痛い……
「痛い……。何も三人で殴る事ないじゃないのよ~……」
「ったりめぇだ」
「アホな事を言うからですぅ」
「この人たちを不安がらせることを言うからなのです」
三人とも魔力が通った武器な為になまじリアルな痛さが半端なかった。
そんな命の駆け引き(漫才?)をしていると、何やらこちらをずっと見ていた奴隷だった人たちの中の一人がこちらに近寄ってきた。
年はルーちゃんと同じぐらいだろう少年。髪をヘアピンで留めており、ちょっと頼りなさそうなその顔に私は弄ってやりたくな――スパァンッ。
「痛い……」
「弄らないでくださいなのです」
これは本格的に人の思考を読めなくなる神具を探さなければいけないかもしれない……。
そうして私たちの前にたった少年が訪ねてきた。
「あ、あの。あなたたちは一体……」
「お前……ラケルか? 俺がここを脱出してから、かなり痩せてないか?」
「へ? どうして僕の名前を? 初対面、だよね?」
しまった。とルーちゃんが口元を抑える。
どうやら自分で言えないらしい。仕方ない。ここは私が――スパァンッ。
「ねぇティマちゃん……」
「何なのです?」
「お願いだからハリセンやめて……。三人の中で一番痛い……」
「却下しますのです」
涙目で訴えてみたが、承諾はされなかった。
仕方なしにとルーちゃんがルーちゃんでないことを黙ることにした。
「私はこれから悪魔を潰しにいくわ♪ その間に逃げたい人は逃げなさい♪ 城は潰すつもりだから埋もれるわ!」
「「「壊れてしまう可能性じゃなくて潰すのかよ!?」」」
ルーちゃんやマヒちゃんだけじゃなく、ここにいた脱走者たちまで一緒になって叫んだ。それから脱走者たちは全員急いで私たちが来た方面から城の外へと向かって走り始めた。戦える人は武器を持って言ったからきっと数人の幻魔ぐらいならどうとでも出来るだろう。とはいっても幻魔とかほとんど全部斬っちゃったからいたとしても一体か二体ぐらいだろうけど。
とりあえず脱走者たちももう元気だろう。今すぐでも逃げればきっと自由になれる。
あと、二人にも言っておかないと。
「ほら、ルーちゃんやマヒちゃんもあの人たちの後追って行かないと♪」
「え? どうしてですぅ?」
「なんで俺たちまでそんなことしなきゃいけないんだ?」
「え?」
「「え?」」
…………。いやいやいや、なんで私があなたたちを悪魔の所まで案内しなきゃいけないのよ。
そんな私の思いなど無視して二人は脱走者たちを追うことなくこの場にとどまっていた。
今から二人で行ったって集団じゃないからグールの格好の的になりそうだし……はぁ。仕方ない。
「二人とも、決して悪魔に手を出さないでね? 二人とも戦えるとは思えないから」
「ず、ズバッというですぅ……」
「まぁ、確かにそうだけどよ……」
二人ともちょっと落ち込んだ。面白そうだからほおっておく。
「さて、じゃあ行くわよー♪」
「「「おぉ(ですぅ)!」」」
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