22話 火魔法の連打は禁止です2
訓練場。
若手火魔法部隊。
整列。
不満。
「連打は禁止だそうです」
「弱くないですか」
「勢いが消えます」
沈黙。
メウラが前に立つ。
「出力を制限します」
ざわめき。
「何割だ」
「七割です」
「三割減!」
「弱い!」
サイクロプスが低く言う。
「削るのか」
メウラ。
「削りません」
「均します」
沈黙。
「一刻三発まで」
「発射間隔、十呼吸」
「呼吸?」
「はい」
若手が顔を見合わせる。
「数えるのか」
「一、二、三」
「十まで?」
「長い」
試験開始。
敵的。
若手が構える。
「撃て!」
炎。
七割出力。
以前より小さい。
「弱い!」
「当たらない気がする!」
「十呼吸!」
「長い!」
九。
十。
二発目。
炎。
まっすぐ。
三発目。
的を正確に焼く。
沈黙。
参謀が数字を確認する。
「命中率、上昇」
若手が眉をひそめる。
「偶然です」
別部隊。
同条件。
七割出力。
十呼吸。
的が次々に焼ける。
誤射なし。
味方焦げなし。
沈黙。
サイクロプスが腕を組む。
「弱くなったのでは」
参謀が即答する。
「強くなっています」
沈黙。
若手が言う。
「でも派手さが」
「ありません」
メウラが言う。
「炎は派手でなくていいです」
「当たればいいです」
一人がぼそり。
「ちょっと物足りない」
別の者。
「……怒らない」
沈黙。
「腹が立たない」
「おかしい今日は誰も火が小さいと言ってこない」
十呼吸。
炎。
十呼吸。
炎。
静か。
一定。
夕方。
報告。
「魔力消費、二割減」
「誤射ゼロ」
「若手の口論、ゼロ」
玉座の間。
魔王が言う。
「炎は強い」
メウラ。
「はい」
「だが、間のある炎は、さらに強い」
外で号令。
「一発!」
沈黙。
「間!」
「二発!」
炎は暴れない。
若手の機嫌も荒れない。
サイクロプスが低く言う。
「……静かだな」
参謀が答える。
「整っています」
炎は、小さく。
だが、確実に焼いていた。
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