【四階層九区画】金山蔵ダンジョン 五
今月もがんばって水・日の正午投稿を目指します。
【四階層九区画】金山蔵ダンジョン 五
ロックトロルを撃破した錬治たちは、さらに下の階層を目指していた。
道中の雑魚モンスターは相手にならない。そもそも2級ダンジョンのクリアーの目安レベルは20後半、レベル25でB評価の探検者が4人いれば、安定したクリアーは可能とされている。
錬治たちもレベルは20前半。2級ダンジョンの15階層くらいまでなら苦戦するはずもない。それどころか、二級ダンジョンをクリアーすることも不可能ではない。
だが、錬治たちは、実力はあっても、三級限定の探検者でしかない。三級限定の資格だと制約がいくつかあるが、その一つに立ち入り禁止階層が設定されている。具体的に言えば、三級限定探検者だと二級ダンジョン20階層よりも下の階層へは、立ち入り禁止とされている。これは二級ダンジョンの20階層からボスも含めて強力になり、トラップの巧みさなども増すため、無謀な危険を冒させないための措置である。もし、制約に反する行動を行った場合、最低でも二か月は、二級ダンジョン探索許可がでなくなる。
探求者資格者制度は、未成年の無謀な行動を抑止することも目的となっているため、基本的に未成年者は二級ダンジョンの中階層までしか攻略許可は下りないのである。未成年の探索者からは不満のある規定ではあるが、世界の探索者の死者の割合でみると16才から20才までが、全体の実に6割を占めている。日本は、というと、年間の死者数は、交通事故での死者数よりも少なく、その中でも、未成年者の死者数は1割にもみたないという事から、この制度が見直されることはない。
10階層以降、モンスターにはトロルが加わる。ボスのロックトロルと比べても大した敵ではない。もちろんクラスもちもいるが、ウォーリア、バーバリアンと種類は少なく、しかも直接的な攻撃しかないが、だが、錬治たちにとっては、経験値的にもドロップ品もおいしくないモンスターなのである。なにせドロップ品が最悪なのである。
「なぁ、トロルのドロップ品てこれしかでないのか?」
「うん、そうだねぇ。通称トロル酒、味が悪いから不人気だけど、抽出すれば工業用アルコールとしては需要はあるのが救いかな」
ちなみに、20階層以降であれば、味もよい『地霊の雫』というお酒も手に入るが、そのために未成年者の20階層以降への攻略は厳禁とされている。
ゴーレムの種類もアイアンゴーレムと金属甲冑のようなゴーレムが出現するが、割とあっさりと撃破していく。ドロップアイテムは鉄くずだが、品質は悪くないのでそれなりの金額で引き取られたりする。このように、鉱石や原料がダンジョンからドロップするので日本の資源不足という欠点が、ほぼ解消されている。
洞窟型ダンジョンにはお決まりといっていい定番トラップが存在する。
それは、錬治たちが下り坂を歩ていてるときに、襲い掛かった。
ゴゴゴゴゴ…
背後から音が聞こえてくると最後尾にいていた、源治が振り返り腰を落して構える。
「……《カスタマイズ》【ライトアームズ:パイルバンカー】」
右腕に装着したパイルバンカーを突き出し背後から迫る巨大な岩に一撃。杭が深く食い込み衝撃で岩は停止し砕け散った。
「お約束とはいっても、この結果は酷いと思うの…あっ、これ結構、上質な鉄鉱石みたいだよ」
美千代は砕けた岩を《品質鑑定》した。このスキルは、マーチャントのクラススキルでアイテムの品質やアイテムの名前を知ることができる便利スキルである。
この鑑定系スキルは以下の種類が確認されている。
《ライブラ》視界にとらえた、ありとあらゆるモノを計れる。細かい数値化が可能。
《鑑 定》触れた様々な鑑定が行える。数値的なデーターは解らない。
《魔物知識》モンスターの能力がわかる。ただし、レベルが高いモンスターだとスキルレベルが低いわからない。
《品質鑑定》触れたアイテムの状態や効果などがわかる。レベルが高いと隠された効果などもわかる。
《博 識》大雑把な名称しることができる。簡易説明もわかる。
《看 破》偽装されたものを見破ることができる。
《目 星》怪しいところがわかる。
鑑定系スキルは視覚にとらえることが前提にあり、さらに、手で触れるという条件が加わる場合と手で触れると精度があがる場合に分かれる。スキル習得が可能になった場合には割と推奨されるスキルではある。
そうこうしているうちに、洞窟系ダンジョンの傾向として物理防御特化の物理攻撃型モンスターが多いために苦戦などもなく、わりとあっさりと15階層までたどり着いた錬治たちであった。
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