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為になるようで為にならない、少しだけ為になる被災者ガイド

ここまで走り書きでごめんなさいねぇ。

本当ならジャンルごとに分けたりして、もっと読みやすくすべきなんだが。

さてさて、これまで為になるんだかどうか分からない事をぐだぐだと書きつづってきたぜ。

役に立ちそうかい?そりゃ良かった。

役に立ちそうもない?そう思うのによくここまで読んだね。

だがな、はっきり言っておくぜ。

最初にも言った通り、これはただの情報に過ぎない。何かあった時にぱっと思い出せる程度の、ちょっとだけ便利な情報だ。

これを上手に使ってあんたの被災後の生活を助けるのは、他の誰でもないあんた自身だ。


何、難しい話じゃない。そうだな、こう言い換えてみよう。

あんたは貯金をしている。そりゃ何故って、将来への蓄え、病気・事故なんかに備えて、ちょいと余分に貯金をする。

普通の事じゃないか。

それと同じなんだよ。災害ってのは病気や事故と同じで、『いつ、どこで』起こるか分からないもんだ。それに普段から備えるってただそれだけ。お金と違って物資はかさばるから、ちょっと大変だがね。


自分の家で被災した事を想像してごらん。そこから何週間、何ヶ月にも渡る被災後生活が始まるんだ。

戸棚には何が入ってる?食糧はどれくらいあったっけ?水は?これ崩れてきたら危ないな。

何せ基本、家の中にある物で戦って行かなきゃならない。

ゲームのように、誰かが用意してくれた『奇跡』なんて、まず起こらない。

自分が用意した物だけで始まるんだ。

だから、準備万端、「強くてニューゲーム」をするか、既に崖っぷち、「人生ハードモード」でスタートするか。選ぶのは被災前の『今』なんだ。


普段の生活の中に、ほんのちょっとだけ考える時間が出来たら私は十分嬉しい。

そんな事を考えるのはイヤな事だけど、イヤだからって考えなくて良い事じゃぁない。いや、考えなくても良いぜ。それで思いもしないような酷い目にあってもしらんけどな。


 被災した後、あんたはきっと絶望する。それも人生で一番、深く絶望する。

「これから先、一体どうなるんだろう」「元通りの生活にいつ戻れるのだろう」

災害に遭うってのは、それ自体ももちろん大変だけど、それ以上に大変なのは被災した後の生活なんだ。いつ終わるのか分からない、元の生活に戻れるか分からない。そんなストレスを受け続ける生活になる。


大丈夫だ、生きてれば何とかなる。だから、生きろ。胸を張れ、俯くな。先の事を、何が出来るかを考えるんだ。

前と同じ、ぴったり『元通り』なんて難しいけど、生きてれば新しい生活を築ける。

苦しいけども、下を向かない。怖いけど、進むしかない。止まってたって、何も始まらないから。


あ、物は準備出来なくとも、家族で事前の打ち合わせは絶対、絶っっっっ対やっておくように。最低限、避難場所と緊急の連絡先くらいは把握しておく事。これをしてなかった結果起こる地獄をいっぱい見た。あんたがどんな人間だって、あんな地獄を味わって良い訳がない。10分でも良い、何なら5分でも良い。話し合った内容をメモ書きにして冷蔵庫にでも貼っておけば、目に付いた時にいつでも思い出せる。

家族が大切と思うなら、必ずやってくれ。頼む。


そうそう、被災時の時を考えて、って訳じゃないが。

あんたを最初に助けるのはあんた自身と何度か書いた。その次にあんたを助けてくれるのは誰だ?

隣近所の人間達だろうな。

家族や親戚と連絡がつかない今、あんたらはしばらくの間運命共同体になる。

幸いにして人間ってのは一人で生きるもんじゃない。一人よりは二人、二人よりは三人の方が倍以上の力を発揮出来たりする。

良く周りを見てごらん。それが好むと好まざると関わらずあんたと運命共同体になる人間達さ。

何、顔も名前も知らない?知らんよ、そんな事は。ちゃんと事前に自分で聞いとけ。

何が言いたいかって、普段からちゃんと隣近所とは付き合っておきなよ、って話さ。挨拶くらいでもさ。

お互いどんな人がどこにいるかって分かっておけば、自分の事以外に意識を向けられるようになった時、誰かを助けられるようになる。その助けられた誰かがまた誰かを助けるかも知れない。悪い話じゃないだろう?

あるいは逆もある。余裕の出来た誰かがピンチのあんたの事を気に掛けて助けてくれるかも知れない。十分あり得る話だ。

普段からの人付き合いも災害対策と思ってやっときな。面倒くさい事もあるかも知れないが、ま、程々にな。



あぁ、書きたい事は大体書いた。間違いなく不足はあるが、まあそれくらい自分で調べておくれ。それがどうしても大変だってんなら、コメントでよこして頂戴。出来る限りの事はするよ。


この文章は為になるようで為にならない。ただの文字列、情報に過ぎない。結局これを役立てるのはあんただ。何か対策考えてみようか、その気持ちをほんの少しだけでも駆り立てるきっかけになれば、少しだけ為になったかなと私は思う。



あんたが被災する日。せめて十分な知識と、多大な幸運でもって、大してしんどくない被災後の生活を送れる事を、この日本のどっかでこのバカがずっと祈ってるよ。



追伸:私ゃ医療関係者じゃない事もあって、半端な知識を書いたらいかんと敢えてその辺は書かなかった。救命救急、なんて仰々しいもんじゃなくても、咄嗟の手当ってのは普段生活していればどこかで必要になるもんだ。これを機に、止血だとか包帯の巻き方だとか、怪我に対する処置について勉強してくれると嬉しいな。


最後まで読んでくれてありがとう。

あんたのこれからに、最大限の幸運がありますように。

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