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光しかない国
※西洋FT、女性騎士、設定適当、超短文
(順番がズレました…失礼しました…)
「常に光も闇も表裏一体……知らぬことで光となることもある」
城内の地下。数十にも及ぶ本棚が並び、ぎっしりと書物が詰められている。
そんな本棚がある一画。黒い外套は引きずるほど長く、フードをすっぽり被り見えるのは白い髭のみ。魔法士だろうか。声から恐らく男――老人であると想像がつく。節くれだったその手を伸ばし、古く表紙の文字も掠れた書物をとった。
彼から数歩離れたところに、老人を見据えるのは銀の甲冑を纏った女性騎士。長い黒髪をひとつにまとめ、柔らかな唇を引き結ぶ。
「知らぬままでいることは、罪だと思います」
「知らぬほうが良いとは思わぬか? それがそなたにとって最善であると」
「……それでも、私は知らぬままでいたくはないのです。後になって知らなかったとは言いたくないのです」
後悔はしたくない。この手で誰かの命を救える立場にあるから、その時に何も出来ないままでいたくない。
老人は書物を片手に、沈黙したまま騎士へと歩み寄る。
何かを見極めるように騎士を見やったまま。騎士も視線を動かそうとはしなかった。
「――良かろう、来なさい。そなたの知らぬ事実を教えよう」
老人のその言葉に女性騎士はようやく口許を緩めた。
了




