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5 ツンデレがいればヤンデレもいる

カクヨムでも投稿始めました!


なんで、よりによってフィデリアと出会ってしまうんだ

正体を隠したとはいっても、顔に布を巻いただけだ

勘のいいガキは俺の正体を見破るかもしれない


「何ぼーっとしてるのよ。」


話しかけてくんな!

あんまりかかわると正体バレちゃうだろ!

もしばれて、万が一にでも、『お前、森燃やした犯人だろ!』とでもなってみろ


俺はお縄についてしまうんだぞ?


「ちょっと、あんた無視しないで。」


そうなったら俺の異世界生活は終わりだ

ああ・・・神様、どうか、バレませんように


「話聞きなさーい!」


ベシン


「痛っつつつた!・・・なにすんだお前!」


いきなりビンタなんてひどいやつだ


「さっきから、私が話しかけてるのにずっと無視してたからよ!」


・・・ごめんなさい

ぼーっとしてるみたいなこと言われた後から全く聞いてませんでした


「ごめん、ちょっと考え事してて・・・。」


「謝ったんだから許すわ。」


短気だけど肝要なようだ

だが、この流れだと、話の続きがあるよな


「・・・それで、何を俺に話そうと思ってたの?」


「実は、パーティーを組みたいのだけれど、あなた、どうかしら?」


来た来た!

ついに俺もパーティー結成

・・・と言いたいところだが、俺のギルド内の評価を彼女は知っているのだろうか


「一応言っておくけど、俺、最弱って言われてるFランク冒険者だよ。」


「あら、そうなの?私、この町に来たのは初めてだから知らなかったわ。」


この流れだと、やっぱりなしでとか言われるんだろうな

きつそうだけど、美少女だから一緒にクエスト受けるの楽しみにしてたのに


俺の脳内ではすでに、フィデリアと結婚しているヴィジョンが浮かんでいる

多分、バレたら殺される


「・・・まぁ、いいわ。組みましょう。パーティーを。」


「え?」


俺の話聞いてた?

それとも、俺に一目ぼれってやつ?


「勘違いしないで。最近、危ない目にあったのよ。それで、ソロだとやっぱりきついかなと思ったの。2人いれば、雑魚でも一人より生存率は上がるでしょ?」


ああ、なるほど

でも、一つ疑問に思ったことがある


「どうして、ほかの冒険者を誘わないんだ?」


俺より強い人しかいないよ


「このギルドにはごつい男しかいないからよ。女一人だと別の意味で危険なのよ。」


やっぱ、異世界って感じだな

強姦事件とか日常茶飯事なのだろう


「あんたは男だけれど、ヒョロいし、気も弱そう。だからあんたを選んだの。Fランクだって聞いて逆にしたわ。あ、でも足手まといにはならないで頂戴。」


人の悪口ばっか言いやがって

足手まとい?なるに決まっているだろ


「ちなみに私はCランクよ。よろしくね。あなた、名前は?」


なんか、強引にパーティー組むことになったんだけど

まぁ、いいや


「俺はレオ。こちらこそよろしく、フィデリア。」


「・・・私、あなたに名前を言ったかしら?」


やばい

つい言ってしまった


フィデリアはめちゃくちゃにらんでくる

このままだと正体がばれかねない


「え、えっとね、これはね、その・・・さっき君のことを話してた冒険者がいてね、それで名前を知ったんだ。」


これでどうだ!


「私の名前を知っている冒険者はこの町ではあなただけよ。ほかのやつとは話したこともないもの。本当のことを言いなさい。」


ダラダラ


汗が滝のように流れてきた

どうしよう


「・・・・・・」


何も言えずに固まっていると


「まぁ、いいわ。今は見逃してあげる。その代わりに、今からクエスト受けるわよ。」


こうして、何か勘づかれたかもしれない恐怖を抱えながら、人生初のパーティーを結成することになった


* * *


俺たちが受けたクエストはオークの討伐

本来であればDランク案件だが、フィデリアとパーティーを組んだので、俺もこのクエストに挑める


「それでさ、危ない目にあったって君が言ってたけど、何があったの?」


フィデリアが正体を隠して戦っていた俺のことをどう思っているか聞いてみた

かっこよかった!

といってくれるかな


「ああ、それね。実はミノタウロスに遭遇しちゃったの。そして殺されそうになったんだけど、覆面の男が助けてくれたの。ちょっと、かっこよかったわ。」


「そうか、ふへへへ・・・」


分かっているじゃないか!


「なんであんたが嬉しそうにしてんのよ?」


やべ、ついうれしくて顔に出てしまった


「なんでもないよ。気にしないでおくれ。」


「ふぅ~ん?・・・ただ、あの男、かっこつけてたけれど、よく考えたら顔に布切れ巻き付けた変態なのよね。そこは残念だったわ。」


ぐっ!


(俺だってダサいってわかってたけど、あの時は布切れしかなかったんだよ)


「そういえば、あなた、あの男と背格好が似ているわね。」


ギクッ!


「な、何かの間違いじゃ・・・。」


その時


「ヴぉおおおおおおおおおおおおお!」


オークが現れた

数は三体


「話はあとにするわ!あんたは私のアシストをお願い。」


「了解。」


いいところに来てくれた

オーク君には感謝しなければならない


「はぁぁぁああああ!」


フィデリアは抜刀し、正面にいるオークに斬りかかった

オークは殴りかかって応戦するも、一瞬で切り伏せられた


(強えな)


俺も頑張らなくては


「ウィークフレイム」


俺は火魔法を5つ発動した


そして、オークの目を目掛けて発射した


「ぎゃぉぉ!」


オークが目をやけどし、悶絶する


そのすきをフィデリアは見逃さず、切り伏せた


「あ、あんた、今、短縮詠唱を・・・。」


またやらかしたぁぁぁぁぁ!

もう、今日で何回目だよ


「それは・・・」


そう言いかけた時、油断したフィデリアに背後から殴りかかってくるオークに気づいた


「危ない!」


俺はとっさに、インヴィジブル・ウィンド・ブレイドを使ってしまった

オークは両断され、死んだ


「あ・・・・」


終わった・・・


「貴方、無詠唱で、しかもその技・・・あの男の・・・。」


俺はごまかしきることができず、すべてを話すことになった


* * *


「あはははは!・・・まさか、森を燃やしたことを隠ぺいするために正体を隠していたなんて。あなた、どんな気持ちで『お前は知る必要はない』なんていったのよ!あーおなかが痛くなる。」


プルプル


そう言われたってあそこまで爆発すると思わなかったもん

それに、フィデリアにかっこつけたのはそういう気分だっただけで深い意味はないもん


俺は体を震わせながら真っ赤になって硬直している

ちなみにここは酒場だ


「・・・でも、私を助けてくれたことは感謝してるわ。その、あの・・・。」


「なんで君が照れてるの?」


「うっさいわね!あ・り・が・と・う!これでいいかしら!」


更に顔を赤くしてフィデリアがそう言った


ああ、君はツンデレというやつか

いいねぇ、リアルツンデレに会ってみたかったんだよ


「な、何にやにやしてんのよ!」


「別になにも思ってないよー?」


おっといかん

顔にまた出てしまったようだ


だが、よかったよ

フィデリアは爆破事件のこと、黙ってくれるらしいし


「と・に・か・く!これで正式にパーティー結成でいいわね?」


「いいよ。」


照れすぎだろ

だが、それが可愛い


その時、悪寒がしたので後ろを振り返ると


「ずいぶん、楽しそうね。」


リリーさんがいた

目が笑ってない


あれ、彼女ってヤンデレだったっけ?

俺は、身の危険を感じた


修羅場と化した酒場・・・いったいどうなる!?

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