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遠き道

「義元殿の元へ行かれるならこちらも家臣をどうこうするつもりはない、なあ家康殿」

「戻るなら受け入れよう」

一揆に参加した松平の家臣である本多正信と渡辺守綱、石川康正(数正の父)が使者として訪れ交渉を開始する。

三方ヶ原の戦いで一揆衆以外の家臣に多大なる損害が出ており元康自体の器量の狭さから岡崎城内は混乱をしており意見もまとまらず加賀で苦労するはずが三河ですでに一向衆内部の調整で疲れきっている正信もいる。

「正信殿、信仰と言ってもそこに人の思いと傲慢さが交差すれば不幸でしかない、死んで幸せになると言うことはあるのかな、もし業を背負い地獄に行くなら家臣達のをすべて背負って私だけ行けばよい」

「人それぞれですが信仰に嘘偽りがあって良いものではありませぬ」

「だが上無しのはずが松平の元に集っておるし、嘘を吐く坊主もおるようだがな」

岡崎を見ながら言うとしばらく考えたのち、

「もう一度戻って皆で考えてから返事を」

「わかった、ただ三河に寺が残るのは許さぬ、浄土真宗等に改宗してもらう、これは譲れぬ犠牲が大きすぎたからな」

正信は頷き城へと戻っていった。


「御館様、なぜそんなに一向衆を」

「坊主が後ろからかくれて扇動している。坊主は国の安定を祈るべきなのに争乱を起こす一向衆だけは許さぬ」

私がきつく言うと皆驚き頷いた。

三日三晩、岡崎城内で激論を繰り返しており小太郎から報告が上がる。

「元康も折れたか」

主戦派である元康と坊主に家臣と民は交渉を再度持つようにお願いしたがにべもなくはねつけたことにより決定的な溝ができてしまい城を退去すると言い大手門から出てきた。

坊主と少数の農民だけが城内に残ったが守れる人数ではなく義元の元へ退去する元康に対して怒りながらも手だてはなく私の元へ引き出された。


「三河では認めぬと伝えたとおり、改宗出来ぬなら寺を燃やすのみ長島へ送る」

「貴様は鬼か悪魔か、許さぬ地獄へ行くが良い」

「それは同意する。長島へ送ってさしあげろ」

船に強制的に乗せるとそのまま長島へと送り届けた。

「さて三河は家康殿にまかせる。ただし浜松は私が直接見よう」

家康とその家臣団は喜び私は浜松から上洛の準備をすればよいと思いながら急報に笑いが出てしまった。

「斎藤道三と息子義龍が争い始めたとのことです」

私が笑ったのに動揺しながら昌景が聞いてくるので、

「どう通過しようかと京までの道を考えたが美濃を飲む込めるぞ」

3万の兵を率いてそのまま尾張経由で向かう事にして信長に書状を送った。


「道三につくなら通過を許すと。義理がたいことだが道三も生きてはおるまい」

美濃の大半を味方につけた義龍からの攻撃に前世と同じように決戦を挑むらしいと知らせを小太郎から受けており義龍を討つ事を伝えて尾張の東から犬山を抜け美濃へと向かった。

「やはりか」

犬山に到着をしたがすでに道三は息子に討ち取られており信長の数千の援軍も間に合わなかったと言うことで、そのまま木曽川を渡ると東美濃の金山城と郡上八幡城を一気に制圧をして稲葉山城と大垣城を包囲した。


「信長殿ようこられた。義父である道三は惜しかった」

「うむ、感謝する。所でこれからの事を聞きたいのだが」

「思っているとおり上洛を上杉主導で行う、ただし小田原城が落ちてからと加賀を上杉が制圧してからになるがな」

「幕府をたてるのか」

皆が驚くのを私は笑いながら、

「輝虎殿は足利幕府を助けたいと考えておる。わしは関東から東を押さえたいから信長殿に任す」

「つまらぬがわかった」

「それと長島の坊主、鎮圧をするなら兵を出すぞ」

「わかった。美濃はもらうぞ」

一方的に言うのを重臣達が怒るのを、

「かまわぬ、我等は関東を押さえることが今は重要」

そう言うと信長は席をたった。


「あれで良かったのでしょうか」

「関東からは遠い、先ずは東を押さえてからと言うものだ、頼むぞ」

数日後大垣が落城して引き渡すと織田勢が先鋒で稲葉山城を攻める。

堅城であるが援軍を見込めず士気は下がる一方の斎藤勢に裏切りが次々と出て落城をしてしまった。

「金山城と郡上八幡城はもらうぞ」

岐阜へと改名した信長は頷きそのまま小田原に向かう、

「さすがにひどい状況のようだな」

業正が出迎えてくれ2ヶ月を越えた籠城に氏康の芯の強さを感じながら交代し業正は上野へ戻っていった。


「上杉勢が海津城を包囲したと」

驚き何であの手紙でこうなるのかと思いながら業正に援軍を頼み動揺を顔に出さずに包囲を続ける。

「今度は佐竹と那須等の連合軍が下野を攻め信廉から援軍だと」

誰が裏で糸を引いているのか氏康と誰か、義にあつい輝虎が裏切るとは思えずにいるとようやくわかった。

「上杉でも憲政が揚北衆と共に葦名や佐竹等に声をかけて越後で反乱を起こしており、加賀では一向衆が攻勢に出て輝虎殿は釘付けになっており、幸隆殿が信龍殿を救うために討死されました」

一番最後の言葉に力が抜けてその場に座る。

「幸隆がか、信春は」

「無事にございます」

信龍の安全よりもそちらの方が気になりながらもさらに、

「越中では大熊が同じくして謀反、連絡が途切れつつあります」

輝虎の上杉がどれ程不安定か思い知らされ決意した。

「昌景よ総攻めをおこなう三日で落とせよいな」

関東勢とあわせて10万、悠長に落城を待っておれずに下策だが背に腹は代えられず、

「小太郎、内応を希望した者に明日火付けと反乱を城内で起こせと伝え、成功は関係ない、疑心暗鬼におちいればよい」

中での争いの隙をついて本命の小太郎の工作で更に混乱に拍車をかける。

「それと内応を伝えてきた武将の名と別の名を氏康に明日朝伝えろ、かまわぬ混乱させるだけさせろ」

破城槌を準備させ翌朝を迎えた。

「攻めよ」

昌景が声を揚げ諏訪の陣太鼓が鳴り響くと攻城が始まる。

鉄砲で大手門正面を制圧しつつ破城槌で門を破壊していると次々と煙が上がり消えていき内応が始まり氏康が鎮圧をしているのがわかったが小太郎の本命の炎が上がった様で門も破られて雪崩れ込んだ。

「本当にこれでよろしかったのでしょうか」

降伏関係無く撫で斬りを命令しており昌景が確認してくるので、

「氏康も含め生き残っておれば輝虎の介入があろう断ち切るのみ」

何度か降伏の使者が来たが昌景が追い返し城内では、

「武田め忘れぬぞ」

そういう声が上がりながらようやく静かになった。

「昌豊後は頼む」

信繁に信廉への援軍を指示して海津城を目指す。


「憲政は春日山を押さえおり越中は大熊が、揚北衆と芦名が北越後を押さえており輝虎方の城を次々と落としていると」

何でこうなった、と言うかわきが甘いのはわかってるが輝虎は戦いでは武神で商業なども中々だが家臣の気持ちを汲み取れずにいるカリスマで引っ張られた結果がと愚痴を言いたくもなりながら海津から飯山城へと向かった。

輝虎側が籠城しており北条高広が攻めており武田が現れると撤退を開始する。

「昌景、追撃せよ春日山を速攻で攻め落とせ」

赤備えを先発させ秋山と昌信に追わせその後を進む、野尻湖を横目に急ぎ北条に追い付いた昌景は撃ち破り突破するとそのまま春日山に襲いかかる。

輝虎の配下がそれに乗じて反乱を起こして大手門を開け放つと赤備えは一気に襲いかかった。


「おせやおせ、輝虎殿が戻ってこられるぞ」

実際どうかはわからないが判断に迷う家臣はその名前で反旗をひるがえしていき憲政はどうやら逃げ出し春日山城を占領した。

「先ずは周辺の城を落とせ、関東管領上杉輝虎の名で降伏を呼び掛けよ」

私は西の勝山城へ向かい魚津川迄を確保して富山の大熊に備えた。

「北条城、荒戸城を確保しましたが揚北衆の北越後は時間がかかりそうです」

反乱を起こした中心が揚北衆の新発田等が立て籠る城なので犠牲は大きくなると言うことで、

「無理はせず奪った城の守りを固めよ、私は越中に向かう」

義兄弟である信春と弟信龍を助けるために連絡路となる越中に兵を進める。

親不知を通り抜けようとすると小太郎から知らせが来る。

「この先の断崖絶壁に少数ですが伏兵がおります」

昌豊に鉄砲隊を指揮させ伏兵の手前に進めると攻撃をさせた。

「知られてたか引けい、魚津まで走れ」

その声を聞き昌景に追撃を命じ赤備えが追撃を開始した。

本隊は海岸線を抜けて魚津に到着すると昌景が速攻で攻め落としておりそのまま富山城を包囲した。


「時間かかるがこれで加賀との連絡が取れよう」

使者を送り七尾城の様子も探らせる。

「合流してから七尾を押さえて揚北衆を下せば収まるな昌豊」

「そうはいかぬかも知れませぬ」

気になることを言う、

「先ずは信春がなにも連絡を寄越してこないのが」

「小太郎、加賀は一向衆で埋め尽くされて包囲されてると」

「一向衆で無いものは殺されるか転ぶ事(他の宗派から一向衆になる)を押し付けられており表面的に入りこれますがお互い顔を知ったなかなかなか入れませぬ」

「富山はこのまま秋山に包囲させ加賀へ向かうぞ」

他の小城は落とせたが富山は直ぐに落ちないので加賀へと向かう、

「敵は百万、奇計で勝利する」

加賀へ抜ける倶利伽羅峠に到着すると小太郎に手配させてた牛数百の角に剣をくくりつけ尻尾に松明をくくりつける。

武田の侵攻を知った一向衆数十万万が入り口を固めておりこちらは5万で対峙した。


「さて、小太郎始めよ」

無言で配下に指示すると一斉にちり三日月の暗い山間を牛の口にはみをつけ足にも布を巻いて一向衆の陣の近くまで来ると尻尾の松明に火をつけた。

尻尾に火がつき牛ははめを外されて泣き叫び真っ直ぐと一向衆の陣へと走る。

「攻め立てよ」

昌豊が声をだし後に続いて5万が突撃を開始した。

「すごいですな、呆れるばかり」

たかだが数百の牛に一向衆は大混乱でそこを武田が襲いかかる。

牛はただ火から逃げるために進み続け角につけた剣で巨体で次々に倒し生き残った者も武田の兵に襲いかかられて逃げる。

しかし真夜中でどこに逃げて良いかもわからず、行った先で同士討ちがおこり朝が明ける頃には武田の将兵しか見渡す限りいなかった。


「戦利品を集め集積せよ、昌景は周辺の城を落とせ」

寺などは焼き払いいくつかの城は大敗で逃げ出しており大聖寺城は混乱していた。

粗末ながらも槍や刀等が集まり戻るときにと峠の入り口に積み上げ進んだ、

「信春と輝虎殿は何処かな」

しばらくすると知らせを受けたのか籠城していた城からこちらへと進んでくる。

「御館様あれは」

何故か陣を組んで進んでおり警戒しているにしてはおかしい、

「念のため鶴翼に」

不穏を察しながら相対した。


私は進み出ると、

「輝虎殿、無事で何よりだが何故この様なことを」

「それはこちらの台詞、加賀で我等を封じ込めその間に春日山を落とすとは」

いや、誤解なのだろうが何でこうなったかと思いふと、

「誤解と言いたいですが話し合いは出来ませぬか」

「不義により成敗いたす」

その真っ直ぐな気持ち、あきれが怒りになりながら戻ると、

「中軍はわが武田の信龍殿にございますぞ」

何で弟がって、

「兄上だなそそのかされて輝虎も信龍も」

直ぐに小太郎に周囲を調べさせると、

「北上してくる一向衆有り、信玄と思われますその数三万」

向こうは上杉勢が一万三千で信龍が八千でそこに三万が合流してこちらと同数だが、

「軍神と兄上、強敵だな撤退をする」

ここで勝利してもなんの益もないので素早く鉄砲隊を交互に配置しながら峠まで戻る。

近づこうとするのを鉄砲の三連射で押し留め辛くも峠の入り口に戻った。


「惜しいが火を放て」

戦利品の積み上げられた槍と竹槍に火を放ち後続を断ち切ると富山を抜け魚津を固めると撤退をする。

「申し上げます。信春殿を助け出しましたぞ」

「御館様申し訳有りませぬ、幸隆は」

「無事で何より、と言うか信龍が兄上に輝虎も話に乗るとはな」

怪我をしていたが大したこともなく昌信(高坂)に魚津城を拡張するように言い真田は信綱に後を継ぐように言い春日山に戻った。

「北条高広にございます」

ころころと主を変えるこの男をどうするかと思っていると、

「揚北衆を憲政から寝返らせる手筈は準備しております」

重臣たちは私を見るので、

「わかった、昌豊と共に向かい憲政を捕らえよ」

うまくいけば申し開きができるかなと思いながら信繁からは無理せず敵と対陣しており決着をつけたいので援軍をと言われすぐに三国峠を抜けて宇都宮に入った。


「佐竹や那須と芦名そして里見等が集まり総勢4万で対岸に陣を構えております」

信繁の報告に直ぐに作戦をたてる。

「揚北衆が会津に攻め入った。伊達も同じくして」

「そんな嘘が」

「裏切った自分が疑心暗鬼だからな芦名は、足並みが揃うまい」

小太郎に敵陣での噂をまことしやかに流す、憲政が春日山を落とされ北条高広に攻められ降伏して先兵として会津にと意図いろな事を流した翌日朝日も上らぬうちから動く、

「信繁を先陣に左翼は昌景に右翼は昌豊で先ずは鉄砲隊を対岸の堤防まであげよ、見張りは小太郎が始末を終えている」

雨量は少なく渡りきると堤防の上でかまえて鉄砲を射たせた。

「どうやら撤退かで上でもめていたようですな、無用心な」

信廉が言うのに頷き鉄砲隊を引かせるとその混乱の中で攻撃をする。

「信廉は宇都宮勢を率いて那須へ、押さえよ」

1万を率いて向かわせ本隊は佐竹へ攻め入り石塚城と小田城を混乱の中落城させ国府台城等も落として版図を広げ兵を納めた。


「皆の者ご苦労、今回は兄上である信玄の策謀であり、領土は広がったが四面楚歌である。皆気を抜くなよ」

昌信(高坂)には海津と共に春日山と南越後そして魚津までを任せ信廉には宇都宮と新たに手にいれた那須を任せる。

昌豊に武蔵と国府台や石塚や小田を任せ南信濃と東美濃や飛騨を秋山に、馬場には私と主に甲斐、北信濃と駿河と遠江や相模とそれぞれの管轄の援軍を信繁と共に行うこととした。

「手紙を送ってもまだ冷静になれんとはな」

輝虎の間違ってはいるが誤解が解けない怒りでこちらの話を聞かずにおり富山に信龍と共に戻り大熊は魚津に逃げ込んできており七尾を支配下において我々とにらみあっている。

「信玄殿に騙されていましたが何をそこまでなのかは計りかねます」

「信春がそう思うならば我々が不義を働いたそれが何かと言うことだがな」

事を構えることになってしまい越後と諏訪が二人で顔を出してくる。

「何が何だかわからないからな気にするでない」

弟である輝虎に書状を出しますと言われてお願いをしながら過ごして休みをとった。


「駿河を後顧の憂いなく攻めるぞ」

揚北衆か芦名かはたまたと思っていると家臣は驚きながらも直ぐに出陣する。

今回の上洛が無くならなければ生き延びられる機会もあるがこんな状況では獅子身中の虫としか言いよう無く駿府の今川館を包囲した。

「義元殿、首をとろうとは思わぬ、降伏をしていただけるならな」

「家臣もだが私も武士のはしくれ戦おうぞ」

そう返答され昌景に頷くと陣太鼓が鳴り響き鉄砲を先頭に絶え間なく打ち込み反撃の余地を与えずに破城槌で一気に破壊すると赤備えが突入ししばらくすると鬨の声が上がった。

「義元の首はあるが元康は逃げ落ちたか」

残党狩りを命じて昌豊に新たに駿府の城を築城するように命じていると魚津城から昌信が援軍の依頼をよこした。

輝虎自ら2万で囲んだようだが鉄砲を千も運び込んでおり改修した城は落とせずにいるらしくすぐに北へと向かう、

飛騨を抜けて神通川沿いを北上、本来なら狭い親不知をぬけ頭を押さえられるはずだが逆に背後に出ると包囲している上杉勢に赤備えが先鋒となり襲いかかった。


「幸隆の弔い合戦だ信綱任せようぞ」

大太刀を持ち担ぐと上杉へ切り込んでいく、不意を襲われたが流石は輝虎持ちこたえるが信綱が柿崎隊へ斬り込む、

「真田信綱、柿崎を討ち取ったり」

初戦でまさかの金星であり軍神であろうともその損失は計り知れない、

「甘粕が前に出ますぞ」

柿崎が討たれ崩壊しそうな状況に良将が進み出て武田を押し返す。

「鬼小島ここぞ小僧首を差し出せ」

信玄にその胆力を認められたほどの剛の者で信綱との一騎討を始めており横の信春が、

「御館様、我にお任せを」

「兄弟頼む」

そう言うと甘粕と輝虎の連携を分断するクサビとなり、

「昌豊、あの左翼側面に鉄砲隊でまわりこめ、今なら不意をつけよう」

景信(輝虎の母親の実家)が秋山の攻勢にギリギリ支えているが何かで崩壊する状況に援軍二千を命じた。


「流石は輝虎だな、兵も状況も劣勢だが崩れぬとは」

揚北衆がいない上杉軍にもう少し楽に勝てると思ったが粘り損害も気になる。

「到着したようですぞ」

昌豊が鉄砲隊が景信の側面に展開を始めており景信側も気がつき少数を向かわせるが鉄砲がはなたれた。

突撃してきた景信勢ごと側面を凪ぎ払い一気に崩壊をして秋山が攻勢にでる。

崩壊しつつある上杉勢に動きが、

「輝虎が一点突破を計ったか」

ここで生き延びるにはそれしかないと覚悟を決めたのを見て昌豊に鉄砲隊をすべて展開させ退路に伏せさせた。

「高松殿討ち死に」

舌打ちしたくなるのを我慢しながら数百騎の供廻りと走る輝虎に鉄砲が次々と射たれ廻りが倒れていく、

「追わぬでよい、残敵を掃討しつつ富山へ向かうぞ」

上杉軍は事実上の崩壊であり甘粕や斎藤や河田等の主だった家臣を討ち取り富山城を包囲した。


「輝虎は七尾か」

城代である大熊が降伏をして来る。

「その方も信玄と憲政の口車にのるとは惜しいが首をはねろ」

大熊はうなだれながら連れていかれ越中をおさえ七尾に向かう、

「輝虎殿をどうされるおつもりですかな」

信春が改めて聞いてくるので、

「殺したくはない寺に入って家臣を弔ってもらおうと考えておるが」

家臣達は七尾にこもっていれば信玄の援軍が来ると考えているだろうが、先の戦いでの一向衆の損害は坊主に向けたいがそうもいかず信玄一人に怨嗟を向けられていると言う状況で援軍を出したくてもだせない状況であり足軽で構成された武田は長期にも関係ないので落城するまでと到着して包囲した。


「なかなかの堅城だが兵は二千と農民四千か」

先の合戦での損害は結構あり高松や板垣から一条に名を変えた信方等が戦死しており孫である昌方に後を継がせた。

「使者を出す」

一度話し合いをと持ちかけて了承して大手門の前で二人で話し合いに、

「殿それは危険かと」

皆が心配するが輝虎の人柄を考えて席についた。


「お久しぶりですな輝虎殿」

「姉上からの書状感謝する」

「しかし何故」

「義父からの関東での支配が武田になっておると」

「ああ確かに」

歴史上だと氏康から関東を取り返さんとしたが台風のように来ては去りをしていたので義兄である私が治めれば問題ないと思ったのが間違いで憲政からすれば氏康から変わっただけ、輝虎は私には刃を向けられぬと言うことだったが今回の事で色々な思惑が動きこうなってしまったと言うことでため息をつきながら、

「改めて関東管領として治めてはくれないか、西上するにも輝虎殿の力が必要かと思うが」

首を横にふる輝虎は、

「柿崎や小島達を弔うため出家をする。すまないが春日山の」

「初めてあった場所の寺と言うことですね、監視は付きますが安全を思ってで」

「わかっている頼む」

そう言うと会見が終わり七尾を引き渡すと謙信と名乗った。


「兄上が会いたいと」

富山に戻ると使者が来て待っていると一族をつれてくる。

「すまぬが加賀での居場所が無くてな、虫の良いとは思うが」

「坊主に文句を言えませんからね兄上に言うしか無いのでしょう、受け入れますが」

「わかっておる寺に入り本格的に修行をする。甲斐でな」

「それなら、ただし目付はつけさせていただきます」

「それと信龍の事だが」

「もしかと思っていましたが兄上の口車にのるとは、信繁にしっかり見させます」

横で小さくなっている信龍を見て兄上と笑いながら帰参を許した。

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