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そのハムスター、享楽家につき ~色々な称号、熨斗付けて返却したいんだけど?~  作者: ウメルヴァ
ハムスターの二つ名 12章 転移者

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本当に不本意ながら〔並行世界〕


 ほう!

 なかなか冴えてるね、シュヴァツ君。


 ・・・まぁ、言う通り、ヒントになる事しか言ってはいなかったけど、スカージュちゃんあたりは気付いていないと思う。


 ・・・いやいや、スカージュちゃんをバカになぞしていないよ。

 私もスカージュちゃんと同じタイプだから良く分かるのだけど、話の内容に含みとか裏とかあったとしても気付かない。

 『へぇーそーなんだー』で済ませちゃうのだ。

 だいたいさぁ、むしが良すぎるでしょ?

 含みや裏を察してくれとかさ。

 なんで聞く側が、そこまで気を使って話を聞かなきゃいけないのか分からぬ。

 だから私は察しろ、みたいな言い方はしていない・・・はず。


「うぇ? そうなの?」

「あぁ、なんの迷いも無く書けているのが証拠だな」

「で、あるな」


 未だに、この世界の文字は手本を見ながらでないと書けないから、そう思われても致し方なしだね。

 でも、シュヴァツ君の推察は半分だけ正解かな。


「同じ世界では無いはず。まず国名が違う。次に聞いた事の無い地名がちらほらと有った。だから多分、何処かしらで分岐した並行世界から来たのだと思う」


 漫画にせよ小説やゲームにせよ使い古された設定ではあるけども、今いる世界との違いを強調したい時に使うには持って来いな設定だよね。


 ・・・地名?

 東京ってのが無いそうだ。

 と言うか県で無く国割りで分割しているそうだよ。

 だから東京のある所は武蔵だね。

 そして江戸ではなくみやこあずまと呼ぶらしい。


「並行世界?」

「ってなんすか?」

「ふぇ?」


 あー、そうか、異世界と言う概念も私が登場するまで無かった世界なのだから、並行世界と言う概念が未だに無くても当然と言えば当然なのかもね。


「そうだなぁ、一番身近かも知れない並行世界は鏡の中の世界かな?」

「鏡の中か?」

「んー、想像がつかないわねー」

「また簡単言っちゃうけど、見た目は同じだけど、何もかもが反対な世界かな」


 並行世界とパラレルワールドって別物と捉えている人がいると聞いた事があるのだけど、どちらも自分が住む世界と僅かな相異がある世界を指す言葉だと私は考えるの。

 だから並行もパラレルも同じだと思ってる。


 ・・・大きな相異は異世界と呼ぶんだよ。

 たぶんね。


「全然想像がつかないっす」

「んだな。逆っで言われでもわがんね」


 皆して頷いている、全滅かぁ。

 

「もっと分かり易いのはなえのか?」

「あるけどー・・・んー・・・」


 さっきみたいに真逆と端的に言う話し方だと、また理解してもらえないかも知れないね。

 回りくどいかも知れないけど、例えを出しながら質問する方が良いかも。

 その例えだけども・・・うん。


「もしさぁ、創造主がいなくならないで、ずっとこの世界にいたらどうなってたかな?」

「そりゃおまえ・・・」

「大戦は起きなかったであろうな」

「と言う事は、ラグナーグが現れる事も無かった・・・」

「いや、彼奴ならば何等かの形で現れた可能性が高いのである」


 先代の【穿つ】の使い手は性格的にはヤバイ奴ではあったけど、有能でもあった、と言う事なのかな?


「大戦が無かったのなら、亀魔族も存在していた? それと大戦の英雄達は?」

「亀魔族は存続していたであろう。だが、自領を持っていたかは定かではないのである」

「そーなのー? なんでかしらー?」

「奴等の亀魔族が最も優秀だと言う尊大にして不遜な思想は創造主様が存在していた頃からなのである・・・と文献にあったのである。故に度を越した思想の持ち主に対処をしたのではないかと推測するのである。して、その度を越した思想の持ち主が一定量を超えれば亀魔族を1箇所に纏めてのおくのは危険と判断する者が出て来ても不思議どころか自然の流れなのではないか?」


 おお、ノスフラト君の長台詞。

 なかなかレアなんじゃ。


「確かに危険思想の奴等を纏めておくのは愚策だな」

「大戦の英雄、あいづ等もラグナーグ同様で頭角さあらわにしでたんは間違いねえだな。大戦めえから目立った存在だっだらしいでな」

 

 確かにアンズさんも左官塗り・・・名前なんだっけ?


 ・・・そう! それつ!

 キューラだキューラ!

 脳内って名前を覚えるの得意なの?

 凄いね!


 と、それはさておき。

 2人共、ステータスは凄そうだったからね、公表すれば目立つ事間違い無しだよ。


「魔族の知り合いに聞いたんでやすが、先祖はその大戦から逃れる為に人間界に来たと」

「であるな。ふむ・・・大戦がなけれぱ人間界への避難もされておらぬが、おおくではないが人間界へ行く者は居ったやも知れぬのである」


 なんかイヤそうな雰囲気を醸してないかい?

 なんかこう、ノスフラト君が古い友達? 知り合い? そな類の人と再会した時の様な雰囲気をさ。

 んま、いっか。


「そんな経緯を辿った世界、有るかも知れないよね?」

「うぇ?」

「創造主が居なくなった理由にも繋がるじゃない」

「それはどういった意味・・・」

「いや、確かにそれならば創造主様が居なくなった理由が・・・」


 と言った感じで自分達で話し始めた。


 まぁあそこまでヒントを出せば、今推測した方の世界には創造主が居る、だからこっちの世界には創造主が居ない、考えるまでも無く浮かぶ想定だよね。

 もし想像出来なくとも説明されれば納得がいくと思うのだよ。

 

 で、だ。

 此方に創造主が居ないと言うのは、此方が分岐のさいに副路線とされた世界になったのではないか? そう思っても良いのではないかとも思う。

 しかし、どれもこれも飽く迄も推測にすぎないから、正解ではないのかも知れないし、そもそも分岐した並行世界なんてものすら無いのかも知れないのだからね。


「なるほど、シズネはティファがシズネの居た世界の並行世界から来たと考えているんだな?」

「ん? んー・・・」


 どうなんだろうね。

 個人的には並行世界なんて存在を疑っているし、別物の異世界で日本の様に発展していった可能性だってあると思っているからね。


 ・・・複数管理とかメンドクサイじゃない。

 

 ・・・神様の役目って作った世界の管理だと思っているのだけど、違うのかな?

 違わない仮定するなら、どんだけ沢山の並行世界の管理をしないといけなくなるのか分からないでしょう?

 だから並行世界なんて保存する必要が無いと、めんどくさがりな私は思う訳なのだ。

 でもここで、その事を言うとメンドクサイ事になるだろうから、返事は1つだね。


「まぁ、うん、そうなんじゃないかな? と」

「それなら納得かなー」

「んだな、まったぐ知らね所だど郷里の近えもんさ頼りだくなっがらな」


 ん?・・・何のことだろ?


「シズネ」

「ふぇ?」

「これは決定事項だ」

「・・・なにが?」

「ティファを放逐するのは禁止だ」


 ほうちく?・・・放逐かな?


「なんで?」

「当然の疑問だな。まずだ、魔族内で各種族の常識が違うのは分かるか?」

「なんとなく? でも、大昔程の違いは無いって聞いたけど?」

「確かにそうだ、が、しかし、人間との差は大きい。ましてやティファは異世界人間だ。更に大きいはずだ」

「あー、うん、そうかもね」

「そうなるとだ、ティファを故郷に送還する可能性が高くなるんだ」

「・・・何故に?」

「それはだな・・・」



 

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