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戦士の条件  作者: oga
12/24

レベル12

 火球が緩やかにこちらに向かってくる。

俺が剣で弾き返そうとした時、横に飛ぶにゃ! と耳元で叫ばれた。

その声に反応して、思わず隣の教室に飛び込んだ。

火球が壁に命中し、破裂する。


「剣なんかで弾き返せるわけないにゃ! 馬鹿なのかにゃ!?」


 ……ゲーム感覚だったぜ。

しかし、今ので俺は助かった。

あのまま剣で弾き返そうとしていたら、火球が手元で破裂していただろう。


「助かったけど、耳元で叫ぶなよ」


 火球の性質は分かった。

となると、鍋の蓋で防ぐよりか、火球をかわしながら相手に近づき、剣で斬りつけるのがよさそうだ。

俺は教室から顔だけ出して様子を窺い、タイミングを見て飛び出した。

すぐに火球が向かってきたが、次の教室でやり過ごす。


「ふぅ、この戦法で行けそうだな」


 ネクロマンサーまでは後10メーターくらいか。

多分次のタイミングでいける。

まず、一旦飛び出すふりをして教室に戻る。

そして、相手が魔法を準備している間に攻撃を仕掛ければ良い。


「一応鍋を装備しておくか」


 相手が火球を連射してくる可能性も考えて、リュックから鍋の蓋を取り出した。


「行くぜっ!」


 飛び出すふりをして、教室にターン。

火球が通過するのを確認してから、再度飛び出した。

ネクロマンサーの目の前に躍り出て、剣を振るう。


「……あれっ!?」


 しかし、ローブをかすめただけで、手応えがない。


「後ろにゃ!」


 ネクロマンサーは瞬間移動して俺の数メーター後ろに現れた。


「くそっ」


 反転して剣を振るっても、ギリギリ命中しない距離だ。

相手が魔法の詠唱を始めた時、俺は思い出した。


「投げナイフだ!」

  

 猫は投げナイフを使う、とじじいが言っていた。


「……仕方ないにゃ」


 ナイフをポーチから取り出し、ネクロマンサーに投げつけた。


「グアッ」


 ネクロマンサーの体にナイフが刺さる。

俺はその隙に剣をかつぎあげ、思いっきり振り下ろした。

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