【五階層二区画】結成クラン『イレギュラーズ』
タイトルがネタバレ…
【五階層二区画】結成クラン『イレギュラーズ』
美千代の提案。それは…
「クランを結成して、知名度をたかめ、ある程度、情報を公開するのがいいと思います」
クラン。現在の探検者の事業形態は個人事業主であることが多い。これは企業に就職しての探検者活動となると責任問題が発生した場合、責任の多くが企業になることや、繁忙期以外となれば業務が減り優秀な探検者の雇用維持は負担が多くなるために派遣という形で仲介業者を挟む形になっている。ちなみに、この仲介業者をギルドと掲示板で冗談ぽくされた書き込みが定着し○○ギルドやギルト○○などという探検者仲介業者が誕生した。クランもダンジョンでの採取だけでなく、個人での装備・アイテム開発を行っていたりと社会人サークルとしての体をなしていたりもする。
「カリキュラムとしては、本来三年になってからの予定で二年になったら、そこら辺の手続きとかの授業もする予定だったが…この際いいかもしれないいが…というか、しておかないと金銭関係とかの問題があるんだよな。正直、クランとして個人事業主になれば税金関係楽だし…正直、俺も仕事が減って助かる」
個人事業主登録をしていると、税金などの処理なども楽になったり装備品も減価償却の対象にできるならメリットもある。
大島もこの意見には比較的賛成でありクラスとしてクランを結成することになった。
「それで、リーダーはだれがいいかですけど…」
美千代の意見に食い気味に城一が手を挙げた
「で、あれば我であろう? もちろん我は寛大であり皆対等なのだから反対意見は聞くが」
それに対して
「自分はないっスね。自分は誰かの下のほうが性に合ってるんで」
「わたくしも否定しませんわ」
「…了…そういうの苦手…」
「あたいもそういうの苦手だし~」
「……俺も苦手だから頼む」
「資料造りなら頑張るよ」
「俺は刀振るっているほうが気が楽なんだよな」
「アハハハ、ボクも縛られる役職はごめんだからやってくれるのなら助かるよ」
満場一致で城一に決定。
「では、これから我が進めるが、会計は美千代と崇高に頼みたいと思うが異議はあるか?」
「判った、引き受けよう。僕としてもクラン結成は望むところだからね」
「会計は任せて、けど、簿記とかは勉強しないといけないんだよね」
「美千代さん、確か、この学校の図書室に簿記や商業法規関連の書籍がありましたよ」
「佐江ちゃん、それ本当?」
「はい、けど、なんで普通科高校のこの学校にそんな書籍が充実しているのは、なぜでしょう?」
「ケケケケ、それで名前はどうするんだ?」
「……俺はネーミングセンスないからな……任せる」
「…ワタシは『高貴なる漆黒の使徒』がイイ…みんな黒色装備…」
「ごめん、美穂ッち。あたい、さすがにその名前は恥ずかしいから、それで呼ばれて平気なの多分、調っちくらい」
「まって、なんかオレなんかいたい奴みたいじゃん。えっと『修蓮館探検隊』でよくないか?」
「いや、そのセンスはないわー、マジでないわー」
名前という看板に全員が喧々囂々と意見を出し合い時間内に決まらなかったために放課後までにそれぞれ名前をカードに書いてその中から一枚選ぶということにした結果…
「イレギュラーズだな…誰の案だこれ?」
「うん? あっ、それ俺のだな。参加しないのもアレだからとおもって出しておいた。やっぱり、意見を出さずに反対とかいろいろ言うとアレだしな」
「まぁ、いい。では、錬治の『イレギュラーズ』ということでいいな。みな思うところがあるが…まぁ、そのアレだ…諦めてくれ」
こうして、ユニークスキル保持者によるクラン『イレギュラーズ』が結成されることとなったのであった。
ご意見・ご感想があればお聞かせください。
ちなみに他の候補は
『新藤キングダム』
『混沌の城』
『ブラック・サン』
『トイボックス』
『漆黒の使徒』
『パーフェクト・ハーモニー』
『カーム・ブレイカー』
『黒母衣衆』
などがありました。
 




