表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/13

12.昼懐石

「紹介?する必要はない。」


「俺は、ヤン・ガニラメール、君は?

あ、かたっくるしいの苦手なんだよなー。してほしいなら、するけど。」


「いらん。名前を呼ばせる気はない。」


「ふぅ~ん、でも俺知ってんよ。はやーく着いたおかげで色々聞けたし。


み・つ・き


樽で水売ってくれたり、オアシスぐらいの水ひとりで作ったり。

で、いくらで売ってくれんの??」


「売る気はない。名前を呼ぶな。」

わたしは、ラルさんの後ろに引っ付いてる感じになっている。

背で守られてる感じがして、顔がにやけちゃう。


「ふぅ~ん、隠せる訳でもなし、商売せんのやったら、変な事件に巻き込ませるよーなもんだぞ。変な独占欲出さんと、それぐらいしたっても、いんじゃない?

な、みつき。

それに、困ってる人ほっとくのは、ひどいんじゃないか?」


「…ラルさん、私、大量にとかだと、困るけど、少しずつなら大丈夫ですよ??」


「…美月、


お前、美月の優しさにつけこむとは、いい度胸だな。」


「わー。みつき、ありがとう!!

ついでに、俺とつきあってみない??

めっちゃタイプなんだよね、みつき。」


「えぇ、ごめんなさい。」


「おい、パリス、こいつは、帰るらしい。見送ってやれ。」


「…まだ食ってすらないんだけど?

なんなん、手、捕まれとんだけやろ、まだ片思いてことじゃん。俺とも遊んでよ。」


「…手??」

捕まれてるだけだとダメなの??…握り返せってこと??

骨ばった温かくて大きな手に繋がれて、力が抜けるんだけど…

痛くはないけど、離れないっていう、絶妙な力加減。

どどうしたら??


どきどきどきどき。


女は度胸っ!!えいっ


捕まれてる左手で、ラルさんの右手をぎゅぅっと、握る。

あ、結構力入っちゃった。


ばっとラルさんがこっちを向いたのがわかる。


ん?ラルさんの耳がどんどん赤くなっていく。え???

赤くなるのは、私だけだと思ってたのに。

なんか…かわいい!!


ラルさんをいじめたい気持ちになっちゃって、

繋いだ手をしたに下げ、背伸びをしてほっぺに


ちゅっ


ラルさんが目を見開いてる。手と私の顔を交互に見て、

固まってる。


「ちょ、みつき、それが何を意味しとるかしってんの??

あー、やだこれ、まじ?!何も今せんくてもよくない?

あーあ。もーえーわ。ミルドランドさん、ちょお話つめようや。みつき貰えんのなら、水だけは、がっぽり貰って帰んわ。」







硬直から抜け出したラルさんは、無言で私を抱え、

部屋まで速歩きで(むしろ走ってる)戻り



ガチャッ


鍵をかけた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ