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滅びた民族と俺の話  作者: 春川 歩
封印されし人間
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朝食は辛い時間だ。

正直なところ、俺は朝食のこの時間があんまり好きじゃない。

理由はよくわからないが、なんだか嫌なものは嫌だ。

好き嫌いだけで判断するのは良くないということは、重々承知はしているつもりだ、だけど、正直嫌なものは嫌だ。

朝食を取ろうと席につく、自由席だからどこに座ってもいいのだが、知らない人の隣に座るのは、はばかられる、というか正直嫌だ。

知らない人しかいない食堂で、食事をする、この行動がどれほどの孤独を生むかは想像に難くないだろう。

正直なところを言うと、知っている人はいるが、遠巻きに俺を見ているだけで俺の近くに寄ろうともしない。

それだけならいいが、下手に俺が近寄ろうものなら、ちっちゃい子特有のばい菌扱いによって俺自身が何故か意味もなく傷つけられるのだ。

そんな肩身がせまーい食堂でとにかく食事をとることに専念する、今日の献立はパンにスープ、サラダとベーコン、卵焼きだ。

頭の中をそんなマイナスな考えで埋めることは馬鹿のやること、そう、そんなの考えないのが正しいんだと言い聞かせることによってこの場を凌ぎ、パンのおかわりを貰いに行く。

その時だった、どこからかこんな声が聞こえてくる。

「あれ、あんなところにばい菌がいるぞ。」

「うーわ本当だ、人間じゃない、ばい菌だ。」

「おまけにおかわりとか、アイツ人間じゃないくせになに考えているんだか。」

「ほんとだよなー。」

ギャハハ……という笑い声が聞こえてくるが、そちらを見ても誰も笑っていないことは知っている。

から無視をする、無視をすればつまらなくなって黙るからだ。

とりあえず多めにパンを貰って部屋に戻る、腕の中にはコッペパンが3個あり、足りないだろうがとりあえず持って行く。

戻る途中、「オイお前!」と言われた気もしたが、気のせいだと思い、そのまま部屋に戻った。



………………


「おかえりなさい。」

部屋の扉を開けると、玄関に座った状態で植木に手をかざしている如月が居た。

「何をやっているんだ?如月。」

そう問うと、立ち上がり膝を叩いてほこりを払ってから俺の方を見た如月、眼光が鋭かったから何を言われるかと思い、息を飲む。

「観葉植物に栄養を与えていただけだよ、ところで食べ物は持ってきたか?」

そんな言葉に、なんだ、そんな事かと笑いが込み上げてきたのを押さえて、パンを渡す。

「はい、これしか持ってこられなかったけど、足りるか?」

「上から目線でむかつくけど、ありがとう。」

相手はパンを受け取ると、部屋の中に入り、円卓にある椅子に座って食べ始めた。

「さすがに、喉が渇くよなぁ。」

そういっていたから、水を汲もうと洗面所にまで歩いて行く、この学生寮、トイレやお風呂、洗面所があるけれども、料理をするためのシンクが無いんだよなぁ。

そんな愚痴を頭の中で言いながら水をコップに入れて持ってくる。

「そういえば、この部屋に冷蔵庫ってないのか?」

そう如月が聞いてきたから、椅子に座ってから理由を話す。

「この部屋にコンセントがあれば使えるんだけどな、コンセント自体が少ないんだよ。」

そう言う俺に向かって如月が首を傾げながら答える。

「こんせんと?」

「あぁ、コンセントだ、もしかして、如月の時代には電気がなかったのか?」

問いかけると、顔をしかめながら、そんなことはないと答える。

「俺たちの時代にも電気はあった、ただ、需要がなかっただけでな。」

「どうしてだ?」

「だって、魔法を使えばそんな冷却なんて簡単にできるだろ?」

試しに例を見せてやるということで、俺は、指定されたものを集めた。

「それじゃ、やってみるぞ?」

そう如月が言った所でチャイムが鳴る、もうすぐで学校が始まる合図だ。

「やっべ!もう登校しなきゃやばい!」

「あれ、今日は学校か。」

「そうだよ!今日は木曜日、明日以降にダンジョンには行こうと思っていたんだ!あ~、荷物もまだ用意していない~!」

慌てて用意していると、如月が今日の授業が何かを聞いてきた、どうも今日の用意を手伝ってくれるようだった。

「今日は、えっと数学、魔法語、魔法実習が2限あって、国語、社会だな。」

そう言いながら昨日の用意を全て引っ張り出して、今日の用意をササッと入れ替える、結果としては、彼の手伝いは必要がなかった。

「とりあえず、帰ったら案内するから、今のところは教えられない!

それじゃ、行ってきます!」

そう言って、扉を開けようとしたら、誰かに、この場合如月だが、に引き留められた。

「今急いでいるんだ、できれば手を離しては……」

「なんだったら、飛んで送るけど?」

「まじで!?飛べるのか!」

その言葉に、思わず飛びついてしまった。

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