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ナニカに気を取られて死んでしまったけど、凶悪スキルを手に入れたので、新しい人生は楽しく生きたい。  作者: yatacrow


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第12話 主人公が旅立てば誰かを助けるフラグが立つ。


--ピロン♪ ピロン♪


《 おはようである。

  こちらの世界は、漂流物がよく流れてくるのである。

  最近は日曜大工がマイブームである。

  今日も1日頑張るのである。                   》


添付画像に、中学の技術の時間で作ったような木の椅子が写っていた。


《 我が主の才能はとどまるところを知らないですね。

  漂流物の中には、日曜大工の教本は来ていませんか?

  独学だとやはり限界があると思います。

  さらなるクオリティを求めるためにも、教本を読むのをオススメ

  します。

  その椅子に座るときは、なるべくゆっくりお座りください。

  では、昼の定期報告で!                     》


送信


--ピロン♪ ピロン♪

(昼間って書いてるのになぜ即返するのか!)


《 サネモルの進言どおり、ゆっくり座ると我の重さに耐えきれずつぶ

  れてしまったのである。

  危うくケガをするとこだったのである。

  さっそく教本を探すのである。

                                  》

添付画像は、斜めつぶれた椅子だった。

釘の打ち方とか甘くてぐらつきそうだったからアドバイスして良かった。


「おはよう、レイは朝早いわね。」

爽やかな朝の日差しに、可愛い女の子の絵っていいよね。

誰かさんのメールで疲れた心が癒される。


「あ、おはようアクア。 デスペシェイムからお早うメール来ててね。」


「デスペシェイムって、まめというかヒマというか…。 下の立場で考えるとウザいわね。」

自然と配下が離れ、弱体化していくデスペシェイム陣営、哀れ。



「ぶも!(この先は魔物が手強くなる。 朝飯をしっかり食べて、気をつけて行こう。)」


「うん!」 「はいっ!」


干し肉をかじって水を飲む。

朝食、終了!!


あとは、片付けてストレッチして体をほぐして出発だ!


転移魔法とか、ワンタッチ野営セットとかあれば楽なのにな。

そういうのも、いつかお目にかかることができるといいな。


移動に関しては、聖鳥スザクに乗せてもらう手もあったけど、それだと俺の修行にならないので仕方ない。


この辺の魔物は、昨日のばくだんこうもりをはじめ、ブレードベア(剣を使う熊、剣の腕はいまいち。)、マジックウルフ(鳩を操って攻撃してきたり、ステッキから花の種を飛ばしてくる。 ネタが切れるとと逃げ出す。)、かくとうワシ(近接戦闘を仕掛けてくる。)等、強い。

強いんだけど、どっかずれてるというか…もやっとする。


そんなこんなで、家を出てから4日目。


ついに、川が見えてきた。


オーいちさんから、野営や旅の心構え、魔物の特徴や解体の仕方等を教えてもらった。

解体した素材は、収納袋に入るだけ拾っておく。

いよいよ川を渡れば、俺とアクアの二人か。


緊張するな。


「ぶもぶも(そろそろお別れだな。 レイ、アクア、気をつけて行けよ。)」


「はい! 私がレイを守ります!」

すぐアクアがお姉さんぶる。


ぶるぶる、ふるえる胸…っあた! …アクアにはたかれた。


「オーいちさん、ここまでありがとう。 ばあちゃん達もベンツマール王国には気をつけてね。」


「ぶもっぶもっ(任せておけ。 何かあればグリンドール婆さんに念話しろよ?)」

念話をすると、数分でスザクが飛んでくる最新の過保護セキュリティが組まれてある。


「みんな、過保護すぎだわ。」


「じゃあ、またね! アクア行こう。『屁ビテーション(無臭)』」

俺は、アクアをお姫様抱っこで川を渡るつもりだ。

橋なんてない、旅人はみんな泳ぐか乗り物か魔道具使うかして渡ってるらしい。

結構、幅広い川だけどアクアを抱えて浮くくらい楽勝だ。


「ひゃんっ、レイっ!」 「ちょっと変なとこ触らないで!」

「うっレイが近いっ!」


「ちょっアクアっ! そんなに暴れないでよ。 二人分だと浮力ぎりぎりなんだから!」


「私が重いって言ってるの? この!」


「いひゃい、ほほをひっぱるのひゃめへ…」

バランス取れないから! ぐらぐらする!


--ばっしゃーんっ!!


川の真ん中で落ちた…。


「うぼぉっ! 『屁ビテーション(無臭)』 あーあ、落ちちゃったよ。」

「うう、ごめんなさい。 私もびしょびしょだわ。」

足が川底につくかつかないの深さだった。

泳げないこともないけど、アクアを捕まえて再浮上。


わたわたしながら、対岸に到着した。


「…ぶもぅ(…あいつら、大丈夫か?)」

オーいちさんの大きな呟きが聞こえた。


「【浄化クリーナー】」


ピタッと張りついて、お胸の形がまるわかりエロい。

おっと、アクアの目線が危険水域だ。


「アクアも【浄化クリーナー】」


「ありがとう、少し間があったのは何故かしら?」


「濡れた服がエロいからガン見してました。」


「正直者っ!!」

--スパーンッ!


叩かれた。


そこに胸があればガン見するのが礼儀じゃないのか。


「なによ?」


「あっ、いえ、何もないです。 先を急ぎましょう。」


「なんで敬語なのよっ!?」


なんとなく敬語だ。


心配そうにこっちを見ているオーいちさんに、手を振って俺たちは町へと歩きだした。



『それはさておき~♪』

(あっ、どこにでもいるのか。 いえ、すんません。)


俺は、妖精族に嫌われているのかもしれない。

まあ、自業自得なので仕方ないのだけど。


町まであと半分ほど歩いたところで、木陰で小休憩。


《 我が主、今からお昼です。

  といっても、干し肉かじって休憩するだけですが笑

  教本は見つかりましたか?

  また夜に連絡いたします。                    》


ついでに送信



--ピロン♪ ピロン♪


《 報告ご苦労である。

  干し肉ばかりでは栄養が偏るのである。

  我がそちらに行けば旨いお店に連れて行けるのであるがビブリルに

  止められているのである。

  野菜を食べるのである。

  PS:教本を見つけたのである。 出来た椅子がこれ。       》


添付画像には、しっかりしたパイプ椅子が写っていた。

いや、何の教本読んだら、日曜大工でパイプ椅子出来るんだ!!

気になるけど、適度な距離感を大事にしよう。


地味にビブリルがいい仕事をしているらしい。


「アクア、疲れてない?」


「大丈夫だよ、レイは?」


「俺も大丈夫。 アラソニークの町ってどんなとこだろうな。」


「私も行ったことがないから楽しみなのよね。」

アクアは元々ベンツマール王国の近くにある[アサノヒの村]の出身で、ベンツマールと[ネーポン小国]との戦争で、家族がばらばらになって、[トトの町]まで来てるから、森より西は初めてだそうだ。


「川を越えたから、もうこの辺はアメスタンド王国の端っこなのかな。 入国審査とかってこの世界はどうなってんだろ。」


「そういえばレイって、身分証明出来るものがないわね。」


「そりゃ森でずっと過ごしてたからないよ。」


「入国審査というか、町や村に入るときに身分証明書を提示しないと入れてもらうのに時間かかるわよ。」


「アクアは持ってるの?」


「私の身分証明書は、冒険者証なんだけど7年前の物だし、使えるかわからないわ。」


「それで、ばあちゃんはウーノって人を訪ねるように言ったのかな。」


「そうかもしれないわね。」


まあ、冒険者じゃない人だって、世の中旅してる人はいるはずだし、なんとかなるだろ。


「とにかく行ってみないと分からないか。 そろそろ行こうか!」


「そうね、ダメなら念話でおばあ様に聞いてみましょう。」


なるべく婆さん達に甘えないようにしないとな。


ん?


「………あれは?」


「えっ? 砂ぼこりが見えるわね。 馬車…?」


アラソニークの方向から、こっちに馬車が猛スピードで向かってくる。


追われている?


馬車の後ろに、馬に乗って剣を振り回してる何人かが叫んでる。


「盗賊に襲われているようね!」


「助けないとっ! 行こう!」


「うん!」



3、2、1、いまだっ!


「『万物の織り成す力、何者の侵入も許さない。 ウォーターウォール』」

馬車と盗賊達の間に水の壁が現れた。


「うおおぉぉぉっ!!」


俺は、【体内ブゥスト】をかけて盗賊に走り出した。


「なんだっ!」 「水の壁だと?」 「なんだこのガキどもっ!?」

「ひゃはぁ~♪」 「女のほうは上玉じゃねぇか。」 「こいつらなんだっ!?」



とうぞくたちが あらわれた!

しかし とうぞくたちは おどろき とまどっている。


こうげき じゅもん ぼうぎょ にげる どうぐ


(じゅもんだろ!)


レイオットは 『タイダル屁イブ』をとなえた!


--ぐきょりょりょ~♪


「「「「「 腹がっ、こんなときにっ!! 」」」」」

「ぐぬぅ!!」


とうぞくAは おなかをおさえた!

とうぞくBは おなかをおさえた!

とうぞくCは おなかをおさえた!

とうぞくDは おなかをおさえた!

とうぞくEは おなかをおさえた!


とうぞくかしらカンタンダは おなかをおさえた!


アクアは 『アースブロック』をとなえた!


とうぞくたちの あたまに がんせきがふりかかる。


レイオットの てかげんこうげき!


とうぞくAは きをうしなった!

とうぞくBは きをうしなった!

とうぞくCは きをうしなった!

とうぞくDは きをうしなった!

とうぞくEは きをうしなった!



「なめんなぁっ!!」


--ガキキイィィン!!!!


カンタンダは けんで うけとめた!


レイオットは 【ナニカ支配】を強めた!


--きゅるるる~  ぷすっ♪


「くっ、踏ん張れないっ!!」


「いまだっ!!」


レイオットの こうげき!


カンタンダに 431の ダメージ。


「くっ! こんなガキに……!」


カンタンダは きぜつした。


とうぞくたちを たおした。


レイオットは レベルが あがった!


さいだいHPが 23ポイント あがった!


さいだいMPが 42ポイント あがった!


他にも いろいろ あがった!


(これ、この前のやつや! 使い回すなっ!!)



アクアは レベルが あがった!


バストカップが Cに あがった!


ウエストが ひきしまった!


ヒップが ぼーん!


(ヒップがぼーん!ってなんだよっ!!)


「レイ…、ちょっといいかしら…!?」


「俺のせいではないっ! いや、濡れ衣ううぅぅぅっ!!!!!」


アクアから、頬に赤い手形をもらった俺は、半泣きになりながら盗賊達を縛り上げる作業を頑張った。



『それはさておき~♪』



「げほっ…、ほっほ、お二人はお強いんですなぁ。 危ないところをお助けいただき、ありがとうございました。 ほれ、クリンも挨拶しなさい。 げほっ」


「……ありがとう。」


爺さんと孫って感じだ。


身なりの格好に、白髪の好好爺だなぁ。

なんか田舎のじいちゃん(前世)を思い出した。

なんか具合悪そうだから、こっそり【浄化クリーナー】やっとこう。


クリンと言われた女の子は12才くらいか、爺さんの後ろからペコッとお辞儀してくれた。

エメラルドグリーンのショートヘアーに、青みが入ったグレーの瞳。

人見知りなのか、大人しい子だ。


「いえいえ、盗賊に襲われてるところを見過ごすことはできませんから。」

「危ないところでしたね、私の名前はアクアです。 こっちがレイオット。」

名乗るの忘れた、アクア、ナイスフォロー。


「ワシの名前は、ウーノと申します。 この子は孫のクリン。 向こうの川まで恩人のお孫さんを迎えに行く途中ですじゃ。 ところが、どこで知ったのか、盗賊達に襲われましてなぁ。 ありがとうございました。」

体調が良くなったのか、げほげほは言わなくなった。

というか、目的のウーノさんだった。


「えっ、ウーノさんですかっ? えっと、俺たち、グリンドールばあちゃんからウーノさんを訪ねるように言われてアラソニークの町に向かってたところですよ!」


「ほっほ、それはそれはっ! なんとグリンドール様のお孫さんでしたか、グリンドール様には昔大変お世話になりまして。 ワシらがアラソニークの町で贅沢出来るのも、グリンドール様のおかげですじゃ。」


婆さん伝説は、これからも出てきそうだ。


「それにしても、行き違いにならなくて良かったですじゃ。」


「……じい、休憩ばかりだった。」

体調悪くて、休みながら来てくれたんだろう。


盗賊から助けることができて良かった。


「俺たち身分証明書がないから、町に入ることができるか不安だったんで、ここでお会いできて良かったです。」


「ウーノさん。 私たち、知らないことばかりなので色々教えてください。」


「ほっほ、そんなにかしこまらんでええよ。 なにしろワシらの命の恩人じゃ。 アラソニークの町ではワシの家を使ってくれ。 町に着いたらまずは旅の疲れを落とすのじゃよ。 それでは、馬車に乗ってくだされ。」


「……じい、盗賊は?」


あっ、そうだった、忘れてた。


「…おお、クリン、そうじゃったのぅ。 レイオット殿、こやつらは盗賊ですじゃ。 盗賊はその場で殺すことも許されておりますじゃ。」

げ、そうなのか。 さすが元日本人としてはいらない殺生はしたくない。


「えっと甘いかもしれませんが、殺す以外の選択肢はありませんか?」


「町に連れていけば、罪状を調べたうえで法律に従った処分がなされますじゃ。」

死刑、犯罪奴隷(奴隷制度あるんだ…)として売る、魔物の間引き(近くの森やダンジョンで魔物を狩らせてるらしい)。

どれも厳しいけど、この場で殺すよりもいいよな。

アクアを見ると、俺に任せるって頷いてくれた。


「ちょっと大変ですけど、町に連れて行きましょう。」


「ほっほ、では馬車につないで歩かせましょう。」


俺たちは盗賊達を起こして歩けるようにして、馬車につないだ。


爺さんとクリン、アクアは、馬車に乗り込み、俺はカンタンダが乗ってた良い馬に乗ることにした。


パンデモニウムで、馬上戦闘をやってたから簡単に乗れた。


「レイって、馬に乗る練習をいつやってたの?」

「えぇっと、馬というかカムイで練習した。」

嘘ではない。

アクアは俺のこと知ってるけど、流石に爺さん達に前世とか言ってもわからないだろう。


「なんと! 聖獣カムイ様でっ!?」

結果として驚かれた。



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