18 お宝ハンター桃! その1
これでもかと言わんばかりの、けたたましい目覚まし時計のベル。
「わああ! 起きます! 起きます!」
両手で頬を押さえて、桃子は布団から起き上がった。
鬼ヶ島に向かうヨットの上で、桃子はセイレーンの歌を聞いて眠らされてしまった。幸いにも眠らなかった晴海の、強烈なビンタで起こされたのを思い出したのだ。
「あれは、痛かったなあ……。でも僕は爆睡だったからなあ……」
桃子は、鬼ヶ島での冒険の記憶をかみしめるようにたどって行った。
「ふう」
とため息をついて、立ち上がり大きく伸びをする。布団を押し入れに片づけると、壁につるしてある制服に着替えた。日常がもどってくるんだ……。
冒険が終わった夜。鬼ヶ島の菊姫と別れて、桃子一行はヨットハーバーに戻った。晴海がワゴン車で、一人一人家まで送った。別れ際の仲間の笑顔が目に浮かぶ……。
昨日の日曜日は、朝からみんなそろって桃太郎神社に報告して、神主の渓流からお祓いを受けた。
桃子は、桃太郎の弓と太刀を返納する。
「そうか、魔のものを退けて、鬼族を守ったか。よくやった! 桃子ちゃん。さすが桃太郎の子孫だ。それに良い仲間ができた」
神官の白衣に桃色の袴を着た渓流は、ニコニコと微笑んでいる。
「はい。みんなや桃太郎大人にはずいぶん助けられました。先生にも神事をしていただいて。本当にありがとうございました」
制服の桃子が頭を下げる。
「うん、うん。これからも精進しろよ。桃子ちゃんは、なにかを成し遂げる人だ」
渓流は、目を細めて言った。
そして、月曜日。
桃子は、制服のブレザーに手を通すと、机に置いてあった革ひものチョーカーを首に巻く。菊子からもらった金の小粒が、チャームになってついている。
「先生に怒られるかな……まあいいや」
チョーカーを首に巻き付け、さっさと朝食を終えて、学校に向かう。
「今日もよく晴れとるなあー! 何かいいことありそうだ!」




