知らない天井だ…
ねむ。まだ眠い。今日は夜に今はまってる深夜アニメを見るくらいか。
お腹が空いたし、親がいなかったら飯でもあさりに行くかな。とりあえず起きるか…。
「ん?え?」おかしい。
実家は木造築40年の古い家だったはずだ。なのに天井はレンガ造りだと?
オレがニートだからと更生施設にでも連れていかれたか?いやいや、目が覚めたら知らない場所とかどんなドッキリだよ。オレを誰にも気づかれずに運び出すとか、なんの魔法だよw
…いや、魔法ってなんだよ。
とりあえず、ここがどこなのか調べるか。部屋を見渡してみたが、あるのは今いる古びたベッド、薄汚れた毛布、それから隅に置かれた古い机くらいだった。
自分の服装に目を落とす。なんだこの服。まるでゲームに出てくるモブ村人が着ているような、粗末な布の服だった。
それに……なんだか身体が軽い。以前よりも、ずいぶん瘦せている気がする…。
まずは、何が起きたのか思い出してみるか。
オレは定石健緒45歳。会社で心を壊し、女に騙され、借金を抱えた。親に助けられてからは、実家で十年間もひきこもっていた。それから親に甘え実家で10年引きこもりでニートしていたはず…。
親には散々迷惑をかけていたから見捨てられてもおかしくはない。
昨日は何をしていたっけ…。親の財布から金を拝借してパチンコに溶かして、オレは何やってるんだと自己嫌悪に陥り、帰りにコンビニに寄って、酒を買い家で飲んだくれた。そのあと風呂に入りそのまま寝て……。風呂で溺れたのか?
そこからの記憶がない…。多分、溺れて死んだんだろう。我ながら間抜けでクズな最後だ。親には本当に申し訳ない。裸のままで風呂で溺れて死ぬ息子とかたまったもんじゃないよな。…すまん。
そんなことよりこれからどうするかだ。知らない場所に来たからには、まずは異世界ものの定番。「ステータスオープン!」……。
何も起こらないのかよw恥ずかしっ…。って言ってもオレ一人かw次は机でもあさるか。机の上にはナイフが一本、手に取ってみると、不思議なことにナイフの情報が頭に流れ込んできた。
ブロンズナイフ。……ん?ひょっとして、オレ、鑑定スキル持ちか?少しだけテンションが上がった。
他には小さな麻袋があった、中にはアルカディア銀貨五枚アルカディア銅貨十枚が入っている。どうやら、この世界の通貨らしい。鑑定?のおかげなのか、袋の中身はすんなり貨幣だと理解できた。
……いや、待てよ。ここ、本当に異世界なのか?
家の中には食べ物もなさそうだ。そもそも、この世界では家で自炊しないのがふつうなのか?
考えていても仕方がない。とりあえず、外に出るしかないか。オレは家の扉を開けた。
「うわっ、まぶしっ……」目が慣れてから周囲を見渡した。
レンガ造りの古びた家が立ち並び、遠くには西洋風の城がそびえていた。
……。なんだここ。どこの町だよ。そもそも言葉は通じるのか?
不安な気持ちを抱え、誰かを探し歩き始めるのであった。




