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029 ランクアップとギルドカード

2025/7/6 改稿

「そういえば、ランクアップって、どうすればできるんですか?」


 天馬の質問に、「大蛇(サーペント)」の面々が顔を見合わせる。


「それもガルフは言ってないのか? ったく、あの野郎。いいか、ランクアップは、そのランクの依頼か探索(クエスト)を規定回数こなせばいい。ただし、一度失敗すると2回で1回分となる。Cランク以上になると、個人は5回の失敗で、パーティーは3回の失敗でワンランク落ちる。あとは、テンマも経験した討伐での昇格がある。

 単独討伐の場合、G~Eまでは、一つ上の階級評価の魔物(モンスター)5匹。D~Cは、3匹。Bランク以上は1匹。パーティーの場合は、魔物(モンスター)数が、15匹、9匹、3匹になる。それで個人のランクが上がるから、パーティーのランクも上がる。これには前提条件があって、パーティーの人数が4人以下となっている。1人増えるごとに、単独討伐の数が加算される。

 あと、Bランク以上は、筆記と面接、実技が別途あるからな。ちなみに、BからCランクに落ちて、Bに戻る時は試験が無い」


「経験者は違いますね。アルフ」


 アルフの説明に続いてマリオが言うと、アルフの目が「余計な事を」と言っていた。天馬は「マリオさんって、自爆体質?」と思ったが、口には出さなかった。


「で、冒険者のランクアップは、当然、冒険者ギルドでの手続きとなる。もし、ギルドカードを失くしたら、再発行には小銀貨1枚掛かる。無くすなよ。

 ギルドカードには魔力登録をした物とそうでない物の2種類がある。

 この国で魔力登録をしたギルドカードを発行しているのは、冒険者、魔術師、錬金術師、商人、傭兵の各ギルドだ。これらのギルドは、どこの町でも魔力登録をした物になる。王都に行けば、大半のギルドが魔力登録したギルドカードを発行している。魔力登録の有無は、そのまま個人の信用に繋がる」


「どこのギルドが発行したギルドカードでも、身分証として使えますよ。他のギルドに入会した時、魔力登録をしたギルドカードなら、『所属』の記載が増えていくことになります。ちなみに、魔術師ギルドは、魔術が使えればOKです。確か、商人ギルドは、発行に小銀貨1枚。入会は、銅貨1枚だったと思いますよ。あとは分からないですね」


 アルフの説明をマリオが補足してくれた。


「あとね、悪い事すると魔力登録のあるカードは記載されるの。各ギルドがその犯罪を把握した段階でね」


「そうなんですか?」


「そうなんですよ。例えば、冒険者が人を殺したとします。その理由が正当なモノ。盗賊の討伐とかですね。その時は問題ありません。

 しかし、理由なく人を殺めた場合は、ギルドや衛士に出頭して、状況と理由を説明し、判断を仰がなければいけません。有罪となると、罰則(ペナルティー)として、ランクの降格や資格の剥奪になり、その理由が記載されます。それに加えて、町の規則に則って、奉仕活動から奴隷落ちまでの罰を受けることになります。

 出頭しないと問答無用で、資格の剥奪と犯した罪名がギルドカードに記載されます。記載される罪は、殺人、強盗、強姦、詐欺、窃盗、放火があります。逆に、勲章や叙爵した時も記載されます。

 また、ギルドからの連絡が来ることもあります。テンマ君も3日に1回くらいは確認することをお勧めします。急ぎの時は、点滅し、熱を持ちます。だから、首から下げている人が多いのです。そのための穴も開いているでしょう」


 リーフのザックリな説明を、マリオが詳しく教えてくれる。言われた通り、ギルドカードの左上に7㎜くらいの穴が開いている。ここに紐を通して使うらしい。


「あと、余談ですが、魔力登録の無いギルドカードを持っている人の中には、犯罪者が稀にいますので、知っておいた方が良いと思いますよ。

 ついでに、王侯貴族の方々は、ギルドカードの代わりにステータスカードを持っています。基本はギルドカードと同じですが、剥奪は王と一部の人たちの権利なので、余程の事が無いと剥奪は行われません」


「だから、馬鹿をやる貴族(ヤツラ)は、あとを絶たない。まあ、この地を治めるバルツァ様は、まともな部類だけどな」


マリオの言葉を継いでアルフが言う。天馬はアルフの言葉に出た「バルツァ」の名前に覚えがあった。まさか、この地の領主様とは思わなかった。そう言えば、領都の名前「バルツ」って言っていたな、と思い出した天馬であった。


「そうなんですね。ギルドカードを無くすと再発行。悪い事したら、ギルドカードに書かれる。でも、死んだ人や殺された人のギルドカードを持っていれば、本人の悪事はバレませんよね?」


 天馬の言葉を聞いたリーフが、


「テンマ君。バカ? そんな事は出来ないよ。消えるから」


「バカは酷いでしょ、リーフ。テンマ君は知らないだけなんですから。テンマ君、魔力登録をされたギルドカードや貴族のステータスカードは、持ち主が死ぬと発行された場所に戻るんですよ。

 戻る先は、ギルドカードの場合は発行した場所。複数のギルドに登録している場合、戻るギルドを持ち主、本人が指定できます。ステータスカードは、洗礼を受けた教会か、王城のどちらかになるそうですよ

 ちなみに、魔力登録のあるギルドカードを再発行した時も、以前のギルドカードは消えますね」


 マリオの説明を聞いて、「魔力登録がある」ギルドカードの凄さと、「ローデリッヒ=フォン=バルツァ」を始めとした死体が、ギルドカードやステータスカードを持っていなかった理由を知った天馬だった。


ブクマ、評価、リアクションお願いします<m(__)m>

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― 新着の感想 ―
冒険者がランクアップすることによるメリットは何があるのかな。
理由無く、人を殺めた場合は、ギルドや衛士に出頭して、状況と理由を説明し、判断を仰がなければいけません 理由無く、人を殺めた場合は~。状況と理由を説明し~。 理由ありません!
説明回が多すぎて飽きてきた… 今話はほぼ読み飛ばし。 ここの理解が本編を読み進めるのに、どのくらい必要なんだろうか? 設定をしてあるのは世界観の掘り下げに大事だと思うけど、それを並べ立てる必要はない…
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