまだかまだかとワクワクさせる魔王ルーナ。


(現魔天会議で話す内容は事前に決めておかなくちゃならない。本当にこっちはこれで良かったのだらうか)


決まってしまったからには仕方がないと思いつつも、もっと別の……良いものがあったのではと思考を張り巡らせる。



現魔天会議の前日。


「現魔天会議では何を話されるのですか?」

「ん?決めてないけど」

「はい?」


まさかの返答に俊介は目を丸くさせパチパチしながら……


「決まってない?」

「うん」


魔王ルーナも「なにか悪いことでも?」と言いたげな表情で俊介を見つめる。


「一応……会議なんですよね?」

「そうだな」

「なら、会議の内容くらい決めておかないと……ちなみに前の会議は何を話したんですか?」

「現界との関係……についてだっけな?確かそこから友好的な関係になった気がする」

「気がするって……」


視線を空に彷徨わせながら話すルーナに対し俊介は溜息をつく。


「それじゃあ天界の人との関係を友好にするというのはどうでしょう?」

「そりゃ無理だな」


食い気味に答える魔王……その理由を聞こうとする俊介だったが魔王ルーナは淡々と話し出していた。


「魔界と天界は昔から仲が悪い。これはもうこれから先も揺るがない事だ。だが現魔天会議の時は互いがきちんと対等として話す……はずだった」

「はずだった?」


歯ぎしりを立てながら拳を握る魔王ルーナ……俊介は首を傾げながら問うのだが……


「天界のやつら!俺をコケにしやがったんだ!」


身長50センチの魔王ルーナのまま、プンスカとしているのだが……その光景は俊介からすれば子供が母親におもちゃをねだる時のような……駄々っ子感にしか感じられなかった。


「何をされたんですか?」


ここまで来たら聞かないのも失礼かと思い、その内容を聞いた。

すると魔王は顔を軽く赤面させ、両拳を握りふんふんと振りながら答える。


「あいつら!俺が通ってくる扉の下にバナナの皮をひいて俺を転ばせ恥をかかせたんだ!」

「しょうもな」


なーんかしょうもない事だろうなと読めてはいたので先置きの感覚で言葉を置いたのだが……案の定だった。

ほんとにしょうも無さすぎてこれ以上何を言えばいいのか分からなくなっていた俊介だったが……


「以上この理由により魔界は天界と仲良くするつもりは一切ないって訳だ!」

「魔界じゃなく魔王様がじゃないですか」


やれやれといいながらその言葉を返す。


「ですが天界の人達は意外と仲良くしたいのかもしれないですよ?」

「フンっ、してやるもんか!」


プイッと顔を横に振りながらも魔王はハッとした顔になり、人差し指を立てながら提案をする。


「なら、明日の現魔天会議……こちらから議題を出すのは現界の漫画について!これならいいだろ?」

「何言ってんですか」

「ほら!漫画が世に出る前に先に魔界に送ってもらうという内容だ!」

「それはちょっと気になるけど!!ダメじゃないですか?」

「え〜なら……これからも現界と仲良くしたいです的なのはどうだ?」

「それはいいとおもいますよ」

「じゃあそれで!」

「じゃあって……」



とまぁこんな感じで決まってしまい、本当にこれでいいのかと悩む俊介であった。

そして、開かれている扉につき、足をまたごうとして……


「……バナナの皮がありませんように!」

「ないですよ。」


余程嫌だったのか、足をビクビクさせている魔王。


「分かりました。俺から行くので着いてきてくださいい。」

「わ、わかった。すまんな。シュン」


なんの躊躇もなく足を跨ぎ、扉の中へと入っていく俊介。

すると────────


ドカンッ!!!!


「ゲホッゲホッ……マジか」


バナナの皮……では無い。扉をくぐった瞬間上空からリンゴのようなものが降ってきてすぐ黒色のマントをバサッと上にあげ防いだ。


「大丈夫か!シュン!」


爆発音が聞こえたのかすぐルーナが俊介の元に駆け寄る。


「……ええ。なんとか」


りんごが降ってきた上を見上げる俊介なのだが……耳元で囁かれる。


「お前があの噂の魔王の護衛か」


寒気のようなものが全身を覆い、すぐさま振り返るのだが……そこに誰の姿もなかった。


(扉もない……ってそうか、俺たちが来たからこの会議が終わるまで出現しないのか)


心の中で軽い状況整理をしていると────


「おい、うちの護衛によくもやってくれたな」


今までのような優しい魔王ルーナの声ではなく、魔王らしさ全開で紫と黒色の火花がバチバチとあげながら話す魔王。


「おいおい、そう怒らないでくれよ。こっちはお前たちと話すのを楽しみにしてたんだぜ?」

「嘘つけ!」

「ほんとさ……お前の私情で話す機会が現魔天しかないだろう?」

「てめぇらと仲良くする義理はない」

「でも、護衛の方は違うのだろう?」

「……?」


どうして分かるんだ?と思ったのも束の間……


「おっと……すまないね。私たち天界人は相手の心が読めるんだよ。と言っても、魔界の奴らは魔力を込めてそれを阻むがね」

「そう……ですか」


この時……気づいた。

周りをよく見渡せば、現界、天界の人達にも護衛が着いている。けれど……燈 俊介への警戒が尋常じゃなかった。


(なんで、魔王様への警戒ではなく……俺の警戒が強いんだ?)


「教えてあげようか?」


天界の人が口を開くと魔王ルーナは怒りを顕にしながら……


「ざけんじゃねぇ!これは俺が見つけたんだ!俺の友達だ!誰にもあげねぇよ」

「魔王様?一体何を……」

「シュン……すまなかったと、思ってる」


急な展開に何もついていけない俊介。しびれを切らしたかのように天界人が口を開いた……のと同時に魔王が勢いよく天界人に接近した。

天界の護衛の剣が魔王ルーナの拳に当たり、ガキンッという音が響く。


「邪魔だ……三下」

「この剣は魔王である貴方様でも突破することは───」


バキンッ……と剣が折れ、紫色の禍々しい魔力が天界人の護衛を襲った。


「るせぇ……死ね」


塵となって消えていく天界人の護衛……そして、その数秒前にその真実が俊介に明かされた。


「君は、魔王ルーナの後継者、なのだろう?」

「はい?何を言ってるのかさっぱり──────」

「もっと明確に言おうか……君の強さは魔王ルーナを超えているんだよ」


そう言いながら走り接近してくる天界人、俊介は咄嗟にマントを広げ対応しようとするが……天界人の拳がマントの能力を貫通し腹部に直撃する。


(嘘だろ……なんでも跳ね返すマントだぞ!?)


だが、もろにくらってしまった攻撃なのに、倒れる所かふらつきもしない俊介。


「……?どうなってんだ?」

「君は現界の人間でありながら、魔王の直属護衛として14年間務めてきた。そして……君は魔王ルーナと契約してしまったんだよ」

「……契約?」


天界人の護衛を倒したルーナがその場で口を開く。


「俺は、あれが契約だなんて思わなかった。お前と何かある度にやっていたハイタッチ……あれがトリガーだったんだと思う」

「……ハイタッチ」


(あれか!?)


『そんじゃ、行くぜ!相棒!』


あの行動が、契約に繋がっていた……ということなのか?でと一体なぜ……


「その理由は簡単。君が現界人で魔王が魔界人だからだ」

「そんな話……信じるわけ」

「本当だよ。シュン」


何かを諦めたかのように、目の下に影を作りながら話す魔王ルーナ。


「俺の魔力も……ほとんど残っちゃいない。その魔力はお前が持ってる。俺ができることといえばこの魔眼くらいだ」


そう言いながら十字の入った左目に指を指す魔王ルーナ。


「お前を護衛に選んだ理由が……この会議でわかるって言ったよな」


俊介は固唾を飲み込みながら軽く頷く。


「護衛に選んだ理由はシンプルで、シュンと友達になりたかったからだ。だがお前とハイタッチをして行くうちに俺の魔力は吸われ、次第にお前は俺を上回った。だから何かある度に周りの奴らは俺ではなくお前を警戒していた。」

「要するに、魔王が二人いるって状態だからね」


天界人の補足もあり……ようやく理解することが出来た。


「ということは……この会議は─────」


俊介がそう言葉をこぼした時……奥で座っていた現界の長が話し出す。


「そう……もう一人の魔王誕生についてと今後の私たち(現界と魔界)の関係についての話をしに来た」


(まじかよ……ってことは俺のせいでぐちゃぐちゃになってるってことかよ!?)


予期せぬ出来事でパニックになる俊介……その方を軽く叩く魔王ルーナ。


「落ち着け。まずは席につこうか。」

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