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1 チート能力がなくてもモンスターは倒せるらしい

新連載始めました!


もしよければ私のほかの作品も読んでみてください。

土砂降りの雨の中、男子高校生が走っている




「やばい、傘持ってくればよかった。急に雨降るなんて聞いてねぇよ。」




この日は、雨で暗くて周りが見えていなかったんだと思う


俺が横断歩道を渡ろうとしたときに、トラックが突っ込んできた




「あ・・・・。」




死ぬ


そう確信した


まだ、彼女もできたことないのに・・・


ドン!!


俺の体は衝撃で宙を舞い、そこで意識が途切れた




* * *




死んだと思った


あの時、猛烈な痛みと衝撃を感じた


そして、そのまま意識を失った




だけど、次に目を開けると見知らぬ街に俺はいた


着ていたT-シャツとジーンズはそのままだ




「どこだ、ここ?」




中世を感じさせる西洋風の街


ケモミミの人やエルフがいる




もしかして、これ、異世界転生か?


いや、死んだときの姿のままだから、異世界転移といった方が正しいか




まじか


・・・ということは俺は何かしらのチート能力を持っているのか!?


よし、そうと決まれば冒険者ギルドを探すぞ!




ん?


強そうな女の人があそこに入っていってるぞ


あそこかな?




「キャー!変態ー!」




どうやらここは女子トイレだったらしい

何であんなギザギザな文字が女子トイレって文字なんだよ




*  *  *




「痛てて・・・。」




ビンタされた頬を押さえる


くそ!


この世界の文字が読めたなら、こんなことにはならなかったのに


でも、言葉はわかるし、道を歩いている人に、冒険者ギルドみたいなのがないか聞いてみよう




「すみません。冒険者ギルドというものはありますか?」




人のよさそうなおっちゃんに話しかけてみた




「なんだ坊主、冒険者ギルドはどこの町にもあるじゃないか。」




そうなんだ

まじかよ

わくわくが止まらない




「それでは、冒険者ギルドまでの道を教えてくれませんか?」




「わかった。」




おっちゃんの説明を聞いて俺は冒険者ギルドに到着することができた




*  *  *




ここか




恐る恐る扉を開けると、そこにはアニメで見たような光景が広がっていた




ガラの悪そうな冒険者や美人の受付嬢、魔法使いもいた




「すげぇ・・・。」




俺は受付の方に目をやった


すごい人数の人が並んでいた


だが、誰も並んでいない受付があった




なんでだろう?


(並ぶの面倒くさいしあそこでいいや)




「すみません。冒険者登録をしたいのですが・・・。」




すると、受付嬢は驚いたように目を見開いた


「あいつ、あの女のこと知らないのか?」


「やめておけ。言わなくてもすぐにうわさが広まる。」


みんな、何を言っているんだろう?


肩より少し伸ばした銀髪に青い瞳


モデル並みのスタイル


絵にかいたような美少女だ




「可愛い・・・。」




「はい?」




あ、本音が出てしまった!


きもいと思われたかも・・・




「す、すみません。気にしないでください。」




「は、はい・・・。それで、新規登録のお客様でよろしいでしょうか?」




受付嬢は困惑しながらも仕事を全うすることを決めたようだ




「はい。」




「それでは、こちらにお名前をお書きください。」




「了解し・・・。」




待って


俺、この世界の文字書けないじゃん


どうしよう




「あの、どうかなさいましたか?」




言わないといけないよな



「それが、恥ずかしながら、俺、文字をかけなくて・・・。」




「なるほど、それでは私が代筆しますので、お名前を教えていただけませんか?」




そんなことできるんだ!


ラッキー



・・・で、名前か


前世の名前だと多分変な名前だと思われるよな


う~ん。ここは海外の名前っぽく・・・




「レオ、レオ・クラインです。」




なんとなく決めたけど、かっこ悪くないしこれでいいだろう




「かしこまりました。それでは、年齢を教えていただけますか。」




それから、手続きを進めた


冒険者としての規則や冒険者の階級制度、役職などだ




どうやら冒険者にはS~Fの7階級があり、魔法使い、剣士、僧侶などの役職があるようだ


そして、新人冒険者はみな、"冒険者"という役職につき、最初は魔法や剣の基礎を学ぶらしい




「手続きは完了です。レオさんはFランク冒険者として最初は新人講習に参加してもらいます。」




「はい。」




まずは、講習会の教官に、俺のチートを見せてやるか




*  *  *




ああ、終わった


チートどころの話ではなかった




俺は初級魔法を使うのがやっとだった


剣術だって下の方だった




魔法がなぜ使えるかって?




この世界には魔力というものが存在し、それを使い、詠唱によって魔法を発動できるのだ


魔力量には個人差があるみたいだが、俺は平均よりかなり下だった




(ううっ、こんなの弱すぎるよ)


教官も新人でもここまで弱いやつは初めて見たと言っていた

教官も頭を抱えていた


一生底辺なんて嫌だ


そう思ってギルドへ戻ると




「おーい、最弱小僧が帰ってきたぞぉ!」




どこのだれか知らないが俺のステータスを言いふらした奴がいるらしい

人の醜態をさらしやがって


なんだよ、人間関係も最初から最悪なのかよ




恥ずかしくてここから早く出たかったが、無一文なのでクエストを受けることにした


攻めて、話したことがある人のところに行こうと思い、さっきの受付嬢のところに言った




「えっ?あなた、また?」


受付嬢は信じられないものを見る目で俺を見てきた

最弱だから態度がそっけなくなったのだろうか


いや、これは嫌悪や嘲笑の目ではない。


では、なぜ?


「おい、誰か言ってやれよ。あのガキがかわいそうだろ。あの女の親は・・・。」


「本人の目の前で言えるかよ。」


またみんなが何か言ってるけど気にしないようにしよう


すると、受付嬢は悲しそうな顔をした


「どうかなさいましたか?」


「あ、いいえ!なんでもございません。クエストを受けに来たのですね。」


受付嬢はごまかすように資料を持ってきた


Fランクが受けられるクエストは、薬草採集、掃除、飼い猫の捜索、ゴブリン討伐、スライム討伐だった


安全を考慮すると薬草採集や、掃除、飼い猫の捜索がよいのだが、金がまずは欲しい


だから、俺はスライム討伐を受けることにした


「これでお願いします。」


「えっ?新人が最初からモンスター討伐を?スライムは弱いとはいえ魔力耐性は高めですし、剣は通りにくいですし、薬草採集の方がよいのではないでしょうか?」




正論言わないでよ


それでも俺は金が欲しいんだ




俺はスライム討伐へ向かった


「スライムは水素でできており、変幻自在に体の形を変えることができます。また、粘液を飛ばしてくるのでご注意を。」


受付嬢がアドバイスをくれた


「スライムの粘液弾で、服を溶かされて、全裸になって帰ってくるんじゃねぇぞ!」


「ぎゃははははは!」




周りの言葉は無視した




*  *  *




夕方の森だ



「確か、ここら辺に・・・いた!」




スライムが3体ほどいた


水色の丸い塊みたいな姿だ。


そして、体の中心に怪しい光を放つ、紫色の核がある


あれ、あんなのスライムにあるっけ


説明と違うんだけど


よし、とりあえず、魔法で倒してみよう




「汝に残火の力を与えよ。ウィークフレイム!」




詠唱を行い魔法を発動する


すると、手のひらサイズの炎が顕現した


「くらえ!」


スライムに向かって魔法を放つ


しかし、一体も殺すことはできなかった


しかも、ドロリと3体が融合して大きなスライムになった


「へ?」


嘘だろ。聞いてないって


スライムは粘液弾を発射した

地面がえぐれ、湯気が上がる




冒険者の冷やかしでは、粘液弾って、服が溶ける程度って言ってたよな?


話と違う




「いやぁぁぁ!」




俺は全力でスライムから逃亡した




「ウィークフレイム、ウィークフレイム!」


死に物狂いで魔法を発動した

そのせいで、短縮詠唱を会得したことに気づいていなかった


しかし、魔力耐性が強すぎてかすり傷にしかならない


スライムが粘液弾の雨を降らせる。


俺は死に物狂いでよけるも、体のあちこちに生傷を作り始めた


「ッツ!」


痛い


ちゃんということを聞いておけばよかった




粘液弾によって発生した湯気の中でそう思った時




確か、スライムは水素でできてたよな


受付嬢の言葉を思い出した


『スライムは水素で・・・』


ということは、粘液弾も水素から作られている


そして粘液だから液体水素に近しい者であることは確かだ


ならば・・・



俺は湯気の中から脱出し、スライムを俺がいた場所まで誘導した




「ウィークフレイム!」




ありったけの魔力をつぎ込んで魔法を発動した


頼む、水素ガスが混じっていてくれ・・・




そして、スライムに魔法が着弾した瞬間、周りの水素ガスに反応して、火魔法が大爆発を起こした




スライムは燃え尽き、周囲に火が広がった




「待って、俺も巻き込まれちゃう!」




俺の前世の科学知識を使った作戦は成功はした


だが、代償に、俺の服が焦げ、いくつかやけどを負った


いや、それだけで済んだだけましだ


魔力のおかげかな

魔力には防御効果もあるようだ




俺は急いで火を鎮火した


もちろん魔法で


おかげさまで魔力が空になった



ついでにスライムに会った紫の核を回収した


スライム討伐の証拠になるスライムの肉片はすべて燃え尽きたようだった




*  *  *




「た、ただいま戻りました・・・。」




重たい体を引きずりながらギルドへ帰還した




「お、最弱小僧のご帰還だぜ!」




「なんだ、ぼろぼろじゃねえか。」




「なんでスライムと戦ってあんなけがを負うんだよ。」




「あれじゃねぇか、さっき聞こえたろ?爆発音。あれに巻き込まれたんだろ。」




「間違って地雷でも踏んだのか?」




「ぎゃははははは!」




今は冷やかしなんてどうでもよかった


俺はあの受付嬢ところまで行った




「これ、スライムの肉片の代わりに・・・・。」




「お、お客様、大丈夫ですか?」




受付嬢が近寄る




「大丈夫です。それより、これはだめですか。」




ああ、スライムがあんなに強いなんて思わなかった


自分がどれだけ思い上がっていたか実感したよ




「お、お客様?普通のスライムを、倒したのですよね?」




「うん。水色で紫のそれがあるやつ。・・・もう、紫の核があるなんて知らなかったんですよ!合体するし、粘液の威力化け物だし。」




すると、受付嬢の顔が青ざめる




「お客様。それは、たぶん、スライムの中でも最強と言われる、アンビータブルスライムです。このスライムはCランク冒険者が2人いないと倒せないレベルです。」




え?




「どうやって、倒したんですか?もしかして、死骸を・・・。」




ずるしたと思われてる!?


てか、そんなに強かったの?




「違います!スライムの水素を利用して爆発を誘発させて倒しただけで・・・。」




その時




「おい、最弱小僧・・・さっきの爆発、お前がやったのか?」




冒険者が冷や汗をかいている




「はい。」




そう言った瞬間、ギルドの空気が一変した




もしかして、これ、すごいことなのか?




ーーーこうして、レオの無双劇が始まる

   









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