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100/100

【100】孤児院の子供たち

ついに100話です★


リ「わぁー!100話だって!すごいね!」

ア「そっかぁもう100話かぁ」

リ「そう言えば、このお話始まってから1年経ってる!」

ア「本当だ!もう1年も経ってるんだね!」

リ「でも、まだこっちに来て1年も経ってないね」

ア「そう言えばそうだね、まだ1年たってないんだよね、このお話、いつ終わるのかな?」

リ「さぁ、だってまだ半分も進んでないんじゃないかな?この分だと後1年はかかるんじゃない?」

ア「えー、まだ半分も進んでないの?!遅くない?!」

作者「すみません……、行き当たりばったりで書き進めてたら、亀の歩みになってしまって、気が付けば1年。やっとキーポイントに行き着くところです(汗)」

リ「ちゃんとしてよねー」

ア「やっとなの?!やっと話が進むの?!」

リ「でも、今ボクいないんですけど…」

ア「大丈夫!私がしっかり進めとくから!リゲルはしっかりフィーの元でお勉強してて!」

リ「なんか寂しいけど、ボク頑張ってレベルアップして帰ってくるから!期待してて待っててね!」

ア「わかった!私も頑張るから、リゲルも頑張ってね!」

作者「私も頑張るので、アリスもリゲルも、頑張っていきましょう!」

リ・ア「おーーーー!」



ということで、100話&1年記念。亀の歩みの【アルバイトは雑貨屋で】キーポイントになる今回のお話をお楽しみくださいm(※≧Д≦※)m



 

 興奮気味のナットくんを「また今度ね」と約束して、なんとか落ち着かせることに成功した私は、シェイナさんとリュカに何でこうなったかを説明した後、騒がせたお詫びに小さな子供たちの午前中の相手をすることになった。

 シェイナさんは、子供たちがせがんだ事だしお気になさらずと言っていたけど、私の両手を離さないチビッ子たちを見るに、どこかに連れていこうとしてるっぽかったので、それも気になり自ら引き受けたのだ。


「あまりアリスさんを困らせるんじゃありませんよ?」

「はーい!」

「すみませんが、よろしくお願いします」


 シェイナさんはしゃがみこんで子供たちに言い聞かせると、元気良く返事をした子たちの頭を撫でてから、立ち上がって私に向き直り頭を下げた。


「はい、では行ってきます」

「アリスお姉ちゃん早く行こー! こっちだよ!」


 子ども達に手を引かれ、私はシェイナさんに小さく会釈をしてその場を後にした。



「こっちだよ!」


 手を引かれてやってきたのは、小さな花畑だった。


「うわぁ、キレイだねぇ」

「でしょでしょ! 孤児院で一番キレイなとこなの!」


 広い敷地内一面に、背の低い花々がサワサワと風に揺れていた。もうすぐ冬になろうという気候の中、力強く咲く花たちはとてもキレイだった。


「ここね、いつもいろんなお花が咲いてるの! アーチェの一番お気に入りなの!」


 アーチェと言った女の子は、5才くらいの少し小さい緑の髪をした子だった。目をキラキラ輝かせて一生懸命私に説明してくれた。周りにいた子達も一緒に自分の好きな花を教えてくれた。


「でねでね! ほら!」


 花畑の中、器用に花たちを踏まないように入っていくアーチェちゃんは、ストンとその場でしゃがみ込んで花の真ん中を指さした。

 ほら! と言われてもよく分からず、私も花を踏まないようにアーチェちゃんに近づき一緒にしゃがみ込む。


「見てこれ! とってもキレイなの!」

「どれ?」

「これ!」


 アーチェは私に見てもらいたくて必死に口を動かし、花びらの中央を指さした。


「アーチェがまたやってるよ。そんなんただのゴミじゃんか」


 後ろからついてきていたアーチェちゃんと同じ背格好の男の子が、くだらなそうにアーチェちゃんに話しかけた。


「ゴミなんかじゃないもん! キラキラしててすごくキレイなんだから! サラお姉ちゃんだってキレイだねって喜んでくれたもん!!」


 サラ姉ちゃん。はて、最近サラって名前をどこかで聞いた気がする。どこだったっけ?


「サラ姉ちゃんはみんなに優しいんだよ。そう言うに決まってんじゃんか。バカだなアーチェは」

「バカじゃ無いもん!! それに本当にサラお姉ちゃん喜んでくれたもん!」


 私を挟んで、ヒートアップしていく二人。頭の後ろに手を組んでアーチェちゃんを見下す男の子。顔を真っ赤にして拳握っちゃって怒るアーチェちゃん。遠巻きに「またか」と呆れ顔の子供たち。


「マークはセンサイさが無いって、アリシエが言ってた! バカはマートの方なんだから!」

「なっ! なんだよそれ!」

「ストーップ! そこまで!」


 パチンッとわざと大きな音を立てながら手を叩き、目線を少し合わせるようにかがんでから交互に二人と目を合わせた。


「二人とも、人のことをバカとか言っちゃダメだよ」

「バカにバカって言って何が悪いんだよ、こいつ、こんなゴミばっか集めてくっだらない」

「マーク、くん? キミにとってはくだらない事でも、アーチェちゃんにとってそれはくだらなくなんか無いんだよ。人の思いは人それぞれ、マークくんが決めて良いことじゃないよ?」

「なんだよそれ」

「アーチェちゃんがキレイだなって思うことが、マークくんにとって何か悪いことなの?」

「べ、べつに」

「それならマークくんは、アーチェちゃんを傷つけたかったの?」

「んなわけっ!」

「でも、アーチェちゃんは悲しんでるよ?」

「っ!」


 マークくんはクワッと目を見開き、顔を真っ赤にしながらも眉間にしわを寄せ、ぷいっと横を向いてしまう。あらら。男の子ってどうして好きな子いじめたくなるんだろうか。微笑ましくも痛々しい。

 私は続いて、アーチェちゃんに向き合う。


「アーチェちゃん、せんさいさって意味分かってる?」

「し、しらない……」

「でも良くない言葉だってことは分かってるんだよね?」

「……うん。だってアリシアが悪口言ってる時に使ってたから」

「だったら、それが人を傷つけるかもしれないっていうのも、わかるよね?」

「……ごめんなさい」


 見るからにしょんぼりするアーチェちゃんの下がった頭をよしよしと撫でてあげる。こっちはまだ幼すぎて考え無しの言動だろう。二人を見て可愛いなぁなんて思う反面、シェイナさんも大変だなと、やんちゃだった従兄弟達の母、叔母を思いだし苦笑いしてしまった。


「二人とも、謝れる?」

「オレはっ!」

「ごめんね、マーク」

「っ!」


 先に謝られてしまったマークくんは、ちょっとバツが悪そうに眉間のシワをさらに深めた。


「バカっていってごめんね」


 なんとも悔しい? 心の葛藤がありありと分かる歪んだ顔で、拳に力をいれたマークくんだったけど、アーチェちゃんの可愛い顔がコテンと横に傾くと、目を見開き口を真一文字にして、ぶわっと耳と言わず顔中真っ赤になった。

 何この子、めっちゃ分かりやすい。笑いたくなる気持ちをぐっと堪えて、マークくんの返答を待った。


「……ったよ」

「え?」

「悪かったよ! ちゃんと謝ったかんな!!」

「あ! マーク!」


 捨て台詞みたいに叫びながら、脱兎のごとく走り去っていったマークくん。アーチェちゃんはマークくんが走って行く背中を見つつあっけにとられていた。


「可愛いなぁ」


 私もマークくんの走りゆく背中を見ながら、なんとも微笑ましい気持ちになった。フヨフヨと口元が緩んでいたら、袖をクイッと少し引っ張られる。


「アリスお姉ちゃん! ほらみて!」

「そうだったね」


 なんとも切り替えの早いアーチェちゃんだ。マークくんの事は記憶の彼方に追いやられ、すっかり次の事に頭が切り替わっていた。

 花の中央を覗き込むと、日の光に照らされキラキラと光る雫が見えた。


「わぁ、きれいだね」

「でしょでしょ! これすっごくきれいなの!」


 アーチェちゃんの目までキラキラで、お花と雫と合わさって三割増しくらいにアーチェちゃんが可愛く見えた。なにこれ、可愛すぎ。うちのリゲルにも負けないかも。お持ち帰りしちゃダメかな?

 なんて、不埒なことを考えてた私をよそに、アーチェちゃんは雫にそっと触れていた。


「もう大丈夫だ」

「何が大丈夫なの?」


 アーチェちゃんが花に手を添え傾けると、コロンと雫が手のひらに転がった。

 朝露かと思いきや、個体でちょっとビックリだ。


「朝早いとまだ固まってなくてベタベタなんだけど、ほらみて! もう固まってるから大丈夫!」

「へぇ、そうなんだ。不思議だね」

「アリスお姉ちゃんにあげる!」

「いいの?」

「さっき遊んでくれてありがとう!」


 なんて良い子だ! ジーンと心が暖かくなり満たされた気持ちになる。アーチェちゃんの気持ちがとても嬉しかった。

 大事そうに手渡しされた雫を日の光に当てると、表面に反射してキラっと光った。良くみると透明度が高く……、高いっていうか、透明だ。混ざり込み無しの透明。

 固まってるとは言っていたけど、朝露だし柔らかいのかと思ったら、さわった感触は硬質でツルツルだった。なんだろう、どこかで似たのを見た気がする。


「アーチェちゃん、これってお花から取れるの?」

「うん。お昼くらいに来ると、お花の真ん中にあるの。無い日もあるけど、だいたいあるよ?」


 今はお昼前くらいだ。だからこれは固まってるんだね。朝早いと固まってないって言ってたけど、朝は液体ってことだよね? んん?


「無い日って、どんな日かわかる?」

「んー、良く分かんない」

「そっか」

「でも本当に綺麗だね」


 何に似てるんだろう……。悩みながら雫をまじまじと見ていると、他の子達も寄ってきて話に加わってきた。


「雨降った次の日とかは無いし、風が強い時もないかも。あ、後曇ってる日も無いわね」

「晴れてる日はたくさんあるよね!」

「そうそう! だから今日はいっぱいあったよ」

「アリスお姉ちゃんこれ好き?」


 子供に言われ考えてみる。小指の爪の半分くらいの大きさの雫。小さいけど綺麗で可愛い。うん。好きかも。こう、創作意欲がわくって言うか……。最初は液体なんでしょ? ってことは、形を変えられるかもしれないのかな? 時間で固まるみたいだし……。


「うん、好きだよ。小さくてキラキラしてて可愛いね」

「じゃあ、あげる!」

「私も!!」


 私が好きだと言ったとたんに、子供たちは私の手にじゃらじゃらと雫をたくさん乗せてきた。


「うわぁ! こぼれちゃうよ!」

「あはは! まだまだたくさんあるよー!」

「アリスお姉ちゃんキラキラだー!」


 メルヘンチックなキラキラ雫攻撃? を受ける私は、子供たちとキャッキャウフフ状態ではしゃいでいた。しゃがんでいた体勢も、攻撃を受け尻餅を着いた形で座り込み、みんなでキラキラまみれだった。

 たくさんの雫の中には、真ん丸や雫型や細長いものだったりも混じっていた。

 やっぱり形は変えられるかもなぁ。シャラシャラとスカートに溜まった雫を見てふと考え込む。

 急に黙り込んだ私を、子供たちは不思議そうに見てたけど、考え込んだ私にはその表情までは見えていなかった。


 あれ? 朝早くは固まってなくてベタベタで、曇ってる日に取れなくて、晴れた日にたくさん取れる?


「アリスお姉ちゃん?」


 いろんな形があって、透明で、固くてツルツルしてて……。


「あーーーー!!」

「ひゃっ!」

「ごめんなさいっ!」

「へっ?!」


 点と点とが繋がって、引っ掛かっていたものがするっとほどけ、アレがなんだったかを思い出した私は、衝撃と感動で思わず大声を上げてしまった。


 急に黙り込んだと思ったら大声を出した私に、アーチェちゃんたちは不安そうな表情で必死に謝ってきた。


「アリスお姉ちゃん、イヤだった?」

「怒った?」


 ちょっと泣きそうな子もいて、突然大声を出した事を後悔した。


「大きな声だしてごめんね。ううん、そんなこと無いよ? とっても楽しいよ」

「ホント?」

「本当だよ、こんなに沢山みんなありがとう! すごく嬉しいよ」


 怒ってないとわかると、子供たちの表情も和らぎ、私も自然と笑顔になる。


「また遊びに来て良いかな?」


 そう言えば、子供たちは笑顔になり跳び跳ねる子までいた。


「うん! また遊びに来て! 絶対だよ!」


 今度来るときは朝イチで来てみよう。私の予想が正しければ、きっとアレが作れるかもしれない。この世界で他の材料を揃えるのは大変かもしれないけど、これを見つけちゃったからには作ってみたくなる。

 ちょっと前に流行った液体固めて作るアレ。多趣味な私の趣味の1つだったやつ。久しぶりの創作活動に心踊らせ、両手いっぱいの固まった雫をハンカチに包みホクホク顔で子供たちと孤児院の建物に戻ったのだった。







更新がものすごく空いてしまってすみませんでした(汗)

記念の100話は長めになりましたが、次話からは通常の文字数になります。


今年度から働き方が変わった&学校の役員等々、思うように執筆活動が進みません。

それでもゴールに向かって頑張って行きますので、応援よろしくお願いしますm(。≧Д≦。)m


では、また~( ≧∀≦)ノ


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