063 帰り道の雑談と買い物
報告と御礼(2025/5/19)
読者の皆様
皆さまのお陰で累計PV100万、評価ポイント14,000を超え、本日のPVも15万を超えております。日間、週刊の連載中にてTop5に入れました。読んでいただきありがとうございます。
また、誤字報告を下さった方々、改めて、御礼申し上げます。
感想を下さった方々、頂いた感想は、全て拝読させて頂いております。筆者の無知や設定の穴、甘さのご指摘、句読点の多さ等々、誤字もそうなんですが筆者自身、初投稿がこの作品です。至らない事は重々分かっているつもりです。今しばらく、生暖かい目で筆者と作品を見て頂きたいと思います。今後とも変わらぬご愛顧を宜しくお願いします。<m(__)m>
ブクマが増えたり、リアクションを頂く事。感想やレヴュー、評価を頂ける事は、変わらずに執筆の励みです。
最後に、繰り返しとなりますが、今後とも、宜しくお願いします。<m(__)m>
天馬が魔術師ギルドを出ると、町は茜色に染まっていた。
マリオが出て来るのを待つというアルフとリーフに断って、天馬はドランの店に顔を出して約束を守れなかったことを詫びた。ドランは、冒険者ギルドから説明を受けていたらしく「秘匿技術を明かすような真似をするな」と詫びに来た天馬を叱り飛ばした。
ドランの店を出ると、大蛇の3人が天馬の事を待っていてくれた。
「それじゃあ、帰ろっか」
そう言って、リーフが先頭に立って歩き出した。
「そう言えば、爺さんが言ってた『巻物』って、なんだった?」
「『岩壁』を30本、『光球』が15本、『治癒』が10本、『帰還』が1組ですね。『帰還』は、絶対に生きて帰ってこいって言う無言の圧でしょうね。まあ、死ぬつもりはありませんけど。『光球』と『治癒』は、あとで分配しますね」
「『巻物』って、俺でも使えるのか?」
「使えますよ。『巻物』の利点は大きく二つ。一つは、魔力の消費がないこと。もう一つが、起動が簡単なことです。『呪文名』を唱えるだけですから。エルン師から聞いてませんか?」
「聞いたかなぁ? 聞いたような気もするが、・・・忘れちまった。それより、『帰還』が1組ってどういう意味だ?」
「今回の討伐が、野外迷宮だからじゃないですか? 『帰還』は、2種類あるんですよ。単純に迷宮からの脱出を目的としたモノと町や安全地帯に移動できるモノ。今回、ギルドから預かったのは戻る先を指定できる物なので、1組になるんですよ。ガルフさんに預けるのが良いと思っています。それで問題ないですよね」
「そうだな。テンマに関して知っている人間の方が良いだろう」
アルフとマリオの話しが終わるのを待っていた天馬が2人に質問した。
「遠征中の糧食って干し肉だけなんですか? 他にパンとか無いんですか?」
「無いな。干し肉と水、エールで十分って奴が大半だと思うが、足りない奴や他の物が食いたい奴は、個人やパーティーで持って来るんだよ。俺達もこれから遠征中の食い物を買いに行くんだ。一緒に来るだろ」
「行きます。調理道具とかもみたいんですが、可能ですか?」
「調理道具かぁ、両方を揃えるとなると時間がなぁ。そうだ、マーニーさんの店に行くか? あそこなら食い物も調理道具も置いてるからな」
「マーニーさんのお店? あそこは食料品の取り扱いはしてないんじゃ?」
「ああ、この前の店と別の店だ。マーニーさんも言っていただろ『食料品 マーニー』、あそこなら全部揃う。それにしてもテンマ、料理も出来んのか?」
「簡単なモノなら出来ますよ。味は分かりませんけど」
「そうか、俺達の分も頼んでいいか? 俺ら、料理はダメなんだよ。肉や野菜を適当に切って鍋にぶっこむ程度は出来んだけど・・・味がなぁ。ここでは蟒蛇や店で食ってるだろ、それに比べると美味くないんだよ。今回、お前は俺ら大蛇の仮メンバーだろ? だったら、今回の遠征の料理番をやってみてくれ。不味くても文句は言わねぇから。頼むよ」
「・・・・・・分かりました。不味くても文句はなしで、約束ですよ」
そんな事を喋っていると『食料品 マーニー』に着いた。アルフが先を歩いていたリーフを呼び戻して、リーフとマリオに改めて、天馬が遠征中の料理番を務めると説明した。
「テンマ君、料理も出来るの?」
リーフが聞いて来たので、天馬は先ほどの会話と同じような会話を繰り返した。
アルフを先頭に店に入る。手前から果物、野菜、肉、乾物、調味料、パンと売り場が並び、清算台の奥に調理道具が並んでいた。時間帯のためか残っている生鮮食品には偏りがあり、パンの売り場には3割値引きと書いた札が掛かっていた。リーフが清算台の横にあった籠を持って来て、
「アルフ、籠をお願い。3人共、食べたい物を籠に入れて。清算は、まとめてで良いのよね?」
そう言って、籠をアルフに押し付けて入口の方へと戻って行った。マリオは渋々といった様子でリーフを追いかける。
「テンマ、調理道具は別会計だ。先に欲しいモノを買ってから俺らに合流してくれ」
そう言い残して入口の方へと歩いて行った。天馬が、調理道具を見るために陳列台に近付くと奥から店員が現れ、
「お客様、何をお求めですか?」
と聞いて来たので、
「野営で使う道具とか鍋、調理道具を見せてください」
そう天馬が答えると「では、こちらから」と案内してくれた。置いてある商品について天馬が質問をすると、その商品に対して詳しく教えてくれた。天馬は、2~4人用の携帯焜炉2つと調理道具一式、鍋類、ザルやボウル、薬味入れ等、食器とカトラリーの購入を決め、合計で中銀貨1枚と小銀貨2枚を支払った。
天馬が調理道具を揃えて食品売り場に向かうと籠一杯に食材を抱えたアルフとマリオの2人が、リーフの後ろをついて歩いていた。天馬が大蛇の3人と合流すると、
「おう、調理道具は揃ったか? こっちは見ての通りの状況だ」
疲れた顔を浮かべてアルフがぼやいた。天馬が2人の抱えた籠の中を確認して、
「これで全部ですか? 調味料とかは?」
「買ったことはないよ。ね」
とリーフが答えアルフとマリオも頷いた。それを聞いた天馬は「店内を一回りしてきます」清算台から籠を取って大蛇の3人と別れて店内を見て回った。
天馬は果物売り場から順番に回って幾つかの果物と野菜、パスタ、塩、オリーブ油、菜種油、果実酢、魚醬を籠に入れて大蛇と合流した。天馬が抱えた籠の中を見たリーフが、
「パスタ? こないだマーニーさんのとこで食べたヤツ? 不味くは無かったけど、それ買うの?」
「ええ、保存も利くし、嵩張らないので買っておこうかと」
「お前も物好きだな。まあ、料理番を頼んだ身としては任せるしかねぇだろな。美味いモノを期待したんだが、・・・しゃーないか」
天馬の答えを聞いて溜息交じりにアルフが言うとマリオが、
「仕方ありませんよ。お願いしたのはこちらの方ですから、諦めましょう」
「そうだね、アルフのせいって事で諦めよっか」
そう言って、大蛇と一緒に清算台に向かい清算を済ました。4人分で銅貨6枚、天馬の選んだ調味料が金額の2/3を占めていた。
買った食料品を天馬が『収納』して『食料品 マーニー』を出るとギルドカードが熱を持った。皆がギルドカードを出して確認すると『明日、朝5時西門の前に集合』と書かれていた。
「早いな、その前にテンマは、ギルドに寄って糧食を入れないといけないから、4時半には起きないとな。まあ、一緒に行ってやるから心配すんな」
そう言って、アルフが天馬の背中を叩いた。叩かれた天馬はアルフを一睨みして、直ぐに笑顔を浮かべ、
「明日からよろしくお願いします」
と答え、大蛇と共に蟒蛇の寝床を目指した。




