表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/78

要編  9 男の訓示



   シーン9 男の訓示


 要と宗弥は国防大学を卒業した翌日、ある場所で守秘義務しゅひぎむ承諾書しょうだくしょにサインする。



 そして、ある場所で行われるある人数の、特殊戦群の選抜訓練に参加した。その参加者の出身母体は国防大学、自衛隊工科学校、自衛隊一般公募、第一空挺部隊、特殊工科、情報収集部隊、スナイパー部隊からだった。



 書類選抜された隊員に対して、深い身辺調査も行われた。訓練初日の朝、選抜された総員が整列していると、要と宗弥に話しかけて来た男が、暗がりから影のように姿を現した。そして総員の眼前に立つや、大きな声ではないからといって聞き取れ無いわけでもなく、低音が耳にしなだれ掛かってくるような、まとわりついてくるような、そんな異質な声で話しはじめた。



 「我が国の自衛は、専守防衛が基本中の基本だ。その基本を最も重んじ、厳守しなければ、それを規範にしなければこの国の防衛は成立しない。しかし、世界の国々は政治力の反証として、軍事力を交渉カードの1つとして行使し、外交を行う。交渉相手国にわかりやすく、軍事派遣を示して見せる。そうすることで自国の平和、政治経済、自国民を固守する側面がある。昨今、世界の戦い方は対人戦に移行した。個人を傍聴ぼうちょうし、監視し、あらゆる情報を探り、分析し、感知して有事に備えている。太古のような戦術だ。その精鋭部隊を我が国も創設することが決まった。この部隊に所属する者はこの国の影となり、たてとなる事を鉄則とする」



 居並ぶ総員を男は見回し、



 「これから行われる訓練は、その部隊員の選抜だ。心得のない者は去ってもらう。覚悟のない者も去ってもらう。自己憐憫じこれんびの管理が出来ない者はいらない。己の意思をこの訓練で示せ。以上だ。3分後にグランド集合」そう訓示くんじした。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ