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大地のためのダンジョン運営  作者: あがつま ゆい
ダンジョンマスターと魔王
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第41話 結成 デイブレイク討伐隊

「魔王デイブレイク討伐令」が公布されてから1週間後。

 王城の中庭に戦士たちが集められていた。


 ライネル騎士団長を筆頭にディラス、レイラ・イリーナ姉妹、ソルとその配下である冒険者12名、王国兵士30名に志願兵12名、そしてアルフレッドという大御所だ。

 皆、自前もしくは国から支給された防具で身を固め、それぞれの武器を持っている。




「……それにしてもアルフレッド様、本当に討伐に参加するつもりなんですか?」

「後衛からのサポートが中心だから役に立てると思うんだ」

「言っておきますが命の保証は出来ませんよ。王族だからと言って特別扱いはしません。無茶は絶対に辞めてくださいよ」




 ディラスは「ロクに訓練を積んでない」アルフレッドが参戦するのを気乗りしていなかった。

 プラスにならない「戦力外」ならまだいいが、マイナスになる……つまりは「足手まとい」になるのが最大の懸念材料だった。

 戦場においては「強敵よりも無能な味方」の方が有害なのは経験から良く分かっていたのだ。




 アルフレッドの参戦に一部のベテランたちは不安に思っていたが、時間になったのでライネルが出陣式のためのスピーチをはじめる。


「まずは今回の魔王討伐に名乗りを上げた、君たちの勇気に感謝したい。

 知っての通り、我が領内に「魔王デイブレイク」が侵入した。今回はそれを討伐すべく集まってもらった。

 魔王の中でもとりわけ長生きしている奴だ。だが、ここに集まってくれた100名以上の勇士なら討伐できると信じている。

 我が王国のため、戦って欲しい。そして勝利を手にして凱旋しようではないか!」


 参戦者たちに覇気が宿る。彼らはダンジョンへと歩き出した。




 一行は城下町を抜け、王国の郊外にあるダンジョン入り口までやってくる。

 魔王デイブレイクが住み着いたとされるダンジョンの前には鎧や兜で完全防備を固めたレナ、召喚獣のドラゴン2匹に人狼1体が待っていた。


「!! レナ! お前は家で大人しく待ってろって言ったじゃないか!!」

「お父さんごめんなさい。でも私だって戦えます。足手まといにはなりませんから参加させてください」


 彼女は必死で訴える。




「ディラス殿、そこまで言うのでしたら彼女らも討伐メンバーに加えていいと思うのですが? 特にドラゴンは戦力になると思いますし」

「うーむ……レナ、言っておくが戦場ではフォローできないぞ。自分の身は自分で守ってくれ。いいな?」

「お父さん、そこは大丈夫よ」


 こうしてレナ一行が討伐隊に加わった。


「確かここはお前のダンジョンだよな? 魔王デイブレイクとはどういう関係なの?」

「魔王デイブレイクにダンジョンを乗っ取られたんだよ。今じゃ宿無しの身分さ」


 レイラはかつてソルのダンジョンに潜った経験があるので、なぜソルのダンジョンに? と疑問に思っていたのだが、そういう事かと納得してくれたようだ。




「にしても重いな。もう少し軽量化は出来ないのかね?」

「これ以上軽量化すると砲身の強度が出ないそうだ」

「ゴチャゴチャ言ってないで運んでくれ。せーのっ、イッチ、ニ、イッチ、ニ、イッチ、ニ……」


 試作段階の「マナエネルギーを撃ち出す砲身」は人の背丈ほどの長さがある木製で、部分的に金属で補強しているためそれなりの重さになる。

 外では馬車に乗せて運んでいたがダンジョン内となると兵士数名で運ぶことになる。馬車で階段を下りるのは無理だからだ。




「……役に立つのですか? アレ?」

「ライネル、お前が不安になるのも分かるけど、ボクの予想では魔王相手でも活躍できると思うよ。何せ元は城壁を狙う武器だし」

「は、はぁ。そうですか……」


 ライネルは半信半疑、正確に言えば疑の方が大きかったのだが、口にはしなかった。あのアルフレッド様が太鼓判を押すものがどれだけ役に立つ事やら……。


 一行がダンジョンを進み、入り口に最も近い部屋に入るとドラゴンが3匹待ち構えていた。皆うつろな目で中空を見ていたと思ったら、侵入者を凝視した。

 脳に伝わる魔王デイブレイクからの「すべて破壊しろ(デストロイゼムオール)」という命令に従い、侵入者に対し襲いかかった。

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