06 なんとか間に合いました。
「父様、母様、ファリアス!!」
「はやくしないと、遅れそうだよ。」
すっかり正装に着替えたアシル兄様とコーディ兄様が口々にいう。
えぇい、眩しい。二人とも。
「あと少し、待って頂戴。」
ヘアメイクの仕上げをしてもらっている母様が言う。
私は母様の膝の上でお座りしています。
ここでお二人の姿を確認しておこうか。
私はじとー、と兄ちゃん方の方を見る。
アシル兄様は若干くすんだ金髪がむしろ軍服っぽい正装によくお似合いで。
コーディ兄様はグレーの髪に黒い眼が映えるようサイドの髪を編み込んでいるのがワンポイント。
総合すると、二人とも似合いすぎて腹が立つね( `д´) ケッ!
あ、目があった。
にこーっと二人が笑う。
うん、やっぱ兄様好きだ!・・・単純ということなかれ。
にへらーと頬を緩めて笑い返す。
そういえばあの後、私たちは四日かけて本当に本当のギリギリで到着予定期間に間に合った。
あの時の馬車の御者さんの顔が焦りすぎてて怖かった。
・・・お疲れ様です。
というわけで、私達は今王宮の一部屋にいる。
飾り過ぎない装飾は見ていて疲れないし、ふかふかのソファはお昼寝に最適そう。
父様と母様は隣の部屋にいて、私は二人の兄様と一緒の部屋。
・・・何故母様と一緒ではないのか。
私も中身は花の恥じらう・・・あ、もう3年立ってるのか。
いや、それでも恥じらうお年頃なのに。
というのは置いておいて。
「奥様。」
今まで髪をセットしていたサイヤラが手をおき、声をかける。
「ありがとう。ファー、終わったわよ。」
「あい。」
母様が私を膝から下ろして立ち上がった。
私はとととっと兄様たちの方へ。
すると父様が母様の横について、エスコートする仕草をした。
「さぁ、行こうか。」
私?私は、兄様二人と手を繋いでおりますとも。
迷子にならないように。
家族全員で部屋を出ると、廊下で王宮の女中さんらしき人が頭を下げて待機していた。
「それでは、ご案内いたします。」
びっくりするぐらい展開遅くて申し訳ないです・・・。
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