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練習用  作者: 水薙かのん
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10/14

光しかない国

※西洋FT、女性騎士、設定適当、超短文

(順番がズレました…失礼しました…)




「常に光も闇も表裏一体……知らぬことで光となることもある」


 城内の地下。数十にも及ぶ本棚が並び、ぎっしりと書物が詰められている。

 そんな本棚がある一画。黒い外套は引きずるほど長く、フードをすっぽり被り見えるのは白い髭のみ。魔法士だろうか。声から恐らく男――老人であると想像がつく。節くれだったその手を伸ばし、古く表紙の文字も掠れた書物をとった。

 彼から数歩離れたところに、老人を見据えるのは銀の甲冑を纏った女性騎士。長い黒髪をひとつにまとめ、柔らかな唇を引き結ぶ。


「知らぬままでいることは、罪だと思います」

「知らぬほうが良いとは思わぬか? それがそなたにとって最善であると」

「……それでも、私は知らぬままでいたくはないのです。後になって知らなかったとは言いたくないのです」


 後悔はしたくない。この手で誰かの命を救える立場にあるから、その時に何も出来ないままでいたくない。

 老人は書物を片手に、沈黙したまま騎士へと歩み寄る。

 何かを見極めるように騎士を見やったまま。騎士も視線を動かそうとはしなかった。


「――良かろう、来なさい。そなたの知らぬ事実を教えよう」


 老人のその言葉に女性騎士はようやく口許を緩めた。




了

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