田起こししていたらいきなり矢で射られました
畦もほとんど出来たので、今度は田起こしだ。
今日からは馬にも手伝ってもらってやろうと私はいき込んでいた。
使える騎士団の馬は100頭だ。
「馬に鋤を付けるんですか?」
ホレスは最初は嫌がった。
まあ、騎士団の馬は基本は戦闘用だ。
それに農機具を付けるのも嫌だろう。
でも、馬にも飼料代とか色々かかるのだ。
ほとんどその当たりの草を食べさせていたから今はかかっていないけれど、馬は戦闘以外は今は使っていない。
「私達もだだ飯食いを養っていく余裕は今は無いのよ!」
私の一言にホレスはがっかりしていた。
「すまんなシロ、こんな道具を付けて」
ホレスは愛馬の白馬に話しかけているんだけど……シロって何よ、シロって、白馬だからシロって単純すぎない? 犬じゃないんだから!
私が後でセイラに言ったら
「ドラクエをドラちゃんと呼んでいる時点で単細胞な件はアデライン様も同じです」
って言われてしまったんだど、ニックネームだから何でもいいと思うのだ。
「ドラちゃんはドラちゃんよね」
私は声を出すと
「はい」
「えっ?」
いきなり横にドラちゃんが現れて私はびっくりした。
セイラなんてぎょっとしていた。
「いきなり現れたら驚くじゃない」
私が文句を言うと
「基本的にお前はアデライン様を守っておけとオーガスト様に言われていますから」
何でもないことのようにドラちゃんは言ってくれたんだけど……
近くにいたホレスまでぎょっとしていたし、
ヒヒーン!
馬たちまで暴れ出したんだけど、
「俺がアインに着いているから今は良いぞ。それよりも変な奴らがこの地に来ていないかそれを探れ」
お兄様がドラちゃんに手を振った。
「了解いたしました」
さっとドラちゃんが消えてくれた。
「お兄様、王家が何かまた企んでいるの?」
「アインは気にするな。騎士団の一部は警戒させているし、何かあれば俺が対処する」
お兄様は一言でかたづけてくれた。
うーん、ここの領主は私だって行ったくせに、それで良いんだろうか?
そう思いつつ、まあ、騎士団の長はお兄様だし、私に王家の影を対処出来るかと言われても出来ないので基本はお兄様に任せることにした。
それよりも今は開墾よ。
「本当にシロにこんなことさせるんですか」
「しつこいわね。何回も言ったでしょ。シロにもお米が出来たらあげるからね」
私がホレスを撫でると
「アデライン様。シロは馬ですから、米は難しいのではないですか?」
「えっ、そうかな。ご飯は美味しいわよ」
私はそう思ったのだが、馬は草食だから中々難しいらしい。
食べないことは無いみたいだけど、出来たらあげてみようと思う。
「アインいくぞ」
お兄様がこれも馬車の馬を持って来て、その馬に鋤を付けていたんだけど……
うーん、お兄様は元々体力馬鹿だから鋤も馬を使わずに一人で出来ると思っていたのに……
これはこれで戦力の無駄遣いではないだろうか?
そう言うとまた怒りそうだから黙っていることにしたけど……
私はお兄様の引く馬の前に行く。
馬車の馬ということは私をここまで連れてきてくれた馬のはずだ。
「今日はよろしくね」
ヒヒーン!
頭を撫でてやると啼いて私の顔を舐めてくれた。
「ようし、行くぞ」
お兄様の合図に私は馬に付けた手綱を引いて、ゆっくり歩き出した。
お兄様が鋤を地面に突き刺している。
それを馬が引いていくんだけど。
横一列に並んで皆一斉に動き出した。
さすがに100頭の馬が横一列になって鋤を引いて歩く様は凄かった。
焼けた地面がドンドン堀り起こされていく。
端まではあっという間だった。
今度はユーターンする。
結局2往復した。
「よし、こんな物だろう」
お兄様が皆を見渡した。
「各自担当の開墾箇所に行って開墾を開始してくれ」
「「「はい」」」
全員一斉に担当箇所に散っていった。
「お疲れ様でした」
そこにセイラ達侍女が飲み物を持って来てくれた。
私はコップにされてくれた、井戸水を飲んだ。
少し暑かったので、のどごしが冷たくて美味しい。
私は一気にコップの水を飲み干した。
馭者が私の馬に水をやってくれた。
「えっ、どうしたの、ドラちゃん、その格好?」
私はドラちゃんを二度見した。
ドラちゃんが馭者の格好をしてそこにいたのよ。
「いやあ、私も田起こしをやってみたくなりまして」
ドラちゃんが言い出してくれたんだけど……
「別に良いわよ。今の見ていたんでしょう。鋤の使い方は判るわよね」
「はい」
「じゃあ、ドラの助、次の畑に先に行ってくれ」
お兄様の言葉に私はドラちゃんと一緒に馬を連れて歩き出した。
鋤を軽く押えてお兄様に代わってドラちゃんが歩いてきた。
次の田んぼの端に着く。
「じゃあ、ドラちゃん、行くわよ」
私は馬の手綱を引いて歩き出した。
ドラちゃんが鋤に体重をかけて、田起こしを始めてくれた。
土が大きく掘られて行く。
別に普通にドラちゃんは付いてきた。
やっぱり体力馬鹿のお兄様が馬に付けた鋤を持つ必要なんて全然なかったのたよ。
私がそう思った時だ。
ヒューン!
何かが飛んで来た音がした。
「えっ」
私がそちらを見ようとした時だ。
私の前にドラちゃんが現れて
ズブリ
という音とともに、矢がドラちゃんに突き刺さったのだ。
「ドラちゃん!」
私が叫んだ時だ。
すぐ傍の林から手に短剣を持った20名ほどの者達が現れて、私目がけて一直線に駆けてくるのが見えた。
ここまで読んで頂いて有難うございます。
絶体絶命のアイン。
この後どうなる?
お楽しみに!








