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滅びた民族と俺の話  作者: 春川 歩
封印されし人間
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夢の中での邂逅

その日の夜、俺は不思議な夢を見た。

真っ暗な空間に俺と女性が立っている夢だ、女性の名前は霧森託己というらしい。

その女性が、如月の過去を語ってくれる、それと、俺に対して、こう助言をしてくれた。

「あなたは、きっと光属性の力が強い子だね、私が干渉できるという事は闇属性も強いけれど、その属性の力は使えないことの方が多い。

恐らく、如月から光属性の力を教えてもらえば、使いこなすことができると思うよ。

ただし、まずは光属性の力の使い方を学ばないといけないね。」

そこで、考えるそぶりを彼女は見せた後、こちらに人差し指を立てて見せた。

「私が干渉する理由としては、如月を守ってほしい、それが強いね、彼は中々に仲間思いの良い奴ではあるけれども、自分を否定する可能性が高いの。

自分の否定が強くなりすぎると、私たちの民族は暴走してしまう、そうなると、止められる人はもう、この世にはいないの、だから、あなたにはストッパーになってほしい。

私たちの最後の希望、如月の事をよろしくお願いしたいから、できれば、契約を交わしてほしいの。

というか、神の民族を止められる力を持つように契約を無理にでも結ばせるから。

諦めて。」

そういうと、俺の腕を掴み、なんだか聞いたことのない言葉を呟くと、俺の腕に見たことのない、水色をした何かの模様が浮かび上がった。

「勝手に神の民族の契約を結んでしまってすまないね、だけど、あなたもこれでよかったって思える日がいつか来るから、安心して。」

何かを話そうとすると、その声を人差し指で止められる。

「恐らくそろそろ起きた方がいいみたいだね、直ぐに意識を浮上させることにするけど、このことは、記憶から直ぐに思いだせるようにするから、これから如月をよろしくお願いするね。」

遠くにある光が段々と近づくように、俺は覚醒していくのがわかる、それと共に誰かの泣く声が聞こえてくるのが分かった。

目が覚める直前に、女性の声が聞こえてくる。

「夢の中で私とはいつでも会えるから、必要になったら呼びなさい、それじゃ、頼んだよ。」

その声を最後に、俺は完全に夢から覚めた。


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