公爵と国王(+おまけの転移者)
最近忙しいのでなかなか投稿できなくて申し訳ないです…
それはそうと総合評価100いったので今の章と次の章の間にネリネ(リリィ)の過去編書きます。
あと、あるキャラクターの過去を別作品で書こうと思ってます。
今のところあまり進んでいませんが…
兎にも角にも、今後もゆっくり(流石に落ち着いたらもう少し早くしますが)更新していくので、読んでいただけると幸いです。
コメントで要望等してくれてもいいのよ?|д゜)チラッ
王城客間━…
ギコウが扉を開き、それに続いてムスカリも部屋に入る。
中は高そうな物もちらほらとみられるが、いたって普通の部屋…を、少しだけ上質にしたような部屋だった。
中には5人の少女が真剣な表情で…ムスカリが入った途端視線が集まる。
「...ムスカリ...こっ...ち...」
「おにいちゃん…背伸びた?」
「アルさん!?どうやってその姿に…」
「むしゅかりしゃま…?」
「あ、ムスカリさん!この子達は一体…?」
「あー、とりあえずこの姿の理由からでいいか?」
その言葉に周りが大体頷いたのを見て、インベントリから一枚の紙を取り出す。
大きさ、形共に店のポイントカードのようにも見えるそれを見て、ネリネとローズは納得した表情をする。
「ムスカリ君…それは?」
「これは、"エイジチケット"っていうものです。」
「エイジチケット?」
「簡単に説明するとですね…」
紙にインベントリから出した筆で"5"と記入し、右腕に巻く…と同時に体が光に包まれる。
その光が収まると、同じ場所に5歳の俺が立っていた。
「紙に書いた年齢に変化するものです。」
それを見た反応は様々だった。
ギコウと五十鈴が呆けた表情をしており、ネリネとローズは納得し、βがなるほど!といいたげな顔だった。
アリスは…たぶん理解してないんじゃないかな。
「それは…実質寿命が無いということかな…?」
「大体あってますね。まあ体を若返らせるだけで時を戻すわけでは無いですが。あと制限も一応ありますし。」
「それでも相当価値のある物だが…無限生産は?」
「可能です。」
「…これのことは口外しないように出来るかい?」
「多分知ってる人は知ってますよ、少し特殊な製法なだけなので。」
そして俺はもう一度15歳の体に戻る。
「外で生活するならこっちの体の方が都合がいいんですよ。子供だといろいろ制限がありますから。」
「アルさん…一つよろしいですか?」
「ん?」
呆れた表情でローズがこちらを向く。
その手には同じ紙があり、それに記入して光に包まれる。
光が収まると、そこには中学生くらいの金髪の少女が同じ表情で告げる。
「一応素材は貴重な物ですから、無駄遣いしないようにしてくださいね?」
「あー…そっか。今は〚箱庭〛開けないから新たには増やせないか。」
これの素材は俺のテイムモンスター(エネミーは敵だがテイムすると敵ではなくなるためテイムモンスターと呼ばれる)から採れる素材が大半なので、〚箱庭〛無しでは厳しい。
開けない理由は必須アイテムの"鍵"がどこかに無くしたっていう…
たしか後半の街で再生成できるからいいかってあきらめてる現在。
「とりあえず見た目に関しては理解した。…だが、なぜあの場所に転移したのかは…」
「それに関しては悪戯というか…なんて言えばいいのか…」
「悪戯?」
「転移させられた先が丁度そこだった、で納得できますか?」
「それは…うーむ…」
「俺が送ったんだよ、ギコウ・ペンドラゴン国王?」
後ろから聞こえた声に部屋にいた全員が視線を向ける。
そこには、灰色の外套に身を包み、道化の仮面を付けた男が立っていた。
「カリヅラ公爵…なるほど、それなら納得できますな。」
「そうだろ?多分今後もいろいろあると思うけど理解してくれると嬉しいかな。」
「ははは、もちろんです。」
その会話は、明らかに王と公爵のするものでは無かった。
公爵のほうが国王より上の立場だと言っているような物である。
だが、その疑問を口にするものは一人もいなかった。
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王都冒険者戦他亜━…
「イワコガネを討伐した。これがその羽だ。」
「ええと…はい、確認しました。こちらが報酬です。」
青髪の受付嬢が銀貨の入った袋を差し出す。
それを"黒髪黒目の少年"が受け取る…際に、手と手が触れる。
が、受付嬢は何食わぬ顔で一礼し、次の冒険者の対応を始めた。
少年が戦他亜をでると、そのPTメンバーである少女達が笑顔で迎える。
「この前登録したっていうのにもうイワコガネを倒せるなんて…凄いよね~」
「はい、私もそう思います。」
「…」
3人の少女に(一人は無言だが)ほめられ、照れ笑いのような顔で少年が笑う。
「ああ、これこそ転生だ…」
少年の呟きは、誰にも聞かれることなく消えて行った。
イワコガネ
大きくて岩のように固い虫。
お世辞にも強いとは言えないが、決して弱くもない…
そう、弱くはないはず。
なおロックビートル♂はこれの十数倍強い
ロックビートル♀はさらに数倍強い。