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瑠璃光の復讐者(リベンジャー)~両親を悪徳貴族に殺され、妹と生き別れになった僕。運命の出会いをした美少女と共に機械巨人を駆り、世界を救う!~  作者: GOM
 第二部 僕は世界を救いたい。

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第37話(累計 第83話) 最終決戦:ラウンド2 まるで子供扱いなヴィロー。

「では、わたくしに挑んでごらんなさい。トシ様。この最強ギガス、神話龍ヴリトラは、ちっぽけな修羅鬼神程度では倒せませんですわよ」


「それはやってみなきゃ、分からないさ。ヴィロー最大出力!」

【御意】


「おにーちゃん、魔力炉のコントロールは任せて。不安定だけどリリがなんとかするの」


「欠損しているスラスターや怪しいバランサーとかは、わたしがフォローするわ!」


 ……右肩スラスターが欠損しているし、かなり無理な機動を繰り返したから、各部が不調。魔力炉も無理したし、冷却も危ない。長期戦はしたくないけど、どうやったら撃破できるんだろう?


 リリやエヴァさんのフォローで、僕はヴィローを動かす。

 師匠との連戦が祟り、機体各部が悲鳴を上げている。

 その上、欠損した部分があったり、推進剤や冷却材になる水の残量も心もとない。


 ……でも、ここで戦わないと、誰も守れないんだ!


 僕はスラスターを最大噴射。

 ヴィローを朝の空へと飛ばした。


 目指す先は、空高く浮かぶ全長三百メートルを越える敵ギガス。

 まるで亀の様な巨体から長い首が伸び、首の先。

 顔の部分には女性型ギガスの上半身が見える。


「攻撃開始! まずはビームライフル」


 まるで攻撃をしてこいと無防備な敵に向かって、両腕に持つ二丁の魔力ビームライフルを打ち込む。


「あら、何かしら。光のシャワーですか、トシ様」


「くぅぅ。まったく効かないぞ」


【マスター! 敵機体の装甲表面にバリアーが構造強化魔法と共に張られています。圧倒的な魔力量の為に、並みの遠距離攻撃は効きそうもないです】


 数発連打したライフル、これまでの無茶が響いたのかバレルが赤熱化し、煙を上げだす。

 そして、ビームが出なくなった。


「トシ。ライフルが使用不可能よ。バレルが焼けて中の魔法陣が消えてしまったわ」


「了解、エヴァさん。しょうがない。サブアームからプラズマ光球撃ちながら接近戦に持ち込む。ブレード展開!」

【御意】


 ライフルを投棄し、剣を抜いたヴィロー。

 しばらく敵機に向かって牽制のプラズマ弾を撃ちつつ、赤熱化した高周波ブレードで切り付けてみる。

 しかし、一向に効いた感じがせず、敵の装甲は新品のまま。


【一体、この魔力量は何処から?】


「おにーちゃん。敵の魔力炉、身体中にいっぱいあるよ!」


「何だって? 巨体を生かして複数個を搭載しているのか」


 敵機は一向に攻撃をしてこないが、何かあっては困ると飛び回りながら攻撃をしていくヴィロー。

 ただ打開策が全く見えず、冷却材と推進剤を兼ねた水の残量がどんどん減っていく。


「あら、もうお終いかしら。では、ボーナスタイムは終わりにしましょう。攻撃開始!」


「ヴィロー、緊急回避!」

【御意! 姫様、しっかり捕まってください】

「きゃー」

「うう。トシ、もっと余裕見て避けなさい!」


 巨体のいたるところからビーム、ホーミング光弾、ミサイル、そしてオールレンジ攻撃端末が放出される。

 それを必死に撃破したり避けたり、バリアで受け流して逃げるヴィロー。

 しかし、いつまでも全部を避け切れるわけでもない。


「きゃぁ!」

「ぐぅ。ヴィロー、何処をやられた?」


【左足、脛から先を失いました。他にも破片を浴びてセンサー類が多数欠損! 魔力炉もオーバーヒート状態です】


「バランサーとセンサー補助は、わたしがフォローするわ。なんとか打開して、トシ!」


 一気に機体状態が悪くなり、勝ち目が見えなくなる僕ら。

 このまま削り殺される未来が近づいてきた。


「あらあら。先程まで偉そうなことを言っていたのに。やっぱり世間知らずの坊やだったのね、トシ様は。でも、そんなトシ様にノルニルが四人もわたくしを裏切って味方するのは、何かありますわね。では、命乞いをする時間を与えますわ。今、御免なさいしたら、命は助けてあげるの」


 攻撃が止み、動きを止めた敵ギガス。

 今度は、その巨体で僕らの真上から押しつぶそうとしてくる。


「くぅぅ!」


 急ぎ着地して、ホバー移動。

 なんとか、押しつぶされる危険から逃れた僕ら。

 しかし、もはや打つ手が残っていない。

 機体を立たせようにも左足を膝から下が欠損しているので、腰を抜かした様にしゃがみ込んでしまった。


「まだ、頑張るのかしら? では、絶望的な事を教えてあげるの。わたくしが駆る神話級ギガス『ヴリトラ』。その名の通り、龍の尾を持つ機体ね。でも、それだけじゃないの。尾の先につながっている亀状の部分。それはね、遺跡宇宙船。わたくしが墜落する播種宇宙船から逃げた時に使った小型船なのよ。まあ、小型といっても全長数十キロの宇宙船本体からしたらなんだけど?」


【それで、圧倒的な魔力量を誇るのですか!? マスター、これは残念ながら詰みです】


「おにーちゃん。亀の方に巨大な魔力炉があるわ」


「トシ、どうしますか。癪ですが、わたしは貴方の判断に任せますの」


 僕の前に絶対の死が迫る。

 そして僕だけでなく、リリやエヴさん。

 ひいては、ラウドの人々の命が僕の背中の向こう側にある。


 ……も、もう少し時間を稼いで、打開策を考えるんだ! いくら無敵だと言っても、冷却が無限に続くわけはないし。


「まだ答えを出せないのかしら? じゃあ、ラウドの街に一発撃ってみようかしら?」


「待て! 街に手を出すな! 戦いは僕と貴方の問題だろ!? ノルニルは卑怯にも人質を使うのか!?」


 最悪の展開、街を襲うと言い出すプロト。

 そんな状況で僕は、プロトの矜持に賭けてみる。

 卑怯者と言われて、なおも街を襲うのかと。


「憎い事を言うのね、トシ。でもね、わたくしは人類を抹殺する事に決めたの。だから、何と言われようとも構わないわ。じゃあ、街が燃える様を見て、己の判断を後悔するのね」


「や、やめろー!」

「やめてえぇ、おねーちゃん」

「ああ、もうダメなの!?」


 僕らが悲鳴を上げたのを聴き、プロトは邪悪に微笑む。


「うふふ。その悲鳴が聞きたかったの。さあ、死になさい」


 龍の頭部にある女性体が両腕を広げる。

 そして二つの巨大な火球を生み出して、ラウドへ向かって撃ち放たれた。


「うわぁぁ!」


 僕は眼を閉じてしまった。

 僕の好きなラウドの街が焼けるのを見たくなかったから。


「あら? 何かしら、いきなり現れた邪魔者は」


「嘘! これは奇跡なのね」

「おにーちゃん、凄いよ。ラウドは守られたの!」

【アカネ殿。間に合わせたのですね】


 皆の喜ぶ声を聴き、僕は目を開けた。


「トシ。レオン、遅ればせながら、只今参上したぜ!」

「トシ様、お待たせしました。レダ、帰ってまいりましたわ」

「れ、レダ、ぼ、僕はつ、罪滅ぼしに頑張るんだ」


 そこには、宙を舞う巨大で金色の機械鳥が居た。

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